株式会社ファインズの業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 2.68 1.35 -49.4
PER(株価収益率) 9.19 11.46 24.6
ROA(総資産利益率) 11.89 18.39 28.39 21.39 9.30 -56.5
ROE(自己資本利益率) 190.39 98.19 69.59 39.79 12.69 -68.1
売上高利益率 6.69 11.69 16.20 17.5 8.69 -50.3
純利益 130百万円 257百万円 420百万円 510百万円 239百万円 -53.2
売上高 1,938百万円 2,200百万円 2,595百万円 2,913百万円 2,761百万円 -5.2
純資産 14百万円 1,747百万円 2,014百万円 15.3
総資産 1,091百万円 1,398百万円 1,478百万円 2,386百万円 2,581百万円 8.2

株価の割安性:平均的

この企業のPERは11.46倍で市場平均の15倍を下回っており、割安と判断されます。一方、PBRは1.35倍で市場平均の1倍を上回っており、割高と判断されます。総合的に見ると、PERとPBRの評価が相反するため、株価は平均的と判断されます。要因として、売上高や純利益の減少、ROEやROAの大幅な低下が挙げられます。特に、ROEが12.69%と大幅に低下していることが、投資家の評価に影響を与えている可能性があります。

収益性:低い

当期のROEは12.69%、ROAは9.30%、売上高利益率は8.69%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を超えているものの、ROAは5%を下回っており、売上高利益率も低めです。したがって、収益性は低いと判断できます。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比5.2%減少しており、成長が見られないことが挙げられます。また、売上総利益率が低下していることから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。さらに、特需案件の減少や日常取引の増加に伴い、収益性の高い案件が減少していることも影響していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、日常取引の増加を収益性向上に繋げるための戦略も重要です。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比5.2%減少し、2,761百万円となっています。純利益は53.2%減少し、239百万円に落ち込みました。ROAやROEも大幅に低下しており、特にROEは前期の39.79%から当期の12.69%に急落しています。売上高利益率も50.3%減少し、8.69%となっています。

要因としては、セールスコンサルタント数の減少によりVideoクラウドの獲得が伸び悩んだこと、外注費及び原価部門の人件費が増加したことが挙げられます。また、販売費及び一般管理費の増加も影響しており、特に本社移転に伴う地代家賃の増加や採用費の増加がコストを押し上げています。

株式会社ファインズの概要や事業内容など

企業名 株式会社ファインズ
URL https://e-tenki.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

株式会社ファインズは、2009年5月に株式会社フリーセル(現ブランディングテクノロジー株式会社)の100%子会社として設立されました。設立当初はモバイルFlashサイト制作を手掛け、その後MEOやSEOサービス、スマートフォンサイト制作などを展開し、事業を拡大しました。2013年12月に代表取締役社長武吉広大及び株式会社タケショーが全株式を取得し、資本関係を解消しました。2019年3月には、旧株式会社ファインズの代表取締役社長三輪幸将によるLBOの受け皿会社として株式会社エスピーシーが設立され、同年6月に旧株式会社ファインズを吸収合併し、株式会社ファインズに商号を変更しました。LBO後も順調に業績を伸ばし、2022年4月にはLBOに伴う借入金を全額返済しました。現在、ガバナンス体制の強化を図り、監査役会や指名・報酬委員会を設置し、経営の透明性と公正性を確保しています。

事業内容

株式会社ファインズは、「誰からも必要とされる会社になる」という経営理念のもと、中小企業や個人事業主向けにデジタル化を推進するサービスを提供しています。主力事業はVideoクラウド事業で、動画制作サービス、動画配信プラットフォームサービス(Videoクラウド)、DXコンサルティングの3つのサービスを提供しています。動画制作サービスでは、短時間で多くの情報を伝え、記憶定着効果が高い動画を制作し、視聴データの分析・改善を行うカスタマーサクセス体制を構築しています。Videoクラウドは、動画の配信、分析、拡張機能を提供し、顧客のマーケティングDXを支援しています。DXコンサルティングでは、動画視聴データやマーケティングデータを活用し、顧客の課題を可視化し、適切なソリューションを提案しています。さらに、直販体制を構築し、安定的に案件を獲得する体制を整えています。今後も多様なソリューションを提供し、中小企業のDXをサポートすることを目指しています。