ベイシス株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.14
PER(株価収益率) 171.89
ROA(総資産利益率) 0.30
ROE(自己資本利益率) 0.69
売上高利益率 0.20
純利益 13百万円
売上高 6,822百万円
純資産 334百万円 1,967百万円 489.1
総資産 3,935百万円

株価の割安性:割高

この企業は、PERが171.89倍PBRが1.14倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、インフラテック事業の成長期待や、IoTエンジニアリングサービスの拡大が挙げられます。しかし、ROEが0.69%、ROAが0.30%と低く、収益性が低いことが影響しています。特に、通信キャリアの設備投資抑制やコスト抑制要請が進む中で、収益性の改善が求められています。

収益性:低い

当期のROEは0.69%、ROAは0.30%、売上高利益率は0.20%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も0.20%と非常に低い水準です。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は6,822百万円と一定の規模がありますが、純利益が13百万円と非常に低いため、利益率が低くなっています。また、通信キャリア各社の設備投資抑制やコスト抑制要請が進んでいることが影響していると考えられます。さらに、投資活動によるキャッシュ・フローが大きな支出となっており、特に子会社株式の取得による支出が大きく、これが収益性に影響を与えている可能性があります。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は6,822百万円と一定の規模を維持していますが、経常利益は76百万円、純利益は13百万円と低水準にとどまっています。特に、経常利益と純利益の低さが目立ち、ROEも0.69%と非常に低いです。これらの数値は、企業の収益性が低下していることを示しています。

要因としては、通信キャリア各社の設備投資抑制やコスト抑制要請が進んでいることが挙げられます。また、IoTエンジニアリングサービスへのシフトが進んでいるものの、まだ十分な収益を上げられていないことも影響していると考えられます。さらに、連結子会社の取得に伴う費用や投資活動によるキャッシュ・フローの大幅な支出も、業績に負の影響を与えている可能性があります。

ベイシス株式会社の概要や事業内容など

企業名 ベイシス株式会社
URL https://www.basis-corp.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、インフラテック事業を展開しており、通信・電力・ガス等のインフラ事業者に対し、通信インフラの設計・施工・運用・保守サービス及び各種プロジェクト支援等のサービスを提供しています。インフラテック事業とは、インフラ(infrastructure)とテクノロジー(Technology)をかけ合わせた造語であり、通信インフラ構築におけるノウハウ・スキルに最新テクノロジーをかけ合わせたサービスを指します。自社システムであるBLASやRPA、AIなどのテクノロジーを活用し、現場管理や現場作業・プロジェクト管理等のIT化を推進しています。国内各地域に営業拠点を設置し、施工等を担う協力会社を擁し、日本全国にサービス提供可能な基盤を有しています。2024年6月期の売上高は6,822,403千円、営業利益は79,274千円、経常利益は76,342千円、親会社株主に帰属する当期純利益は13,158千円となりました。

事業内容

当社グループの事業は、モバイルエンジニアリングサービスIoTエンジニアリングサービスの二つの主要なサービスを中心に展開しています。

1. **モバイルエンジニアリングサービス**:
– **エリア設計・置局・施工**: 携帯電話やWi-Fiなどの基地局工事に関わる品質管理、工期管理、免許申請、部材管理、無線ネットワーク解析、エリア検討業務等を受託し、通信インフラを構築する支援業務を行っています。
– **インテグレーション**: 基地局に対して遠隔よりデータ投入・設定を行い、基地局が携帯電話の電波を発射できるようにする業務を行っています。
– **運用監視・保守**: 通信障害発生時の検知、障害対応、原因調査、現地対応管理等を受託しています。

2. **IoTエンジニアリングサービス**:
– **仕様検討・機器設置**: IoT機器設置における工事の仕様を検討し、現地で機器設置、ネットワーク工事を行い、設定・動作確認を行います。
– **運用監視・保守**: 機器や通信ネットワーク等のイレギュラーや不具合の運用監視を行い、障害発生時は現地やリモートで対応を行います。

これらのサービスは、BLAS、AI(画像認識)、RPAなどのテクノロジーを活用することで、オペレーションコストの削減、ヒューマンエラーの低減、作業ミスの防止、事務工数及びオペレーションコストの削減を実現しています。全国の主要な都市に事業拠点を設け、協力会社ネットワーク「ベイシスパートナーズ」を構築し、日本全国を対象としたサービス展開が行える体制を整えています。