株式会社CIJの業績を有価証券報告書から分析2024-09-19

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.71 1.83 7.2
PER(株価収益率) 13.0 14.89 14.89 21.20 28.10 32.5
ROA(総資産利益率) 6.40 5.09 -20.3
ROE(自己資本利益率) 8.60 7.09 7.19 8.19 6.59 -19.5
売上高利益率 5.0 3.70 -26.0
純利益 1,143百万円 948百万円 -17.0
売上高 20,685百万円 20,392百万円 21,467百万円 22,859百万円 25,733百万円 12.6
純資産 2,270百万円 14,140百万円 14,509百万円 2.6
総資産 15,519百万円 16,252百万円 16,680百万円 17,776百万円 18,497百万円 4.1

株価の割安性:割高

この企業は、PERが28.10倍PBRが1.83倍と市場平均を上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、売上高が12.6%増加し、公共分野や製造分野の受注が堅調に推移したこと、また新たなソリューションやAI技術の導入による成長期待が挙げられます。しかし、ROEやROAの低下、純利益の減少が見られ、これがPERの上昇に寄与しています。結論として、成長期待が高い一方で、収益性の低下が株価の割高感を強めています。

収益性:低い

当期のROEは6.59%、ROAは5.09%、売上高利益率は3.70%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を下回り、ROAは5%をわずかに上回るものの、売上高利益率が低いため、収益性は低いと判断できます。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比12.6%増加しているものの、純利益が17%減少しており、利益率が低下しています。特に、のれん償却額の増加や一部連結子会社の収益の伸び悩みが影響しています。また、例年を上回るベースアップの実施や、のれん、固定資産等の減損損失の計上も収益性の低下に寄与しています。これらの要因を踏まえ、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。

業績のトレンド:横ばい

この企業の業績トレンドは「横ばい」と判断されます。売上高は前期比12.6%増加し、25,733百万円に達していますが、純利益は17.0%減少し、948百万円となっています。ROAやROEもそれぞれ20.3%と19.5%減少しており、利益率の低下が見られます。売上高利益率も26%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、売上高の増加にもかかわらず、のれん償却額の増加や減損損失の計上が純利益の減少に寄与しています。また、人件費の増加や新たに連結子会社化した企業の収益化が進んでいないことも影響しています。特に、日伸ソフトウエア株式会社のグループ入りに伴うのれん償却額の増加が大きな要因となっています。

株式会社CIJの概要や事業内容など

企業名 株式会社CIJ
URL https://www.cij.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、システム開発及びシステム開発に関連するサービスを提供する企業であり、主にシステムの設計、製造、運用・保守業務、システムに関するコンサルテーション及び調査研究、システム/パッケージ・インテグレーション・サービス、コンピュータ製品の販売等を行っています。連結経営指標としては、売上高は2020年から2024年にかけて増加傾向にあり、2024年には257億円を超えました。経常利益も増加しており、2024年には約20億円に達しました。従業員数は1620名で、平均臨時雇用者数は167名です。主要な顧客はNTT/NTTデータグループと日立グループであり、これらの顧客からの売上が全体の約38.7%を占めています。経営方針としては、事業環境の変化に適応し、新領域への挑戦、特化型SEの育成推進、サステナビリティ活動の強化、Trust relationshipの強化、プライムビジネスの更なる拡大を掲げています。

事業内容

当社グループの事業は、主にシステム開発及びシステム開発に関連するサービスに分類されます。具体的には、以下の4つの売上品目があります。
①システム開発: システムの設計、製造、運用・保守業務を行います。
②コンサルテーション及び調査研究: システムに関するコンサルテーション及び調査研究業務を提供します。
③システム/パッケージ・インテグレーション・サービス: システムまたは自社ソフトウェア製品のインテグレーション・サービスを提供します。
④その他: コンピュータ製品の販売及びその他のサービスを行います。
2024年6月期の売上高は、システム開発が225億円、コンサルテーション及び調査研究が10億円、システム/パッケージ・インテグレーション・サービスが7億円、その他が14億円となっています。事業環境の変化に対応するため、新たなソリューションのリリースやAI技術の導入、特化型SEの育成、サステナビリティ活動の強化などを積極的に行っています。また、主要な連結子会社として、株式会社CIJネクスト、株式会社カスタネット、日本ファイナンシャル・エンジニアリング株式会社などがあり、これらの子会社もシステム開発やコンサルテーション業務を行っています。