株式会社ホーブの業績を有価証券報告書から分析2024-09-25

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.75 2.22 27.2
PER(株価収益率) 23.60 6.69 7.0 12.5 85.69 585.6
ROA(総資産利益率) 10.0 1.79 -82.0
ROE(自己資本利益率) 6.40 20.70 21.89 14.60 2.59 -82.2
売上高利益率 4.40 0.80 -81.8
純利益 110百万円 20百万円 -81.9
売上高 3,230百万円 3,039百万円 2,605百万円 2,489百万円 2,519百万円 1.2
純資産 421百万円 788百万円 770百万円 -2.3
総資産 971百万円 975百万円 1,081百万円 1,108百万円 1,124百万円 1.4

株価の割安性:割高

この企業は、PERが85.69倍PBRが2.22倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、ROEが2.59%ROAが1.79%と低下していることが挙げられます。特に、純利益が81.9%減少していることがPERの急上昇に寄与しています。また、売上高はわずかに増加しているものの、売上高利益率が0.80%と低迷しており、収益性の低下が見られます。これらの要素が投資家からの評価を下げ、株価の割高感を生んでいます。

収益性:低い

当期のROEは2.59%、ROAは1.79%、売上高利益率は0.80%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も0.80%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高はほぼ横ばいで成長が見られないことが挙げられます。また、売上総利益率が低下していることから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。さらに、特需案件の減少や日常取引の増加に伴い、収益性の高い案件が減少していることも影響していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、日常取引の増加を収益性向上に繋げるための戦略も重要です。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比1.2%増加していますが、純利益は81.9%減少し、ROAやROEも大幅に低下しています。特に、ROEは前期の14.6%から当期の2.6%に急落しており、自己資本利益率の大幅な低下が見られます。また、売上高利益率も81.8%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、異常な猛暑や残暑によるいちごの収穫量減少が挙げられます。特に、夏秋期の自社品種「夏瑞/なつみずき」の出荷数量が大幅に減少し、販売数量が前年同時期に比べて減少しました。また、市場相場価格の高騰により仕入単価が上昇し、利益が圧迫されたことも影響しています。

株式会社ホーブの概要や事業内容など

企業名 株式会社ホーブ
URL https://hob.co.jp/
業種 水産・農林業
決算日 6月30日

企業概要

株式会社ホーブは、バイオテクノロジー技術を活用して農業を支援する企業です。社名の「HOB」は「Horticultural Biotechnology(施設園芸の生命科学技術)」および「Hokkaido Biotechnology(北海道の生命科学技術)」に由来し、研究室で行われていた組織培養技術を実際の農業に応用することを目指しています。主にいちごの品種開発から苗の生産・販売、果実の収穫・販売までを一貫して行い、特に四季成性いちごの品種「コア」や「夏瑞/なつみずき」を中心に、1年を通じて国産いちごを供給しています。連結子会社として株式会社エス・ロジスティックスを持ち、運送事業も展開しています。企業理念として「バイオテクノロジーをラボラトリーからフィールドへ」を掲げ、農業の活性化に寄与することを目指しています。

事業内容

株式会社ホーブの事業は、いちご果実・青果事業、種苗事業、馬鈴薯事業、運送事業の4つのセグメントに分かれています。いちご果実・青果事業では、自社品種のいちごを中心に、年間を通じて国産いちごを供給し、洋菓子メーカーなどに販売しています。特に夏秋期には「コア」や「夏瑞/なつみずき」といった四季成性いちごを供給し、輸入いちごに頼らない安定供給を実現しています。種苗事業では、自社品種のいちご苗を生産し、生産農家へ販売しています。また、いちご以外の種苗の研究開発や生産・販売も行っています。馬鈴薯事業では、種馬鈴薯の生産販売および仕入販売、青果馬鈴薯の仕入販売を行っています。運送事業は、連結子会社の株式会社エス・ロジスティックスが担当し、当社の商品配送を中心に一般荷主からの配送業務も受託しています。これらの事業を通じて、ホーブは農業生産者と消費者をつなぐ役割を果たし、農業の活性化に貢献しています。