株式会社ジィ・シィ企画の業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 6.20
PER(株価収益率) 35.5
ROA(総資産利益率) 13.30 9.5 -6.09 -49.20 4.09
ROE(自己資本利益率) 48.09 17.29 19.20
売上高利益率 10.19 6.09 -5.80 -49.90 4.19
純利益 268百万円 127百万円 -92百万円 -774百万円 73百万円
売上高 2,638百万円 2,078百万円 1,589百万円 1,549百万円 1,740百万円 12.3
純資産 432百万円 340百万円 415百万円 22.1
総資産 2,013百万円 1,337百万円 1,515百万円 1,571百万円 1,765百万円 12.3

株価の割安性:割高

この企業は、PERが35.5倍PBRが6.20倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、キャッシュレス決済市場の成長期待や、ペイメントサービス事業のストック収益の安定性が挙げられます。また、ROEが19.20%と高いことも投資家からの評価を高めている要因と考えられます。さらに、技術力や開発力に対する業界内での評価や、国際ブランド決済ネットワーク接続によるコスト低減効果も株価上昇に寄与していると推測されます。

収益性:平均的

当期のROEは19.20%、ROAは4.09%、売上高利益率は4.19%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を大きく上回っているため「高い」と評価できますが、ROAは5%を下回っているため「平均的」と評価できます。売上高利益率も4.19%と低めです。

収益性が平均的な要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比12.3%増加しているものの、売上高利益率が低いことから、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。また、ペイメントサービス事業のストック収益が全体の55.5%を占めており、安定した収益源となっている一方で、ペイメントインテグレーション事業のフロー収益が44.5%と変動が大きいことも影響していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、クラウド型の決済ASPサービスの拡充や新技術の導入による付加価値の向上も重要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比12.3%増加し、1,740百万円に達しています。純利益も73百万円と黒字転換し、ROAやROEも改善しています。特に、ROAは前期の-49.20%から当期の4.09%に大幅に改善し、ROEも19.20%と高い水準を維持しています。

要因としては、キャッシュレス決済市場の拡大と、それに伴うペイメントインテグレーション事業およびペイメントサービス事業の成長が挙げられます。特に、ペイメントインテグレーション事業の売上が前年同期比23.0%増加し、ペイメントサービス事業も5.0%増加しています。また、クラウド型の決済ASPサービスの導入が進み、ストック収益の安定化に寄与しています。

株式会社ジィ・シィ企画の概要や事業内容など

企業名 株式会社ジィ・シィ企画
URL https://www.gck.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月末日

企業概要

当社は、「社会に貢献する企業として、高品質の商品とサービスの提供により、顧客満足度を高め、社員一人一人が高いモラルを維持し、社会にとってなくてはならない会社となる。」を経営理念としています。電子マネーの普及に伴い、多様化するカード取引に対応するシステムを開発し、「キャッシュレス決済サービス事業」としてカード会社加盟店や企業への導入及びクラウドによる決済ASPサービスを提供しています。導入後の保守・運用に関するサポートサービスは自社でヘルプデスクを備え、24時間体制で対応しています。当事業年度より、報告セグメントを「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」及び「その他事業」の3区分に変更しました。

事業内容

当社の主要事業は「キャッシュレス決済サービス事業」です。この事業は、カード会社加盟店の運用負担やコスト低減、セキュリティの確保など多様なニーズに応えるため、オンプレミス型とクラウド型の決済ASPサービスを提供しています。ペイメントインテグレーション事業では、顧客自身が運用する決済処理システムを提供し、決済端末の販売も行っています。ペイメントサービス事業では、クラウド型の決済ASPサービスと保守運用サービスを提供し、ストック収益を得ています。その他事業では、ヘルスケアアプリ「NUCADOCO」の設計・開発・販売を行っていましたが、2024年8月に事業廃止しました。当社は、キャッシュレス決済市場の拡大に伴い、ストック収益の拡大や新たなサービスの導入を進め、顧客ニーズに応じたサービスを提供することを目指しています。