株式会社きちりホールディングスの業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 15.47 4.64 -70.0
PER(株価収益率) -10.27 -11.17 26.92 -33.59 36.41
ROA(総資産利益率) -4.19 3.09
ROE(自己資本利益率) -38.59 -52.90 18.70 -36.70 22.5
売上高利益率 -2.59 1.70
純利益 -286百万円 234百万円
売上高 8,049百万円 5,616百万円 6,921百万円 10,942百万円 13,747百万円 25.6
純資産 382百万円 620百万円 1,840百万円 196.8
総資産 8,335百万円 8,215百万円 7,382百万円 6,794百万円 7,541百万円 11.0

株価の割安性:割高

この企業は、PERが36.41倍PBRが4.64倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、売上高が前年同期比25.6%増加し、純利益も大幅に改善していることが挙げられます。また、ROEが22.5%と高い水準にあり、収益性が向上していることも影響しています。さらに、プラットフォームシェアリング事業やDX事業の成長期待が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっていると考えられます。

収益性:高い

当期のROEは22.5%、ROAは3.09%、売上高利益率は1.70%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEが10%を大きく上回っているため収益性は高いと判断できます。ROAは5%を下回っていますが、ROEの高さが収益性の高さを補っています。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比25.6%増加しており、特に飲食事業とプラットフォームシェアリング事業が大きく貢献しています。飲食事業では新規店舗のオープンが売上増加に寄与し、プラットフォームシェアリング事業では多様な分野とのコラボレーションが新たな顧客価値を創出しています。また、営業利益が前年の営業損失から大幅に改善し、経常利益もプラスに転じています。これらの戦略的取り組みが、収益性の高さを支えています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比25.6%増加し、13,747百万円に達しています。純利益も前期の-286百万円から234百万円に大幅に改善し、ROAやROEもプラスに転じています。特に、ROEは前期の-36.70%から22.5%に大幅に改善しています。

要因としては、飲食事業の新規店舗オープンや、プラットフォームシェアリング事業の拡大が寄与しています。特に、飲食事業では新規6店舗のオープンが売上増加に大きく貢献しています。また、プラットフォームシェアリング事業も前年同期比95.4%増加しており、事業の多角化が成功していることが伺えます。

株式会社きちりホールディングスの概要や事業内容など

企業名 株式会社きちりホールディングス
URL https://kichiri.co.jp/company/
業種 小売業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び連結子会社5社により構成され、主に飲食店の経営及びこれに付随する業務を行っています。グループの企業理念は「大好きがいっぱい」であり、ドミナント構築による規模拡大やサービス・商品・空間全てにこだわる店舗運営を通じて、外食産業における新たなスタンダードの創造を目指しています。経営戦略としては、自社ブランドの店舗展開に加え、プラットフォームシェアリング事業やフランチャイズ事業の拡大を図り、外食産業の新しいスタンダードを創造することを目指しています。経営環境としては、原材料費や光熱費の高騰など厳しい状況が続いている中で、個人消費意欲の高まりやインバウンド需要の回復が見られます。経営上の目標としては、売上高営業利益率4.0%以上、ROE10.0%以上、配当性向30.0%以上を掲げています。

事業内容

当社グループの事業は主に以下の3つのセグメントに分かれています。

1. 飲食事業
当社グループは「料理」を単に提供するだけでなく、真心のこもった手作り感のある「料理」と徹底した“おもてなし”により、“豊かさ”や“楽しさ”といった付加価値を提供しています。代表的な業態には「Casual Dining KICHIRI」、「新日本様式」、「いしがまやハンバーグ」、「VEGEGO」などがあり、各業態で高品質な料理とおもてなしを提供しています。また、デリバリーサービスも展開しています。

2. プラットフォームシェアリング事業
この事業では、当社がこれまで培ってきた外食企業運営基盤「プラットフォーム」を活用し、地方創生やファッション・エンターテイメント分野、農畜産・水産の一次産業分野のブランドコンテンツホルダー企業とコラボレーションを行い、新たな顧客価値を提供する店舗をプロデュースしています。また、ふるさと納税寄付に関する業務も受託し、返礼品事業者への対応や返礼品代・送料の支払い代行、ふるさと納税のプロモーションに関する業務等のサービス提供を行っています。

3. フランチャイズ事業
当社グループは「いしがまやハンバーグ」に係る営業権を加盟店に付与し、直営店などの運営やプロデュース・コンサルティング事業等で培ってきた企画・開発・運営ノウハウを提供しています。加盟店は、契約に定める加盟金及びロイヤリティ等を支払い、全国への店舗展開の加速とブランド認知度およびブランドイメージの向上を図っています。

これらの事業を通じて、当社グループは外食産業における新たなスタンダードの創造を目指しています。