株式会社クラダシの業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 3.47
PER(株価収益率) 286.89
ROA(総資産利益率) 2.59 7.90 -7.59 -12.5 0.89
ROE(自己資本利益率) 21.0 62.20 -22.5 -20.10 1.20
売上高利益率 1.0 2.70 -3.90 -5.80 0.40
純利益 6百万円 34百万円 -80百万円 -167百万円 13百万円
売上高 566百万円 1,263百万円 2,074百万円 2,910百万円 2,862百万円 -1.7
純資産 35百万円 1,024百万円 1,043百万円 1.9
総資産 215百万円 430百万円 1,053百万円 1,343百万円 1,454百万円 8.3

株価の割安性:割高

この企業は、PERが286.89倍PBRが3.47倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、フードロス削減を目的とした「Kuradashi」事業の社会的意義や、持続可能なビジネスモデルへの高い評価が挙げられます。また、売上高の減少にもかかわらず、営業利益や純利益が改善している点も投資家からの期待を高めていると考えられます。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっています。

収益性:低い

当期のROEは1.20%、ROAは0.89%、売上高利益率は0.40%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%の目安を大きく下回っており、売上高利益率も非常に低いため、収益性は低いと判断できます。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比で1.7%減少しており、成長が見られないことが挙げられます。また、ROEとROAが低いことから、資本や資産を効率的に活用できていないことが示唆されます。さらに、売上高利益率が0.40%と極めて低いことから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、事業の多角化や新規事業の展開も重要な戦略となるでしょう。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比1.7%減少しましたが、純利益は大幅に改善し、前期の-167百万円から当期は13百万円の黒字に転じました。ROAやROEも前期の-12.5%および-20.10%からそれぞれ0.89%および1.20%に改善しています。売上高利益率も前期の-5.80%から0.40%に回復しています。

要因としては、収益の複線化による限界利益の向上や広告宣伝費の効率的な投下、固定費のコストコントロールが挙げられます。また、EC取引の成長やStores取引の案件獲得が順調に進んでいることも利益に寄与しています。これにより、営業利益や経常利益も大幅に改善しました。

株式会社クラダシの概要や事業内容など

企業名 株式会社クラダシ
URL https://corp.kuradashi.jp/
業種 小売業
決算日 6月30日

企業概要

当社は「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」というミッションのもと、社会性、環境性、経済性を同時にかなえるビジネスの実現を目指しています。主たる事業は「Kuradashi」運営事業であり、フードロス削減のためのマッチングビジネスを展開しています。インターネットを活用してフードロス商材を顧客に届けることで、売上金の一部を社会貢献団体へ寄付するビジネスモデルを採用しています。また、オフライン店舗の積極的展開を推進し、オンライン・オフライン接点強化によるシナジーを創造しています。当社の売上高の大半はソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」によるものです。

事業内容

当社の主たる事業はソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の運営です。「Kuradashi」は、様々な理由で販路を失った商品を買い取り、迅速に消費者に販売することで、廃棄物(フードロス)の発生を大幅に削減する仕組みです。「Kuradashi」の利用には会員登録が必須であり、在庫型とマーケットプレイス型の2種類の取引形態があります。また、売上金の一部を環境保護支援団体等へ寄付する仕組みを構築しています。さらに、オフライン店舗「Kuradashi Hub」の運営や、パートナー企業のブランディングを支援する「Kuradashi Stores」も展開しています。社会貢献活動としては、「Kuradashi」での商品購入時に寄付先を選択できる仕組みや、地方創生のための社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」を実施しています。