株式会社W TOKYOの業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 13.15 4.36 -66.8
PER(株価収益率) 41.13 22.01 -46.5
ROA(総資産利益率) -6.80 -8.19 5.19 13.0 10.60 -18.5
ROE(自己資本利益率) 28.60 45.40 22.39 -50.7
売上高利益率 -5.30 -11.0 6.19 11.19 8.30 -25.9
純利益 -162百万円 -219百万円 129百万円 406百万円 328百万円 -19.4
売上高 3,053百万円 1,987百万円 2,065百万円 3,616百万円 3,958百万円 9.4
純資産 40百万円 1,271百万円 1,652百万円 30.0
総資産 2,387百万円 2,687百万円 2,498百万円 3,123百万円 3,098百万円 -0.8

株価の割安性:割高

この企業は、PERが22.01倍PBRが4.36倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、TOKYO GIRLS COLLECTIONのブランド力とその発信力を活かした多岐にわたる事業展開、特に地方自治体との連携による地域活性化プロジェクトやSDGs推進活動が挙げられます。また、ROEが22.39%と高い水準にあり、収益性が高いことも投資家からの評価を高めている要因と考えられます。これらの要素が投資家からの期待を集め、株価上昇につながっています。

収益性:高い

当期のROEは22.39%、ROAは10.60%、売上高利益率は8.30%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も8.30%と健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比9.4%増加しており、特にTGCプロデュース領域の売上が11.3%増加したことが大きく寄与しています。また、コンテンツプロデュース・ブランディング領域でも8.4%の増加が見られます。さらに、協賛企業や出展アパレルブランドの増加、地方自治体との連携による地方開催の成功が収益性向上に寄与しています。

一方で、制作業界の人手不足や人件費の上昇、物価の高騰により売上原価率が上昇している点は課題として認識されていますが、全体としては高い収益性を維持しています。

業績のトレンド:横ばい

この企業の業績トレンドは「横ばい」と判断されます。売上高は前期比9.4%増加し、3,958百万円に達していますが、純利益は19.4%減少し、328百万円となっています。ROAやROEもそれぞれ18.5%と50.7%の減少を示しており、利益率の低下が見られます。

要因としては、制作業界の人手不足や人件費の上昇、物価の高騰が挙げられます。これにより売上原価が上昇し、サービスによっては売上高への転嫁が難しい状況です。また、既存従業員の賃金ベースアップや中途採用の拡大による人的資本投資が増加し、販売費及び一般管理費が増加したことも影響しています。

株式会社W TOKYOの概要や事業内容など

企業名 株式会社W TOKYO
URL https://w-tokyo.co.jp/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社と非連結子会社㈱W labで構成されており、「すべてのヒト・モノ・コト・地域が輝く世界をつくる」というビジョンを掲げています。主力ブランドであるTOKYO GIRLS COLLECTION(TGC)を活用し、ヒト・モノ・コト・地域の価値を共創し最大化することをミッションとしています。ブランディングプラットフォーム事業の単一セグメントで事業を展開しており、TGCのプロデュースを中心に、地方開催やシティプロモーション、コンテンツプロデュース、デジタル広告など多岐にわたるサービスを提供しています。

事業内容

当社の事業は主に以下の領域に分かれます:

(1) TGCプロデュース領域
毎年春と秋に東京近郊で開催されるTGCを中心に、協賛金収入、チケット販売収入、ブランド出展料収入を得ています。また、地方都市でのTGC開催やシティプロモーションを通じて地方自治体からも収入を得ています。TGCはファッションショー、音楽ライブ、インフルエンサーのステージなどを組み合わせた青年層向けの発信型プラットフォームです。

(2) コンテンツプロデュース・ブランディング領域
TGCで培った企画力・ブランド力を活かし、顧客の商材のブランディングを行います。トップインフルエンサーやアーティストをキャスティングし、広告キャスティング収入やクリエイティブ制作収入を得ています。また、スクール事業、オーディション事業、ティーン世代向けのイベントプロデュース、オリジナル商品の開発なども展開しています。

(3) デジタル広告領域
アフィリエイトプラットフォーム「アフィリエイトwalker」を運営し、広告主からの成果報酬を得ています。また、TGCの公式メディア「girlswalker」を運営し、ネットワーク広告収入やタイアップ広告収入を得ています。

これらの事業を通じて、当社はTGCのブランド力を最大限に活用し、ヒト・モノ・コト・地域の価値を高めるためのブランディングやプロモーションを提供しています。