株式会社ユビテックの業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR
PER(株価収益率) 92.62
ROA(総資産利益率) -11.0 -14.5
ROE(自己資本利益率) 1.20 -14.80 -7.80 -11.69 -16.0
売上高利益率 -29.29 -33.79
純利益 -289百万円 -344百万円
売上高 1,764百万円 1,291百万円 1,171百万円 985百万円 1,016百万円 3.1
純資産 941百万円 2,353百万円 2,009百万円 -14.6
総資産 3,650百万円 3,152百万円 2,929百万円 2,627百万円 2,364百万円 -10.0

株価の割安性:割高

この企業のPERは92.62倍であり、市場平均の15倍を大きく上回っています。PBRのデータは提供されていないため、PERのみでの判断となりますが、PERが非常に高いことから割高と判断されます。割高の要因としては、企業が掲げる「IoTテクノロジー×AI・データ活用+外部サービス連携」による成長期待が挙げられます。しかし、実際の業績は赤字が続いており、ROEや売上高利益率も低迷しています。これらの要素が投資家の期待を高め、株価を押し上げていると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは-16.0%、ROAは-14.5%、売上高利益率は-33.79%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も大幅なマイナスであり、収益性が非常に低いことが示されています。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比3.1%増加したものの、依然として低水準にとどまっており、成長が見られません。また、営業損失や経常損失が継続しており、特に「Work Mate」や「D-Drive」などの新規事業に対する宣伝広告費や開発費が先行していることが影響しています。さらに、固定資産の減損損失も計上されており、これが収益性の低さに拍車をかけています。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比3.1%増加し、1,016百万円に達していますが、純利益は-344百万円と赤字が拡大しています。ROAやROEもそれぞれ-14.5%および-16.0%と悪化しており、自己資本利益率の低下が顕著です。また、売上高利益率も-33.79%と低迷しています。

要因としては、事業ポートフォリオの再構築や新規事業への投資が収益化に時間を要していることが挙げられます。特に「Work Mate」や「D-Drive」などの新規事業において、宣伝広告費や開発費が先行しているため、収益化が進んでいないことが影響しています。また、固定資産の減損損失が計上されたことも、純利益の大幅な減少に寄与しています。

株式会社ユビテックの概要や事業内容など

企業名 株式会社ユビテック
URL https://www.ubiteq.co.jp/
業種 電気機器
決算日 6月30日

企業概要

当社は、オリックス株式会社を親会社とし、連結子会社として株式会社ユビテックソリューションズを有する企業です。親会社であるオリックス株式会社は、東京証券取引所およびニューヨーク証券取引所に上場しており、当社の議決権の57.6%を所有しています。当社の事業は主にIoT事業、製造受託事業、開発受託事業の3つのセグメントに分かれており、それぞれの事業において多様な製品やサービスを提供しています。特に、IoT事業ではセンサ搭載通信端末機器の開発・生産やIoTプラットフォーム製品の開発・運用を行っています。また、製造受託事業では咬合力計測機器用回路基板や通信アミューズメント機器の開発・生産を手掛け、開発受託事業では組込み型ソフトウェアの受託開発やシステム開発等の人材派遣を行っています。従業員数は2024年6月30日現在で76名(うち臨時雇用者8名)であり、管理職に占める女性労働者の割合は22.2%、男性の育児休業取得率は100%です。

事業内容

当社の事業は主にIoT事業、製造受託事業、開発受託事業の3つのセグメントに分かれています。IoT事業では、センサ搭載通信端末機器(例:カーシェアリング車載機等)の開発・生産、サーバーアプリケーションやWebアプリケーションの開発、IoTプラットフォーム製品の開発・運用、IoTインフラの構築・運用サービスを提供しています。製造受託事業では、咬合力計測機器用回路基板や通信アミューズメント機器の開発・生産を行っています。開発受託事業では、組込み型ソフトウェアの受託開発やシステム開発等の人材派遣を手掛けています。特に、IoT事業においては「Work Mate」や「D-Drive」といったサービスを展開し、安全見守りや安全運転支援を行うことで、顧客の安全と健康を守ることを目指しています。また、カーシェア関連事業では、カーシェア用車載機とプラットフォームを提供し、環境負荷低減や地域活性化に貢献しています。さらに、当社はサステナビリティにも力を入れており、環境マネジメントシステム(ISO 14001)や品質マネジメントシステム(ISO 9001)を通じて、高品質で安全な製品・サービスの提供を行っています。