キュービーネットホールディングス株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 56.44 115.34 287.70 149.4
PER(株価収益率) 39.20 85.0 504.5 1350.5 167.7
ROA(総資産利益率) 1.89 4.0 13.30 22.70 21.10 -7.0
ROE(自己資本利益率) 10.39 3.29 0.60 0.20 -66.7
売上高利益率 344.60 319.70 -7.2
純利益 104百万円 243百万円 856百万円 1,444百万円 1,301百万円 -9.9
売上高 419百万円 407百万円 -2.9
純資産 1,289百万円 6,316百万円 6,107百万円 -3.3
総資産 5,553百万円 6,130百万円 6,424百万円 6,359百万円 6,168百万円 -3.0

株価の割安性:割高

この企業のPERは1350.5倍、PBRは287.70倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、ヘアカット専門店「QB HOUSE」などのブランド展開による安定した収益基盤、国内外での店舗拡大戦略、そしてスタイリストの待遇改善や労働環境の改善による人材確保の成功が挙げられます。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっていると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは0.2%、ROAは21.1%、売上高利益率は319.7%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を大きく下回り、ROAは5%を大幅に上回っていますが、ROEの低さから収益性は低いと判断できます。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、ROEの低さは自己資本に対する利益の割合が非常に低いことを示しており、これは資本効率が悪いことを意味します。売上高利益率が高いにもかかわらず、ROEが低いのは、利益が自己資本に対して十分に還元されていないことが原因です。また、売上高が前期比で減少していることも収益性の低下に寄与しています。さらに、純利益が減少していることから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。

業績のトレンド:横ばい

この企業の業績トレンドは「横ばい」と判断されます。売上高は前期比で2.9%減少し、407百万円となっていますが、これは比較的小幅な減少です。一方、純利益は前期比で9.9%減少し、1,301百万円となっています。ROAやROEも若干の低下が見られますが、売上高利益率や総資産の減少幅も小さいです。

要因としては、国内外での店舗数の減少や、スタイリストの人員確保の難しさが影響していると考えられます。特に、国内のスタイリストの採用状況が堅調である一方で、依然として定休日の設定が必要な店舗が存在することが、売上高の減少に寄与している可能性があります。また、シンガポールや香港などの海外市場での競争激化や人員不足も影響を与えていると推測されます。

キュービーネットホールディングス株式会社の概要や事業内容など

企業名 キュービーネットホールディングス株式会社
URL https://www.qbnet.jp/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

キュービーネットホールディングス株式会社は、ヘアカット専門店チェーン「QB HOUSE」などを運営するグループ会社の経営管理を行う持株会社です。1995年12月に東京都千代田区永田町で設立され、その後、オリックス株式会社やジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合、インテグラル株式会社などの出資を受けて成長してきました。2016年7月に持株会社体制に移行し、現在の商号に変更しました。グループには、キュービーネット株式会社、QB NET INTERNATIONAL HOLDINGS PTE. LTD.、QB NET INTERNATIONAL PTE. LTD.、QB House(Hong Kong)Limited、台和捷麗有限公司、QB HOUSE USA INC.、QB HOUSE CANADA INC.などが含まれます。これらのグループ会社を通じて、国内外でヘアカットサービスを提供しています。

事業内容

キュービーネットホールディングス株式会社の事業は、ヘアカット事業の単一セグメントで構成されています。主なサービス内容としては、ヘアカット専門店「QB HOUSE」、より個別のニーズに応える「QB PREMIUM」、シンプルで開放的な空間を提供する「FaSS」の3つのブランドがあります。「QB HOUSE」は、1996年に国内初のヘアカット専門店としてオープンし、無駄を省いたお手軽で安心なヘアカットサービスを提供しています。「QB PREMIUM」は、デジタル技術を活用し、よりお客様の個性を追求するヘアカットサービスを提供しています。「FaSS」は、シンプルなサービス内容でありながら、その人らしさを見いだすヘアスタイル提案を行うヘアカットスタイリング専門サロンです。店舗の形態としては、直営店とフランチャイズ店があり、直営店はさらに直轄運営と業務委託に分かれます。2024年6月末時点で、国内外に691店舗を展開しています。