株式会社イードの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.94 0.86 -9.2
PER(株価収益率) 33.90 9.10 8.80 13.39 22.10 64.9
ROA(総資産利益率) 5.19 2.70 -48.1
ROE(自己資本利益率) 4.0 14.80 12.60 7.19 4.0 -44.4
売上高利益率 4.90 2.70 -44.9
純利益 295百万円 166百万円 -43.7
売上高 5,267百万円 5,407百万円 5,574百万円 6,072百万円 6,125百万円 0.9
純資産 883百万円 4,173百万円 4,266百万円 2.2
総資産 3,979百万円 4,724百万円 5,169百万円 5,662百万円 6,269百万円 10.7

株価の割安性:割高

この企業は、PERが22.10倍PBRが0.86倍と市場平均と比較して割高と判断されます。割高の要因としては、売上高が前期比0.9%増加している一方で、純利益が前期比43.7%減少していることが挙げられます。また、ROEやROAの低下も見られ、特にROEは前期比44.4%減少しています。これらの要素が投資家からの評価を下げ、株価収益率(PER)が高くなっていると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは4.0%、ROAは2.7%、売上高利益率は2.7%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も2.7%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高はほぼ横ばいで、成長が見られないことが挙げられます。また、純利益が前期比で43.7%減少しており、特に利益率の高いネット広告売上が前期比11.0%減少したことが影響しています。さらに、投資有価証券評価損や減損損失の計上が純利益を圧迫しています。これらの要因が収益性の低さに繋がっています。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比0.9%増加し、成長を見せていますが、純利益は41.8%減少し、ROAやROEも大幅に低下しています。特に、ROEは前期の7.2%から当期の4.0%に急落しており、自己資本利益率の大幅な低下が見られます。また、売上高利益率も44.9%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、インターネット広告市場の成長鈍化や、投資有価証券評価損や減損損失の計上が挙げられます。特に、ネット広告売上の減少や、法人税、住民税及び事業税の増加が、純利益の大幅な減少に寄与しています。また、CS事業の受注低調も業績に悪影響を与えています。

株式会社イードの概要や事業内容など

企業名 株式会社イード
URL https://www.iid.co.jp/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び子会社7社並びに関連会社2社で構成されており、主にマーケティングサービスとデータ・コンテンツを提供するクリエイタープラットフォーム事業(CP事業)と、リサーチソリューションとメディアコマースを提供するクリエイターソリューション事業(CS事業)を展開しています。CP事業では、Webメディアやコンテンツを通じて顧客企業へマーケティングサービスを提供し、広告料金やデータ・コンテンツ利用料金、ECサイト運営等により収入を得ています。2024年6月末時点で、21ジャンル81個のWebメディア及びコンテンツを運営しています。CS事業では、リサーチソリューションとECソリューションの2つのソリューションを提供しており、リサーチソリューションでは大規模な定量調査から生活者個人に対する定性調査まで対応可能です。ECソリューションでは、当社オリジナルのECシステム「marbleASP」を提供し、デザイン自由度が高く、外部システムとの連携APIを多数揃えた拡張性・汎用性の高いECサイトを構築支援しています。

事業内容

当社グループの事業は、主にクリエイタープラットフォーム事業(CP事業)クリエイターソリューション事業(CS事業)の2つに分かれています。CP事業では、「iid-CMP(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)」を通じてWebメディアやコンテンツを運営し、顧客企業へマーケティングサービスを提供しています。主な収入源は広告料金やデータ・コンテンツ利用料金、ECサイト運営等です。主要な連結子会社には、ECサイト「STYLE STORE」を運営する株式会社エンファクトリー、ECサイト「工具市場」を運営する株式会社ネットショップ総研、コミュニティサービス「CARTUNE」を運営するマイケル株式会社などがあります。CS事業では、リサーチソリューションとECソリューションを提供しています。リサーチソリューションでは、定量調査から定性調査まで幅広く対応し、顧客企業の要望にきめ細かく対応しています。ECソリューションでは、デザイン自由度が高く、外部システムとの連携APIを多数揃えた「marbleASP」を提供し、様々な形態のECサイトを構築支援しています。