株式会社unerryの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 14.42 6.90 -52.1
PER(株価収益率) 1691.44 164.78 -90.3
ROA(総資産利益率) -32.90 -17.20 11.89 0.60 3.20 433.3
ROE(自己資本利益率) 19.5 1.0 5.0 400.0
売上高利益率 -17.0 -20.79 9.89 0.5 2.40 380.0
純利益 -98百万円 -163百万円 144百万円 9百万円 68百万円 629.5
売上高 577百万円 783百万円 1,446百万円 2,077百万円 2,835百万円 36.5
純資産 100百万円 1,097百万円 1,629百万円 48.5
総資産 298百万円 946百万円 1,204百万円 1,511百万円 2,103百万円 39.2

株価の割安性:割高

この企業は、PERが164.78倍PBRが6.90倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、リテールDXやスマートシティ事業の成長期待、売上高の36.5%増加、純利益の629.5%増加などが挙げられます。特に、Beacon Bank®を中心としたリアル行動データプラットフォームの独自性や、三菱食品や電通などとの資本業務提携による事業拡大が投資家から高く評価されていることが背景にあると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは5.0%、ROAは3.2%、売上高利益率は2.4%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も2.4%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、PBRとPERの大幅な低下が示すように、株価評価が低迷していることが挙げられます。また、ROEとROAが低いことから、資本や資産を効率的に活用できていないことが示唆されます。さらに、売上高利益率が低いことから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、リテールDXやスマートシティ事業の拡大を通じて、売上高の増加と利益率の改善を図る戦略が求められます。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比36.5%増加し、2,835百万円に達しています。純利益は前期比629.5%増加し、68百万円となり、ROAやROEも大幅に改善しています。特に、ROAは0.60%から3.20%に、ROEは1.0%から5.0%に上昇しています。

要因としては、リテールメディア及びスマートシティ領域の事業成長が大きく寄与しています。新たなサービスの提供やプロダクト開発の推進、三菱食品株式会社との資本業務提携などが業績向上に貢献しています。また、リカーリング顧客の増加とクロスセル戦略が安定的な収益基盤を形成していることも要因の一つです。

株式会社unerryの概要や事業内容など

企業名 株式会社unerry
URL https://www.unerry.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社は、「心地よい未来を、データとつくる。」をミッションに掲げ、実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した環境知能社会を実現するためのリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」を運営する企業です。主にリテールDX、リテールメディア、スマートシティの領域にてリアル行動ビッグデータを活用し、マーケティングや街づくりに必要なサービスを提供しています。当社は、Beacon Bank事業の単一セグメントであり、分析・可視化サービス、行動変容サービス、One to Oneサービスの3つのサービスで構成されています当社のプログラムが組み込まれたスマートフォンアプリで取得した人流データ(GPSデータ、ビーコンデータ)をAI解析し、行動特性等を踏まえたリアル行動データとして利用しています。これにより、屋外から屋内までシームレスに人流を推定できる特徴を有しています。

事業内容

当社は、分析・可視化サービス、行動変容サービス、One to Oneサービスの3サービスで顧客体験を向上するDXを一元的に提供しています。分析・可視化サービスでは、位置情報データをもとに行動分析レポートを提供し、リアル行動データを活用したDX推進の支援を行っています。例えば、「ショッパーみえーる」は、来店者のリアル行動データをAIで推定し、商圏の把握や競合店舗とのシェア比較などを行う可視化ツールです。行動変容サービスでは、リアル行動ビッグデータのAI解析により来店可能性が高い顧客群を発見し、SNSや動画等で情報を配信することで消費者の行動変容を促す広告サービスを提供しています。One to Oneサービスでは、オリジナルアプリの開発や統合マーケティング基盤(CDP)を構築し、1人1人へのパーソナル体験を届けるシステムソリューション全般を支援しています。これにより、顧客が必要としている情報を最適なタイミングで提供することが可能となります。当社の収益モデルはリカーリング性が高く、分析・可視化サービスを起点に、行動変容サービスやOne to Oneサービスをクロスセルすることで売上の積み上げを図っています