前田工繊株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 五期前 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名              
PBR 2.28 1.69 -25.8
PER(株価収益率) 11.30 27.0 24.60 26.60 18.89 13.30 -29.6
ROA(総資産利益率) 7.0 9.89 41.4
ROE(自己資本利益率) 13.39 9.60 12.89 8.80 12.39 15.10 21.8
売上高利益率 10.5 14.30 36.2
純利益 5,258百万円 7,979百万円 51.7
売上高 37,853百万円 39,365百万円 43,236百万円 36,901百万円 50,204百万円 55,833百万円 11.2
純資産 3,472百万円 43,430百万円 62,522百万円 44.0
総資産 54,021百万円 58,468百万円 64,267百万円 68,760百万円 74,821百万円 80,243百万円 7.2

株価の割安性:割安

この企業は、PERが13.30倍PBRが1.69倍と市場平均を下回り、割安と判断されます。割安の要因としては、ROEが15.10%ROAが9.89%と高い収益性を示しており、売上高や純利益も増加傾向にあります。特に、売上高は前期比11.2%増、純利益は51.7%増と大幅に改善しています。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価の割安感を強めています。

収益性:高い

当期のROEは15.10%、ROAは9.89%、売上高利益率は14.30%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を大幅に上回っており、売上高利益率も14.30%と非常に健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比11.2%増加しており、特にインダストリーインフラ事業が好調に推移しています。自動車ホイール事業では、OEM供給やアフター市場向け製品が好調で、ドイツ子会社の業績も大きく伸長しました。また、ソーシャルインフラ事業でも河川護岸材やコンクリート構造物の補修・補強用資材の販売が堅調に推移しました。これらの要因が収益性の向上に寄与しています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比11.2%増加し、55,833百万円に達しています。純利益は51.7%増加し、7,979百万円となっています。また、ROAは41.4%増加し、ROEも21.8%増加しています。売上高利益率も36.2%増加しており、利益率の向上が顕著です。

要因としては、ソーシャルインフラ事業とインダストリーインフラ事業の両方で売上と利益が増加していることが挙げられます。特に、インダストリーインフラ事業では、自動車メーカー向けOEM供給やアフター市場向け製品が好調に推移し、ドイツ子会社の業績も大きく伸長しました。また、製造原価の削減や販売価格への転嫁が進んだことも利益増加に寄与しています。

前田工繊株式会社の概要や事業内容など

企業名 前田工繊株式会社
URL https://www.maedakosen.jp/
業種 その他製品
決算日 6月30日

企業概要

前田工繊株式会社は、1972年に設立され、繊維とプラスチックを素材とした環境資材(ジオシンセティックス)の製造・販売を行う企業です。ジオシンセティックスとは、土木工事などに使用される高分子材料の製品の総称であり、同社は日本におけるこの技術のパイオニア企業として知られています。主要な製品には、盛土補強材、土木シート、河川護岸材、斜面防災製品、接着アンカー、水質汚濁防止膜、プラスチック擬木、排水材、ポリマーセメントモルタル、植生製品、間伐材製品などがあります。また、同社は不織布の製造・販売も行っており、自動車資材や土木・建設資材、医療・衛生資材などに利用される製品を提供しています。さらに、同社は国内外に複数の連結子会社を持ち、ソーシャルインフラ事業とインダストリーインフラ事業を展開しています。

事業内容

前田工繊株式会社の事業は、主にソーシャルインフラ事業とインダストリーインフラ事業に分かれています。

ソーシャルインフラ事業では、土木資材、建築資材、農業資材、不織布の製造・販売を行っています。具体的には、ジオシンセティックス技術を駆使した盛土補強材、土木シート、河川護岸材、斜面防災製品、接着アンカー、水質汚濁防止膜、プラスチック擬木、排水材、ポリマーセメントモルタル、植生製品、間伐材製品などを提供しています。また、不織布の製造・販売も行っており、自動車資材や土木・建設資材、医療・衛生資材などに利用される製品を供給しています。さらに、連結子会社を通じて、獣害対策製品、農業資材、園芸用ハウス、栽培システム、酪農用製品、天幕、帆布生地製品、海洋土木品、外壁用防水材、保護・仕上げ材、フィッシュミール、魚油などの製造・販売も行っています。

インダストリーインフラ事業では、自動車用軽合金鍛造ホイールの製造・販売及び各種繊維を原料とした産業資材の製造・加工・販売を行っています。具体的には、連結子会社であるBBSジャパン株式会社が高級鍛造ホイールの製造に特化し、自動車メーカー向けOEM供給とアフター市場向けの販売を行っています。また、未来コーセン株式会社が超純水洗浄技術やカット技術、撚糸加工技術を活かしたサービス及び製品の提供を行っており、主要な製品にはフラットディスプレイパネル・精密機器用ワイピングクロス、ネームリボン、各種工業繊維等の細巾織編物二次製品、衣料・各種産業資材用の丸編製品などがあります。

これらの事業を通じて、前田工繊株式会社は「防災・安心・安全」をキーワードに、持続可能な地球と安心・安全で豊かな社会の創造に貢献しています。