株式会社高見澤の業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.30 0.33 8.3
PER(株価収益率) 3.88 4.05 5.55 3.35 7.80 132.1
ROA(総資産利益率) 3.29 1.60 -51.5
ROE(自己資本利益率) 8.19 9.39 5.30 9.89 5.59 -43.4
売上高利益率 1.79 0.89 -50.0
純利益 1,248百万円 611百万円 -51.0
売上高 62,519百万円 63,270百万円 63,367百万円 68,946百万円 71,369百万円 3.5
純資産 1,264百万円 13,543百万円 14,215百万円 5.0
総資産 33,338百万円 33,382百万円 33,958百万円 37,428百万円 39,365百万円 5.2

株価の割安性:割安

この企業のPERは7.80倍、PBRは0.33倍であり、いずれも市場平均を大きく下回っているため、割安と判断されます。割安の要因としては、純利益の減少(前期比-51%)やROEの低下(前期比-43.4%)、ROAの低下(前期比-51.5%)が挙げられます。これらの指標は企業の収益性の低下を示しており、投資家からの評価が低くなっていることが考えられます。また、売上高は増加しているものの、利益率の低下が顕著であり、経営環境の厳しさが影響していると推測されます。

収益性:低い

当期のROEは5.59%、ROAは1.60%、売上高利益率は0.89%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も0.89%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比3.5%増加しているものの、純利益が51%減少していることから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。また、建設関連事業における中国市場の悪化や、カーライフ関連事業での原油価格高騰と円安によるコスト増加が収益性に悪影響を与えています。さらに、固定資産の減損損失や貸倒引当金の増額計上も純利益の減少に寄与しています。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比3.5%増加し、71,369百万円に達していますが、純利益は38.7%減少し、759百万円となっています。ROAやROEも大幅に低下しており、特にROEは前期の9.89%から当期の5.59%に急落しています。また、売上高利益率も50%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、中国における不動産建設市場の悪化が大きく影響しており、建設関連事業の売上が大幅に減少しています。また、原材料・燃料などの価格高騰や仕入れコストの上昇が利益を圧迫しています。さらに、固定資産の減損損失及び貸倒引当金の増額計上も純利益の大幅な減少に寄与しています。

株式会社高見澤の概要や事業内容など

企業名 株式会社高見澤
URL https://www.kk-takamisawa.co.jp/
業種 卸売業
決算日 6月30日

企業概要

株式会社高見澤は、長野県長野市に本社を置く企業であり、建設関連事業、電設資材事業、カーライフ関連事業、住宅・生活関連事業を展開しています。主要な経営指標として、2024年6月期の連結売上高は713億円、経常利益は21億円、親会社株主に帰属する当期純利益は7.59億円となっています。自己資本比率は35.6%であり、従業員数は1,031人(うち平均臨時雇用者数310人)です。企業の経営方針としては、「顧客、社員、株主、地域社会」に貢献することを最重要項目とし、存在感のある企業を目指しています。また、経営戦略としては、グループ各社の経営力強化、収益基盤の拡充、キャッシュ・フロー重視の経営、営業力の強化、新事業の開発、事業再構築、経営体質の見直し、人材育成などを掲げています。経営環境については、建設関連事業や電設資材事業、カーライフ関連事業、住宅・生活関連事業それぞれにおいて厳しい状況が続くと予想される中、拠点・業務エリアの拡大と新業態への挑戦に取り組んでいます。

事業内容

株式会社高見澤は、以下の4つの主要な事業を展開しています。

1. **建設関連事業**:
– コンクリート二次製品、生コンクリート・砂利・砂の製造販売、セメント他建設資材の販売、土木建築の請負、建築工事、貨物自動車運送を行っています。主要な子会社として直江津臨港生コン株式会社、溜博高見澤混凝土有限公司、山東建澤混凝土有限公司があります。

2. **電設資材事業**:
– 電設資材、産業機器、空調システム等の販売を行っています。主要な子会社として昭和電機産業株式会社、信州電機産業株式会社、岐阜電材株式会社があります。

3. **カーライフ関連事業**:
– 石油製品の販売、自動車の販売・整備・賃貸、損害保険代理業務を行っています。この事業は主に株式会社高見澤が担当しています。

4. **住宅・生活関連事業**:
– 不動産売買・媒介及び管理、一般廃棄物・産業廃棄物の処理処分とその収集運搬事業、青果物の販売、肥料の販売、食品加工品の製造販売、ゴルフ練習場の経営、ゴルフ用品の買取・販売、農業用機械の製造販売、ミネラルウォーターの製造販売、ケーブルテレビ局経営、チーズ類の加工及び菓子類の製造販売、発電事業及び電気の供給・販売に関する事業、漬物類・土産品の販売を行っています。主要な子会社としてオギワラ精機株式会社、株式会社アグリトライ、テレビ北信ケーブルビジョン株式会社、株式会社ナガトク、株式会社セイブ、株式会社スマイルハウスがあります。

これらの事業を通じて、株式会社高見澤は多岐にわたる製品とサービスを提供し、地域社会に貢献しています。