株式会社グリッドの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 3.19
PER(株価収益率) 28.79
ROA(総資産利益率) -51.0 -17.60 7.09 14.5 9.80 -32.4
ROE(自己資本利益率) 10.30 21.79 16.79 -22.9
売上高利益率 -97.69 -29.79 10.10 16.89 24.39 44.4
純利益 -677百万円 -211百万円 92百万円 229百万円 404百万円 76.7
売上高 693百万円 707百万円 910百万円 1,354百万円 1,652百万円 22.0
純資産 100百万円 1,166百万円 3,638百万円 211.9
総資産 1,326百万円 1,199百万円 1,303百万円 1,576百万円 4,102百万円 160.2

株価の割安性:割高

この企業は、PERが28.79倍PBRが3.19倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、AI技術を用いた計画最適化事業の成長期待、ROE16.79%、ROA9.80%という比較的高い収益性、2023年の上場による注目度の向上、さらに電力・エネルギー分野での大手企業との取引実績が挙げられます。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっています。

収益性:高い

当期のROEは16.79%、ROAは9.80%、売上高利益率は24.39%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も24.39%と非常に高い水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比22%増加しており、特に電力・エネルギー分野の売上が大きく伸びています。AI技術を用いた電力需給計画の最適化サービスが電力会社に受け入れられ、燃料消費量削減などの具体的な経済効果を提供していることが大きな要因です。また、物流・サプライチェーン分野や都市交通・スマートシティ分野でも新規顧客の獲得とプロジェクトの進展が見られます。さらに、運用・サポートのストック型売上が堅調に推移していることも収益性向上に寄与しています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比22%増加し、1,652百万円に達しています。純利益も前期比76.7%増加し、404百万円となっています。さらに、営業利益は75.3%増加し、365百万円、経常利益も68.5%増加し、344百万円となっています。これらの数値は、企業が大幅な成長を遂げていることを示しています。

要因としては、電力・エネルギー分野でのAI技術を用いた電力需給計画の最適化が成功し、特に北海道電力における燃料消費量削減効果が顕著であることが挙げられます。また、物流・サプライチェーン分野や都市交通・スマートシティ分野でも新たな顧客を獲得し、プロジェクトが進展していることが業績向上に寄与しています。さらに、積極的なエンジニアの採用と開発体制の強化も、事業拡大を支える要因となっています。

株式会社グリッドの概要や事業内容など

企業名 株式会社グリッド
URL https://gridpredict.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社は、AI開発事業を中心に活動している企業であり、社会インフラにイノベーションをもたらすことを企業理念としています。具体的には、電力・エネルギー、物流・サプライチェーン、都市交通・スマートシティの3分野に注力し、AI技術を用いた計画最適化を提供しています。これにより、エネルギー消費の効率化や業務の効率化を実現し、社会の持続的な成長に貢献することを目指しています。2023年7月7日に東京証券取引所グロース市場に上場し、事業の拡大を図っています。従業員数は97名で、平均年齢は38.1歳、平均勤続年数は2.9年、平均年間給与は8,296千円です。企業の成長を支えるために、優秀な人材の採用と育成に力を入れており、特にデータサイエンティストやITエンジニア、社会インフラ業界出身の技術者を積極的に採用しています。

事業内容

当社の事業はAI開発事業に特化しており、社会インフラ領域における計画最適化を中心に展開しています。具体的には、電力・エネルギー分野では発電所の需給計画の最適化、物流・サプライチェーン分野では輸送計画の最適化、都市交通・スマートシティ分野ではエネルギーマネジメントシステムの開発を行っています。これらの分野において、AI技術を用いて複雑な業務を数式化し、シミュレータを開発することで、デジタル空間上でのシミュレーションを可能にしています。また、機械学習や強化学習を応用したアルゴリズムを開発し、業務システムに組み込むことで、最適な計画を提供しています。さらに、ReNom APPSというクラウドサービスを通じて、計画最適化のためのインダストリークラウドを提供し、顧客の業務効率化を支援しています。これにより、顧客のコスト削減やCO2削減効果を実現し、持続可能な社会の実現に貢献しています。