株式会社クオルテックの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 五期前 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名              
PBR 1.24
PER(株価収益率) 14.5
ROA(総資産利益率) 0.0 -6.0 1.89 9.60 6.59 6.5 -1.5
ROE(自己資本利益率) 0.0 3.40 15.69 9.10 9.80 7.7
売上高利益率 0.0 -7.40 4.30 10.39 6.40 7.5 17.2
純利益 0百万円 -216百万円 64百万円 327百万円 210百万円 270百万円 28.5
売上高 2,995百万円 2,921百万円 1,476百万円 3,156百万円 3,274百万円 3,624百万円 10.7
純資産 100百万円 2,380百万円 3,156百万円 32.6
総資産 4,270百万円 3,601百万円 3,285百万円 3,398百万円 3,178百万円 4,141百万円 30.3

株価の割安性:平均的

この企業のPERは14.5倍、PBRは1.24倍であり、いずれも市場平均に近い値を示しています。したがって、株価は平均的と判断されます。要因として、信頼性評価事業や微細加工事業の成長が堅調であり、特に電動自動車やパワー半導体の需要増加が業績を支えていることが挙げられます。また、ROEや売上高利益率も安定しており、企業の収益性が一定の評価を受けていることが背景にあると考えられます。

収益性:平均的

当期のROEは9.8%、ROAは6.5%、売上高利益率は7.5%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%の目安をわずかに下回り、ROAは5%を上回っているため、収益性は平均的と判断できます。

収益性が平均的である要因として、信頼性評価事業や微細加工事業の堅調な成長が挙げられます。特に、信頼性評価事業では、電動自動車の普及に伴うパワー半導体の需要増加が業績を牽引しています。また、微細加工事業では、医療機器や通信分野での需要が増加しており、これが収益性の向上に寄与しています。

一方で、その他事業の一部であるバイオ事業の業績低迷や競争激化が全体の収益性を抑制している可能性があります。これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、特定事業の強化と新規事業の開拓が必要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比10.7%増加し、3,624百万円に達しています。純利益も28.5%増加し、270百万円となっています。ROEも前期の9.10%から9.80%に上昇しており、自己資本利益率の改善が見られます。売上高利益率も17.2%増加し、7.5%に達しています。

要因としては、信頼性評価事業と微細加工事業の好調が大きく寄与しています。特に、信頼性評価事業では、電動自動車の普及に伴うパワー半導体の信頼性評価試験の需要が増加しており、これが売上高の増加に寄与しています。また、微細加工事業でも、車載部品や医療機器向けの需要が堅調に推移しており、全体的な業績を押し上げています。

株式会社クオルテックの概要や事業内容など

企業名 株式会社クオルテック
URL https://www.qualtec.co.jp/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

当社は、信頼性評価事業、微細加工事業、その他事業の3つの柱で構成されています。信頼性評価事業では、電子部品等に対する環境試験、電気試験、パワーサイクル試験などの信頼性評価試験、分析・故障解析、試料作製のための断面研磨、試験装置の設計、製造、販売を行っています。微細加工事業では、ビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板等に対する試作及び量産レーザ加工を行い、その他事業ではペットの遺伝子疾患検査サービスやバイオ医薬品の受託試験、品質コンサルティング、表面処理技術事業を展開しています。また、研究開発部門を有し、「オートモーティブとエネルギー」をキーワードにパワー半導体関連、電池関連の研究開発を行っています。

事業内容

信頼性評価事業では、電子部品等に対する環境試験、電気試験、パワーサイクル試験などの信頼性評価試験、分析・故障解析、試料作製のための断面研磨、試験装置の設計、製造、販売を行っています。顧客の技術課題を根本から解決するための再現実験を行い、技術営業体制を構築しています。電気自動車の基幹部品であるインバータの中のパワー半導体の信頼性評価試験や故障解析に取り組み、国際規格に基づく試験の実施から規格認証の取得まで対応しています。

微細加工事業では、ビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板等に対する試作及び量産レーザ加工を行っています。スマートフォンから医療機器まで、幅広い製品領域に対応し、顧客の要望に応えるための設備を整えています。レーザ加工が困難とされてきた素材に対する加工や評価を行い、微細加工の特殊技術力を強化しています。

その他事業では、ペットの遺伝子疾患検査サービスやバイオ医薬品の受託試験、品質コンサルティング、表面処理技術事業を展開しています。顧客が開発する製品の高品質かつ高い信頼性を実現するために、基礎実験や再現実験を繰り返し、ノウハウとデータの蓄積を行っています。

研究開発部門では、パワー半導体の接合不具合要因の研究や電池の性能判定に必要な特徴的な電気特性の抽出の研究を進めています。