テクノプロ・ホールディングス株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 71.03 11.21 8.24 -26.5
PER(株価収益率) 27.39 27.29 31.89 29.10 22.60 -22.3
ROA(総資産利益率) 21.89 26.5 24.20 24.89 24.0 -3.6
ROE(自己資本利益率) 27.29 31.29 24.70 29.39 31.10 5.8
売上高利益率 84.19 73.69 -12.5
純利益 10,825百万円 13,245百万円 15,430百万円 15,365百万円 14,684百万円 -4.4
売上高 18,254百万円 19,920百万円 9.1
純資産 6,929百万円 39,854百万円 40,266百万円 1.0
総資産 49,476百万円 50,069百万円 63,702百万円 61,669百万円 61,226百万円 -0.7

株価の割安性:割安

この企業のPERは22.6倍、PBRは8.24倍であり、PERは市場平均の15倍を上回るものの、PBRは市場平均の1倍を大きく下回っています。PERが高めである一方、PBRが非常に低いことから、株価は割安と判断されます。要因として、売上高の9.1%増加やROEの31.1%という高い収益性が挙げられますが、純利益の4.4%減少や売上高利益率の低下が影響している可能性があります。これにより、投資家は企業の成長性を評価しつつも、資産価値に対する評価が低い状況が見受けられます。

収益性:高い

当期のROEは31.1%、ROAは24.0%、売上高利益率は73.69%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を大幅に上回っており、売上高利益率も非常に高い水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比9.1%増加しており、特に技術者派遣・請負業務に対する顧客需要が底堅く、IT技術者へのオーダーが堅調に推移しています。また、技術者の確保と育成に力を入れており、契約単価の上昇も収益性向上に寄与しています。さらに、ソリューション事業の強化や高付加価値技術者の採用・育成が進んでいることも、収益性の高さを支える要因となっています。

業績のトレンド:横ばい

この企業の業績トレンドは「横ばい」と判断されます。売上高は前期比9.1%増加し、成長を見せていますが、純利益は4.4%減少しています。ROAやROEはほぼ横ばいで、ROEはわずかに上昇していますが、ROAは微減しています。売上高利益率も12.5%減少しており、利益率の低下が見られます。

要因としては、技術者派遣・請負業務に対する顧客需要が底堅く、特にIT技術者へのオーダーが堅調である一方で、技術者の確保や育成にかかるコストが増加していることが挙げられます。また、海外子会社における先行投資やインフレの影響も費用増加の一因となっています。これらの要因が利益率の低下に寄与していると考えられます。

テクノプロ・ホールディングス株式会社の概要や事業内容など

企業名 テクノプロ・ホールディングス株式会社
URL https://www.technoproholdings.com/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、技術者派遣・請負業務を主体とし、機械、電気・電子、組込制御、ソフト開発・保守、生化学、施工管理領域等における技術者派遣・請負業務を展開しています。「R&Dアウトソーシング事業」、「施工管理アウトソーシング事業」、「国内その他事業」、「海外事業」のセグメントで事業を展開しており、2024年6月30日現在、当社及び連結子会社28社で構成されています。グループ全体で28,621人の技術者(日本国内では26,054人)を擁し、日本全国に227の営業・受託拠点を設置し、日本では、2,500社以上の顧客に技術系人材サービスを提供しています。当社グループは、中長期的な外部環境の変化と当社グループのケイパビリティを踏まえ、「技術」「人」「顧客」「社会」の観点から、当社グループの理念体系として、存在意義・価値観・行動指針を定めています。これらを前提に、経営戦略としての中期経営計画を策定・遂行することで、持続可能な社会の実現に向けた価値創造を目指しています。

事業内容

当社グループは、技術者派遣・請負業務を遂行するために、技術者のスキル向上のための教育研修体制、事業関連法令に対するコンプライアンス体制、情報システムを含めた事務管理体制等を整備しており、事業運営を安定的に支える基盤を確立しています。技術者の多くは当社グループの正社員であり、技術者のキャリア形成を支援しつつ顧客へ配属することで、タイムリーな技術者の確保や人件費の変動費化に対する顧客ニーズに安定的に応えています。R&Dアウトソーシング事業では、自動車・自動車部品、産業機械・装置、情報通信機器、電気・電子機器、IT、半導体、エネルギー、医薬品、化学等の業界における大手企業を主な顧客として、技術者派遣・請負業務を提供しています。施工管理アウトソーシング事業は、建設業界、主に大手ゼネコン・サブコンを顧客として、施工管理業務の技術者派遣を展開し、建築図面作成の請負業務も提供しています。国内その他事業では、人材紹介及び技術者向け教育研修業務を行い、海外事業では、中国、シンガポール、インド、英国などで技術アウトソーシング及び人材紹介業務を展開しています。当社グループは、技術者派遣業務において、顧客のオーダーに対して技術者をマッチングし、教育研修やスキル・キャリアパスの管理を含む技術者のサポートも重要なプロセスとしています。