株式会社エリアクエストの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.17 1.67 42.9
PER(株価収益率) 14.89 15.19 18.10 16.60 20.20 21.7
ROA(総資産利益率) 3.0 3.09 3.3
ROE(自己資本利益率) 9.69 10.0 6.69 7.0 8.30 18.6
売上高利益率 4.90 5.80 18.4
純利益 115百万円 135百万円 17.6
売上高 2,166百万円 2,143百万円 2,182百万円 2,319百万円 2,329百万円 0.4
純資産 991百万円 1,621百万円 1,623百万円 0.1
総資産 3,304百万円 3,350百万円 3,701百万円 3,811百万円 4,346百万円 14.0

株価の割安性:割高

この企業は、PERが20.20倍PBRが1.67倍と、いずれも市場平均を上回っており、割高と判断されます。割高の要因としては、純利益の増加(前期比17.6%増)や、ROEの改善(前期比18.6%増)が挙げられます。また、売上高はほぼ横ばいですが、売上高利益率の向上(前期比18.4%増)も影響していると考えられます。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっていると推測されます。

収益性:平均的

当期のROEは8.3%、ROAは3.09%、売上高利益率は5.8%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると平均的と判断できます。売上高利益率も5.8%と、特に高いとは言えません。

収益性が平均的である要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比0.4%の微増にとどまり、大きな成長が見られないことが挙げられます。また、営業利益が前期比51.4%減少しており、コスト管理や効率性の課題があると推測されます。さらに、サブリース事業の微増や粗利益の増加は見られるものの、仲介関連事業の減少が全体の収益性に影響を与えている可能性があります。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、売上高の増加とともに、コスト管理の強化や高収益事業の拡大が必要です。

業績のトレンド:横ばい

この企業の業績トレンドは「横ばい」と判断されます。売上高は前期比0.4%増加し、2,329,426千円となっていますが、営業利益は51.4%減少し、113,054千円となっています。経常利益も5.9%減少し、220,894千円となっていますが、純利益は17.6%増加し、134,918千円となっています。これらの数値から、売上高はほぼ横ばいである一方、利益面では減少傾向が見られます。

要因としては、人材採用及び販売促進費の拡大が挙げられます。積極的な営業姿勢を続けていることが、短期的にはコスト増加を招いている可能性があります。また、仲介関連事業の減少が影響している一方で、サブリース事業の微増が全体の売上を支えています。今後は、ストック収入の基盤強化が業績向上の鍵となるでしょう。

株式会社エリアクエストの概要や事業内容など

企業名 株式会社エリアクエスト
URL https://intetour.jp/global/corp/area-quest/
業種 不動産業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、不動産ソリューション事業を主軸とする企業であり、事業用不動産のビル所有者やビル経営者に対して、ビルの収益性を追求し資産価値を維持・向上させるためのサービスを提供しています。また、事業用不動産を使用する借主に対して、日常的なファシリティ(施設)を効率よく運営するためのサービスも提供しています。当社は持株会社として、連結子会社2社に対して経営コンサルティング及び管理業務代行を行っており、各社との間で締結している経営コンサルティング契約、管理業務受託契約、採用業務受託契約及びシステム管理業務契約に基づき、コンサルティングフィー及び業務受託料を得ています。また、当社グループは、テナント誘致事業、更新及び契約管理事業、ビル管理事業の三つの事業部門が情報を共有・連携し、事業用不動産収益の最大化を追求する企業哲学を持っています。当社グループの経営理念は「地域密着を旨とし、貸主・借主に徹底サービスを提供する。情報と組織の強みを活かしたサービスに従事し、顧客と共に栄える。」です。

事業内容

当社グループの主な事業内容は、不動産ソリューション事業です。この事業は、ビルの所有者や経営者に対して、ビルの収益性を追求し資産価値を維持・向上させるためのサービスを提供することを目的としています。具体的には、以下の三つの事業を展開しています。

1. テナント誘致事業: ビルの所有者や経営者に対して、借主のニーズマーケティングからテナント誘致及びリーシングノウハウの提供までを行う成功報酬型のサービスです。借主の情報を収集・蓄積し、貸主とのマッチング力を高めることで、ビルのキャッシュ・フローを最大化することを目指しています。

2. 更新及び契約管理事業: ビルのキャッシュ・フロー極大化のため、トラブルを未然に防止・解決するアドバイスや情報を提供します。ビル経営における諸問題を解決し、ビルの所有者や経営者の売却ニーズにも対応しています。

3. ビル管理事業: ビルのメンテナンスコストの効率的なサービスを提供し、法令改正によるビルメンテナンスの見直し等のアドバイスを行います。独自の清掃業務や各種法定点検の徹底を図り、快適なビル経営をサポートしています。また、ビルの所有者や経営者の要望に応じてサブリースも行っています。

当社グループは、これらの事業を通じて、ビルの収益性を追求し、顧客の事業収益につながる経営資源としてのオフィスを提供することを目指しています。