サイジニア株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 7.57 8.78 15.9
PER(株価収益率) 23.29 31.5 35.2
ROA(総資産利益率) 10.0 11.80 18.0
ROE(自己資本利益率) 22.60 32.79 45.1
売上高利益率 10.69 18.0 68.2
純利益 261百万円 312百万円 19.9
売上高 1,029百万円 1,394百万円 2,596百万円 2,438百万円 1,740百万円 -28.6
純資産 66百万円 801百万円 1,120百万円 39.8
総資産 558百万円 515百万円 3,094百万円 2,596百万円 2,644百万円 1.8

株価の割安性:割高

この企業は、PERが31.5倍PBRが8.78倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、デジタルマーケティングソリューション事業の成長期待、特に「ZETA CXシリーズ」の収益向上が挙げられます。また、ROEが32.79%、ROAが11.80%と高い収益性を示しており、これが投資家からの評価を高めていると考えられます。さらに、リターゲティング広告事業の売却による事業構造の転換が順調に進んでいることも、株価上昇の一因と見られます。

収益性:高い

当期のROEは32.79%、ROAは11.80%、売上高利益率は18.0%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も18.0%と非常に高い水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、リターゲティング広告事業の売却により、収益性の高い「ZETA CXシリーズ」に注力したことが大きな要因です。これにより、売上高は減少したものの、利益率が大幅に改善しました。また、国内のEC市場の成長も追い風となり、新規クライアントの開拓や既存クライアントへのクロスセル・アップセルが順調に進んだことも収益性向上に寄与しています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比28.6%減少していますが、純利益は19.9%増加し、ROAやROEもそれぞれ18%と45.1%の増加を見せています。特に、売上高利益率が68.2%増加しており、利益率の向上が顕著です。

要因としては、リターゲティング広告事業の売却による売上高の減少がある一方で、利益率の高いCX改善サービス「ZETA CXシリーズ」への注力が功を奏しています。新規クライアントの開拓や既存クライアントへのクロスセル・アップセルが順調に進み、製品間のシナジー効果も上昇しています。また、国内EC市場の成長も追い風となり、利益の増加に寄与しています。

サイジニア株式会社の概要や事業内容など

企業名 サイジニア株式会社
URL https://scigineer.com/
業種 サービス業
決算日 6月末日

企業概要

当社グループは、当社及び連結子会社3社で構成され、「パーソナライズ」という切り口で、人工知能技術及びビッグデータ解析技術を活用し、顧客におけるマーケティング活動を支援する事業を行っています。具体的には、デジタルマーケティングソリューション事業を展開しており、単一セグメントでの事業運営を行っています。主要な連結子会社には、ZETA株式会社、デクワス株式会社、株式会社サイジニアアドバンスド研究所があり、各社がそれぞれの専門分野で事業を展開しています。2024年6月30日時点での従業員数は71名で、前年度比で11名減少していますが、これはデクワス株式会社のネット広告サービス事業の譲渡によるものです。

事業内容

当社グループの事業は、「デジタルマーケティングソリューション事業」であり、以下のサービスを提供しています。

1. **CX改善サービス**:
– **「ZETA CX」各種ソリューション**: ECサイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、レビューエンジン「ZETA VOICE」、レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」、広告エンジン「ZETA AD」などを提供し、ユーザーの購買体験を向上させるサービスです。
– **「デクワス.RECO」、「デクワス.VISION」**: パーソナライズ・エンジン「デクワス」を利用し、ユーザー一人ひとりの属性や購買・行動履歴に基づいて最適化された情報を表示するサービスです。
– **「デクワス.MYBUSINESS」**: デジタルナレッジマネジメント(DKM)サービスを提供し、企業が自社の情報を正確に管理・発信することを支援します。

2. **主要な顧客**:
– 主にアパレル業、小売業を中心としたECサイトの運営事業者が顧客であり、業界の枠を超えて顧客領域を拡大しています。

3. **課金体系**:
– ライセンス提供による固定課金、保守やホスティング契約による固定課金、初期費用に加え従量型や成果報酬型の課金方式など、多様な課金体系を採用しています。

当社グループは、デジタルマーケティング市場で国内No.1を目指し、企業と消費者のエンゲージメントを高めるための取り組みを進めています。2023年にはリターゲティング広告事業を売却し、CX改善サービス「ZETA CXシリーズ」の開発・販売に注力しています。これにより、売上高は減少したものの、利益及び利益率が改善し、事業構造の転換が順調に進んでいます。