フィーチャ株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR
PER(株価収益率) 332.39 114.04
ROA(総資産利益率) -4.80 -1.0
ROE(自己資本利益率) 14.60 5.40
売上高利益率 -7.30 -1.60
純利益 -29百万円 -8百万円
売上高 420百万円 260百万円 383百万円 390百万円 494百万円 26.8
純資産 285百万円 549百万円 730百万円 33.0
総資産 578百万円 545百万円 599百万円 591百万円 768百万円 29.9

株価の割安性:割高

この企業のPERは、直近のデータで114.04倍と市場平均の15倍を大きく上回っており、割高と判断されます。PBRのデータは提供されていないため、PERのみでの判断となります。割高の要因としては、画像認識ソフトウェア開発事業の成長期待や、ボッシュ株式会社との資本業務提携による事業拡大の見込みが挙げられます。また、売上高が前期比26.8%増加していることや、ROEが14.6%から5.4%に低下しているものの依然としてプラスであることも、投資家からの評価を高めている要因と考えられます。

収益性:低い

当期のROEは-1.2%、ROAは-1.0%、売上高利益率は-1.6%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も-1.6%と低い水準です。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比26.8%増加しているものの、依然として経常損失や純損失が続いていることが挙げられます。特に、受託開発収入は増加したものの、ライセンス収入が減少している点が影響しています。また、従業員の増加に伴う人件費の増加やオフィスの増床に伴う賃料負担の増加もコストを押し上げています。これらの要因が収益性の低さに寄与していると考えられます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比26.8%増加し、成長を見せていますが、純利益は依然として赤字であり、前期の-28,591千円から当期の-7,884千円に改善したものの、依然として損失を計上しています。ROAやROEもマイナスであり、特にROAは-1.0%と低迷しています。また、売上高利益率も-1.60%と改善は見られるものの、依然としてマイナスです。

要因としては、従業員の増加に伴う人件費の増加や、オフィスの増床に伴う賃料負担の増加が挙げられます。また、ボッシュ株式会社との資本業務提携により受託開発収入は増加しましたが、ライセンス収入が減少していることも影響しています。これらの要因が、営業損失や経常損失の改善を妨げています。

フィーチャ株式会社の概要や事業内容など

企業名 フィーチャ株式会社
URL https://ficha.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

フィーチャ株式会社は、2005年に設立され、画像認識ソフトウェアの開発を主な事業としています。創業当初はレンズ検査装置事業を手掛けていましたが、2012年から画像認識ソフトウェアの開発に注力し、現在では車載カメラやドライブレコーダー向けのソフトウェアを提供するモビリティ事業を中心に展開しています。2020年にはスマートインフラ事業、2021年にはDX事業にも進出し、事業の多角化を図っています。2023年6月にはボッシュ株式会社との資本業務提携を締結し、モビリティ事業のさらなる拡大を目指しています。企業理念として「Make Things Intelligent」を掲げ、あらゆるモノのインテリジェント化を通じてスマート社会の実現に貢献することを目指しています。

事業内容

フィーチャ株式会社は、独自のアルゴリズムを用いた画像認識ソフトウェアの開発を行い、以下の三つの主要事業を展開しています。

①モビリティ事業: 車載カメラやドライブレコーダー向けに歩行者や車両、車線、標識などを検知するADAS(先進運転支援システム)用の組み込みソフトウェアを開発しています。また、顔認証やよそ見運転、危険運転、居眠り運転などを検知するDMS(ドライバーモニタリングシステム)用ソフトウェアも提供しています。主な顧客は自動車メーカーや自動車部品メーカー、ドライブレコーダーメーカーです。

②スマートインフラ事業: AI技術を活用して交通監視やインフラ制御などの分野で社会課題を解決するソフトウェアを提供しています。モビリティ事業で培った技術やノウハウを応用し、Tier 1や高速道路管理会社を通じて量産に向けた開発を進めています。

③DX事業: 労働力不足や人材不足を背景に、働き方改革や業務自動化(DX化)のニーズが高まる中、高精度なAI文字認識エンジンを開発し、複数社に技術提供を行っています。使用量に応じてライセンス料を受領し、幅広い分野の顧客にサービスを提供しています。

フィーチャ株式会社は、これらの事業を通じて、様々な端末に実装しやすい画像認識技術の実現を目指し、企業価値の最大化を図っています。