株式会社データホライゾンの業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR
PER(株価収益率) 35.29 58.20
ROA(総資産利益率) -10.60 -12.60
ROE(自己資本利益率) 16.79 20.29
売上高利益率 -15.39 -16.79
純利益 -678百万円 -840百万円
売上高 2,782百万円 3,330百万円 2,990百万円 4,410百万円 5,007百万円 13.5
純資産 457百万円 4,026百万円 3,216百万円 -20.1
総資産 1,988百万円 2,277百万円 2,264百万円 6,390百万円 6,660百万円 4.2

株価の割安性:割高

この企業のPERは35.29倍および58.20倍と市場平均の15倍を大きく上回り、割高と判断されます。PBRのデータは提供されていないため、PERのみでの判断となります。割高の要因としては、売上高が13.5%増加し、データヘルス計画作成支援業務の受注が順調に進んでいることが挙げられます。しかし、純利益が赤字であることや、ROAおよびROEがマイナスであることから、収益性に課題があると考えられます。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっていると推測されます。

収益性:低い

当期のROEは-12.60%、ROAは-12.60%、売上高利益率は-16.79%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も-16.79%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比13.5%増加しているものの、純利益が-840百万円と大幅な赤字であることが挙げられます。特に、データ利活用サービスにおける積極的な投資と、のれん償却費の負担が大きく、これが収益性の低下に寄与しています。また、営業損失が前期の-4億98百万円から-7億89百万円に増加しており、コスト管理が課題となっています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、データ利活用サービスの収益性を高めるための戦略的な投資の見直しも重要です。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比13.5%増加し、成長を見せていますが、純利益は前期の-678百万円から当期の-840百万円へと悪化しています。また、ROAも-10.60%から-12.60%に低下し、売上高利益率も-15.39%から-16.79%に悪化しています。

要因としては、積極的な投資の継続と、のれん償却費の負担が大きいことが挙げられます。特に、連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱の株式取得に伴うのれん償却費が大きく影響していると考えられます。また、データ利活用サービスの売上高は増加しているものの、投資の回収が進んでいないことも業績悪化の一因と考えられます。

株式会社データホライゾンの概要や事業内容など

企業名 株式会社データホライゾン
URL https://www.dhorizon.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、少子高齢化が進む日本において、医療費の増加という社会問題に対処し、国民の健康と医療費適正化に貢献することを目的としています。グループは当社および連結子会社3社で構成され、ヘルスケア事業を中心に展開しています。主要な経営指標として、売上高は2020年から2024年にかけて増加傾向にあり、2024年には50億7033千円に達しました。しかし、経常損失や親会社株主に帰属する当期純損失は増加しており、2024年にはそれぞれ△773,285千円および△807,185千円となっています。自己資本比率は46.7%で、従業員数は374名です。親会社である株式会社ディー・エヌ・エーが51.6%の議決権を所有しており、役員の兼任や業務の委託などの関係があります。

事業内容

当社グループのヘルスケア事業は、医療関連データベースを利用したソフトウェアの開発と、データヘルス関連サービスの提供を主軸としています。具体的には、保険者向けにデータヘルス計画作成支援や保健事業支援を行い、健康管理アプリ「kencom」を提供しています。また、子会社のDeSCヘルスケア株式会社では、匿名加工情報を分析・提供するデータ利活用サービスを展開しています。データヘルス計画作成支援では、レセプトや特定健診データを分析し、医療費適正化のためのレポート提供や保健指導を行います。データ利活用サービスでは、製薬会社やアカデミア向けに高齢者の医療情報を提供し、創薬開発などに役立てています。事業の単一セグメントとして、ヘルスケア事業全体の成長と医療費適正化、国民の健康増進に寄与することを目指しています。