株式会社キングジムの業績を有価証券報告書から分析2024-09-19

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.03
PER(株価収益率) 24.70 13.39 32.09 61.5
ROA(総資産利益率) 1.20 -0.89 -175.0
ROE(自己資本利益率) 5.0 8.60 3.29 1.70 -1.29 -176.5
売上高利益率 1.10 -0.80 -172.7
純利益 420百万円 -318百万円 -175.8
売上高 33,455百万円 36,319百万円 36,637百万円 39,394百万円 39,553百万円 0.4
純資産 1,979百万円 24,833百万円 24,301百万円 -2.1
総資産 28,052百万円 30,565百万円 33,512百万円 35,812百万円 35,025百万円 -2.2

株価の割安性:割高

この企業のPERは前期61.5倍と市場平均の15倍を大きく上回り、割高と判断されます。PBRは1.03倍で市場平均の1倍に近く、平均的です。割高の要因としては、売上高が増加している一方で、純利益が大幅に減少し、赤字に転じていることが挙げられます。特に、ROEやROAの低下売上高利益率のマイナス転換が影響しています。これにより、投資家の期待が高まっている一方で、実際の収益性が低下しているため、株価が割高となっています。

収益性:低い

当期のROEは-1.29%、ROAは-0.89%、売上高利益率は-0.80%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率もマイナスであり、収益性が低いことが明らかです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高はほぼ横ばいで成長が見られないことが挙げられます。また、新型コロナ関連用品の評価減や販管費の増加が利益を圧迫しています。さらに、旧㈱エイチアイエムののれんの減損損失も特別損失として計上されており、これが純利益を大きく減少させています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、既存事業の強化と新規事業の開拓も重要な戦略となります。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比0.4%増加し、39,553百万円となっていますが、純利益は大幅に減少し、前期の420百万円から当期は-318百万円となっています。ROAやROEも大幅に低下しており、特にROEは前期の1.70%から当期は-1.29%に急落しています。売上高利益率も-0.80%と低下しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、円安進行や新型コロナ関連用品の評価減、販管費の増加が挙げられます。また、旧㈱エイチアイエム(ラチュナ事業)に係るのれんの減損損失が特別損失として計上されたことも、純利益の大幅な減少に影響を与えています。

株式会社キングジムの概要や事業内容など

企業名 株式会社キングジム
URL https://www.kingjim.co.jp/
業種 その他製品
決算日 6月20日

企業概要

当社は1927年の創業以来、約100年にわたり「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」という経営理念のもと、文具事務用品およびインテリアライフスタイル分野で事業を展開しています。2021年にはコーポレートメッセージ「おどろき、快適、仕事と暮らし」を制定し、仕事と暮らしを快適にする新しい価値の提供を目指しています。また、サステナビリティ向上のための基本方針を定め、持続可能な社会の実現と企業の持続的な発展を目指しています。経営環境としては、DXの加速によるペーパーレス化が進行し、主力のファイル市場が縮小する一方、EC市場の伸長によりEC事業が業績を伸ばしています。2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画では、売上高520億円、経常利益28億円、経常利益率5.4%、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%を目標としています。

事業内容

当社グループは、文具事務用品事業とインテリアライフスタイル事業の二つの主要な事業を展開しています。文具事務用品事業では、ファイルやステーショナリーの企画・製造・販売を行い、海外子会社を通じて製造・販売を行っています。具体的には、インドネシアやベトナムでファイルの製造を行い、中国や東南アジア市場での販売を展開しています。また、作業手袋の製造・販売も行っています。一方、インテリアライフスタイル事業では、家具、雑貨、時計、アーティフィシャルフラワー、生活家電、ルームフレグランスなどの企画・販売を行っています。グループ会社として、㈱ぼん家具がインターネットによるオリジナル家具の通信販売を、㈱ラドンナがキッチン雑貨やフォトフレームの企画・販売を、㈱アスカ商会がアーティフィシャルフラワーやインテリア雑貨の輸入・企画・販売を、ライフオンプロダクツ㈱が生活家電や雑貨の企画・販売をそれぞれ行っています。これらの事業を通じて、当社グループは多様な商品を提供し、顧客の生活を豊かにすることを目指しています。