株式会社エフオンの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.66 0.48 -27.3
PER(株価収益率) 7.30 12.89 13.19 14.69 31.39 113.6
ROA(総資産利益率) 1.79 0.60 -66.7
ROE(自己資本利益率) 12.0 10.39 5.19 4.59 1.5 -67.4
売上高利益率 4.90 1.60 -67.3
純利益 824百万円 281百万円 -65.9
売上高 12,218百万円 13,144百万円 13,258百万円 16,949百万円 17,473百万円 3.1
純資産 2,292百万円 18,190百万円 18,234百万円 0.2
総資産 39,847百万円 45,603百万円 47,241百万円 45,718百万円 45,262百万円 -1.0

株価の割安性:割高

この企業は、PERが31.39倍PBRが0.48倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、純利益の大幅な減少(前期比65.9%減)やROEの低下(前期比67.4%減)が挙げられます。特に、売上高は増加しているものの、利益率の低下や燃料費の高騰、設備メンテナンス費用の増加が収益を圧迫しています。これらの要素が投資家からの評価を下げ、株価の割高感を生んでいると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは1.5%、ROAは0.60%、売上高利益率は1.60%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も1.60%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比3.1%増加しているものの、純利益が65.9%減少しており、利益率が大幅に低下しています。特に、グリーンエナジー事業における燃料費の高騰や定期メンテナンス費用の増加が収益を圧迫しています。また、エフオン新宮発電所の燃料調達に苦戦し、運送費や荷役コストが増加したことも影響しています。これらの要因が重なり、収益性が低下していると考えられます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比3.1%増加し、成長を見せていますが、純利益は65.9%減少し、ROAやROEも大幅に低下しています。特に、ROEは前期の4.59%から当期の1.5%に急落しており、自己資本利益率の大幅な低下が見られます。また、売上高利益率も67.3%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、燃料費の高騰やメンテナンス費用の増加が挙げられます。特に、木質バイオマス燃料の調達に苦戦し、燃料費や関連する運送費用が大幅に増加したことが収益を圧迫しています。また、定期メンテナンス費用や灰処理費用の増加も利益の減少に寄与しています。

株式会社エフオンの概要や事業内容など

企業名 株式会社エフオン
URL https://www.ef-on.co.jp/
業種 電気・ガス業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び連結子会社7社、非連結子会社4社によって構成された総合エネルギー・サービス企業(ESCO=Energy Service Company)です。主要な経営指標として、売上高は2020年から2024年にかけて増加傾向にあり、2024年には17,473百万円に達しました。しかし、経常利益や親会社株主に帰属する当期純利益は減少傾向にあり、2024年にはそれぞれ346百万円、281百万円となっています。自己資本比率は40.3%で安定しており、従業員数は271人(うち平均臨時雇用者数14人)です。企業理念として「エネルギーの黒子であろう」を掲げ、効率的なエネルギー利用と自然由来のエネルギー供給を通じて現代の課題に取り組んでいます。特に木質バイオマス発電を推進し、森林資源や林業の活用を通じて地域経済の活性化に貢献しています。

事業内容

当社グループは、主に「省エネルギー支援サービス事業」と「グリーンエナジー事業」を展開しています。省エネルギー支援サービス事業では、企業等の顧客設備の省エネルギー及び再生可能エネルギーの導入を支援し、エネルギー使用状況の診断、対策設備の設計・施工、運用までを一貫して行います。また、エネルギーマネジメントや二酸化炭素の管理・削減のコンサルティングも提供しています。グリーンエナジー事業では、再生可能エネルギーを利用した発電を行い、特に木質バイオマスをエネルギー源とした発電所の開発・運営を行っています。現在、エフオン日田、エフオン豊後大野、エフオン壬生、エフオン新宮の木質バイオマス発電所が稼働しており、エフオン白河はFIP制度に移行しています。これらの発電所は、廃木質材や森林資源を有効活用し、カーボン・ニュートラルなエネルギー供給を実現しています。さらに、電力小売事業も展開し、再生可能エネルギー電気を顧客に供給しています。