プレシジョン・システム・サイエンス株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR
PER(株価収益率) 28.39 317.10
ROA(総資産利益率) -13.60 -17.5
ROE(自己資本利益率) 14.60 0.69
売上高利益率 -25.10 -28.20
純利益 -1,324百万円 -1,121百万円
売上高 5,067百万円 9,299百万円 7,434百万円 5,278百万円 3,980百万円 -24.6
純資産 4,644百万円 5,222百万円 4,143百万円 -20.7
総資産 6,437百万円 11,569百万円 11,410百万円 9,762百万円 6,397百万円 -34.5

株価の割安性:割高

この企業のPERは28.39倍と市場平均の15倍を大きく上回り、割高と判断されます。PBRのデータは提供されていませんが、PERの高さから割高と結論づけられます。割高の要因としては、過去のROEが14.6%と比較的高かったことや、バイオ関連業界における成長期待が挙げられます。しかし、最近の業績は悪化しており、売上高や純利益が大幅に減少しているため、今後の業績改善が求められます。

収益性:低い

当期のROEは-17.5%、ROAは-13.6%、売上高利益率は-28.2%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も-28.2%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比24.6%減少しており、特に自社ブランド製品の販売がコロナ禍の収束に伴い減少したことが挙げられます。また、OEM製品販売においても北米の取引先の経営悪化や海上輸送の遅延が影響しています。さらに、長期滞留在庫に対する棚卸評価損の計上や固定資産の減損損失も収益性の低下に寄与しています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、売上の回復とコスト管理の強化が必要です。また、事業の抜本的改善策の実施が求められます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比24.6%減少し、3,980百万円となっています。純利益も前期の-1,324百万円から当期の-1,121百万円と依然として赤字が続いています。ROAも-17.5%と悪化しており、売上高利益率も-28.2%と低迷しています。

要因としては、コロナ禍の収束に伴うPCR検査数の減少や市場への新製品投入の遅れ、北米の取引先の経営悪化による注文調整、世界的な海上輸送の遅延などが挙げられます。また、長期滞留在庫に対する棚卸評価損の計上も売上総利益の押下げ要因となっています。これらの要因が重なり、業績が悪化していると考えられます。

プレシジョン・システム・サイエンス株式会社の概要や事業内容など

企業名 プレシジョン・システム・サイエンス株式会社
URL https://www.pss.co.jp/
業種 精密機器
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び子会社4社、持分法適用共同支配企業1社で構成されており、主としてバイオ関連業界において、ラボ自動化や臨床検査用の各種装置、それらに使用される試薬や反応容器などの消耗品類の開発及び製造販売を行っています。これら製品は、業界大手のグローバル企業との提携によるOEM販売を中心に、日本国内及び欧米子会社を通じた自社販売も含め、ワールドワイドに事業展開しています。主要な子会社には、米国のPrecision System Science USA, Inc.、欧州のPrecision System Science Europe GmbH、知的財産管理・研究開発を行うユニバーサル・バイオ・リサーチ株式会社、機器や消耗品の製造を行うエヌピーエス株式会社があります。また、持分法適用共同支配企業として、株式会社PF・BioLineが生体物質測定の研究開発及び製品販売を行っています。

事業内容

当社グループの事業は、以下の4つの製品区分に分かれています。

①装置: 核酸自動抽出装置を中心としたラボ向けの各種自動化装置及び遺伝子を利用した臨床診断分野向けの装置の販売を行っています。これにより、研究室や臨床現場での効率的な作業をサポートしています。

②試薬・消耗品: 当社装置の使用に伴い消費される核酸抽出及びPCR検査等に用いる試薬や反応容器などの専用プラスチック消耗品の販売を行っています。これにより、装置の性能を最大限に引き出すことが可能です。

③メンテナンス関連: 装置メンテナンスやスペアパーツの販売を行っています。主要なOEM先は自社でメンテナンス対応を行っていますが、スペアパーツは当社から購入する契約となっています。

④受託製造・受託検査: 製造工場であるエヌピーエス株式会社が実施している、当社以外の外部からの受託製造事業及び当社受託検査の区分です。

これらの事業を通じて、当社グループはバイオ関連業界におけるラボ自動化や臨床検査の効率化を推進し、顧客のニーズに応える高品質な製品を提供しています。また、OEM事業及びODM事業に注力し、競争力のある高付加価値製品をタイムリーに市場に投入することを目指しています。