相対年度 | 4期前 | 3期前 | 2期前 | 前期 | 当期 | 前期比(%) |
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項目名 | ||||||
PBR | ー | ー | 27.17 | 1.14 | 1.13 | -0.4 |
PER(株価収益率) | 19.60 | 24.0 | 25.60 | 50.20 | 77.30 | 54.0 |
ROA(総資産利益率) | 3.5 | 3.0 | 3.29 | 2.09 | 1.29 | -38.1 |
ROE(自己資本利益率) | 3.90 | 3.20 | 3.59 | 2.20 | 1.5 | -31.8 |
売上高利益率 | 18.20 | 16.10 | 16.60 | 10.89 | 7.5 | -31.2 |
純利益 | 319百万円 | 269百万円 | 310百万円 | 192百万円 | 121百万円 | -37.2 |
売上高 | 1,760百万円 | 1,670百万円 | 1,868百万円 | 1,755百万円 | 1,602百万円 | -8.8 |
純資産 | ー | ー | 292百万円 | 8,431百万円 | 8,188百万円 | -2.9 |
総資産 | 9,019百万円 | 9,096百万円 | 9,479百万円 | 9,207百万円 | 8,947百万円 | -2.8 |
株価の割安性:割高
この企業のPERは77.30倍、PBRは1.13倍であり、PERが市場平均の15倍を大きく上回っているため、割高と判断されます。PBRはほぼ市場平均に近いですが、PERの高さが際立っています。割高の要因としては、純利益の減少(前期比-37.2%)やROEの低下(前期比-31.8%)、ROAの低下(前期比-38.1%)が挙げられます。これらの要因が投資家の期待を下回り、株価が高止まりしている可能性があります。
収益性:低い
当期のROEは1.5%、ROAは1.29%、売上高利益率は7.5%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も7.5%と低めです。
収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前年同期比8.8%減少しており、特にコレットチャック部門や切削工具部門での売上減少が顕著です。さらに、全体的な経済環境の低迷や顧客企業の機械稼働率の低下も影響しています。また、競争が激化しているため、価格競争により利益率が低下している可能性もあります。これらの要因が収益性の低さに寄与していると考えられます。
業績のトレンド:不調
この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比8.8%減少し、1,602百万円となっています。純利益も37.2%減少し、121百万円にとどまっています。さらに、ROAやROEもそれぞれ38.1%と31.8%の大幅な低下を見せています。特に、売上高利益率が31.2%減少しており、利益率の低下が顕著です。
要因としては、世界経済の成長鈍化や低迷の影響を受けたことが挙げられます。特に、中国の不動産不況や個人消費の低調、米国の金利上昇過程での景気の弱含み、日本国内の円安傾向によるエネルギー価格や輸入物価の上昇が影響しています。また、主要セグメントであるコレットチャック部門や切削工具部門の売上高がそれぞれ8.6%と9.5%減少しており、全体的な受注の減少が業績に大きく影響しています。
株式会社エーワン精密の概要や事業内容など
企業名 | 株式会社エーワン精密 |
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URL | https://www.a-one-seimitsu.co.jp/ |
業種 | 機械 |
決算日 | 6月30日 |
企業概要
当社は、小型自動旋盤等で用いられるコレットチャック、各種切削工具、自動旋盤用カムの製造・販売を行う企業です。具体的には、コレットチャック部門、切削工具部門、自動旋盤用カム部門の三つのセグメントで構成されています。コレットチャック部門では、高精度で耐摩耗性・耐久性のあるコレットチャックを製造・販売し、切削工具部門では、切削工具の再研磨加工や特殊切削工具の製造・販売を行っています。自動旋盤用カム部門では、小型自動旋盤用のカムの設計・製造・販売を手掛けています。これらの機械工具は消耗品であるため、リピートオーダーによる継続的な受注が可能であり、当社の事業は基本的にリピートオーダー中心で運営されています。従業員数は2024年6月30日現在で108名であり、労働組合は結成されていませんが、労使関係は良好です。
事業内容
当社の事業は三つの主要セグメントに分かれています。コレットチャック部門では、小型自動旋盤用の高精度・耐摩耗性・耐久性を持つコレットチャックを製造・販売しています。これらのチャックは、素材供給装置により自動で1日約2,000~3,000回のチャック開閉を行うため、耐久性が求められます。切削工具部門では、マシニングセンターやフライス盤等の工作機械で使用される切削工具の再研磨加工や、顧客の指定する形状に成形する特殊切削工具の製造・販売を行っています。再研磨加工により、摩耗した刃先を新品同様に再生し、特殊切削工具の製造では加工時間・工程の短縮を図ります。自動旋盤用カム部門では、小型自動旋盤用のカムの設計・製造・販売を行っており、これらのカムは高周波加熱装置により焼入処理を施し、摩耗を防いでいます。これにより、概ね50万~100万回転までは精度を保つことができます。各部門ともに、顧客の要求に応じた高品質な製品を提供し、リピートオーダーを確保することで安定した受注を実現しています。