株式会社スマートバリューの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 3.80 2.12 -44.0
PER(株価収益率) 377.29 -5.09 4572.70 -83.5 -11.80
ROA(総資産利益率) -2.90 -9.60
ROE(自己資本利益率) 0.89 -49.40 0.10 -2.29 -18.29
売上高利益率 -2.90 -10.19
純利益 -111百万円 -389百万円
売上高 5,959百万円 3,446百万円 3,805百万円 3,873百万円 3,815百万円 -1.5
純資産 959百万円 2,441百万円 2,159百万円 -11.6
総資産 4,693百万円 2,740百万円 4,121百万円 3,866百万円 4,037百万円 4.4

株価の割安性:割高

この企業は、PERが-11.80倍PBRが2.12倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、連続した赤字決算ROEの低下売上高の減少が挙げられます。特に、純利益の大幅な赤字ROEの-18.29%という低い収益性が投資家からの評価を下げ、株価が割高に見える要因となっています。これらの要素が企業の財務健全性に対する懸念を引き起こし、株価の割高感を強めています。

収益性:低い

当期のROEは-18.29%、ROAは-9.60%、売上高利益率は-10.19%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も-10.19%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比で1.5%減少しており、成長が見られないことが挙げられます。また、経常損失が312,532千円と大幅に悪化しており、特にスマートベニューセグメントでの投資が先行していることが影響しています。さらに、クラウド環境の移設に伴う二重経費の計上や新規事業への先行投資が収益性を圧迫しています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、既存事業の効率化と新規事業の早期収益化が求められます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比1.5%減少し、3,814,719千円となっています。特に、純利益は前期の-48,525千円から当期の-348,911千円へと大幅に悪化しています。ROAやROEも大幅に低下しており、ROEは-2.3%から-18.3%に急落しています。また、売上高利益率も-2.9%から-10.19%に低下しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、事業ポートフォリオの入れ替えや新規事業への投資が挙げられます。特に、スマートベニューセグメントにおける投資が先行していることや、連結子会社の業績不振が影響しています。また、クラウド環境の移設に伴う二重経費の計上や新しいヘルスケア事業への先行投資も、業績悪化の要因となっています。

株式会社スマートバリューの概要や事業内容など

企業名 株式会社スマートバリュー
URL https://www.smartvalue.ad.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び連結子会社3社で構成され、クラウドソリューション事業を展開しています。ミッションとして「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を掲げ、中長期ビジョン「Moonshot Vision 2028」のもとで事業を推進しています。主要な事業セグメントはデジタルガバメント、モビリティ・サービス、スマートベニューの3つです。デジタルガバメントセグメントでは、自治体向けクラウドサービス「ガブクラ」を提供し、行政のデジタル化を推進しています。モビリティ・サービスセグメントでは、自動車電装やコネクティッドカーサービス「CiEMSシリーズ」、カーシェアリングプラットフォーム「Kuruma Base」を展開しています。スマートベニューセグメントでは、神戸アリーナプロジェクトやプロバスケットボールクラブの運営を行っています。2024年6月期の連結売上高は3,814,719千円で、従業員数は280名です。

事業内容

当社グループの事業は、デジタルガバメント、モビリティ・サービス、スマートベニューの3つのセグメントに分かれています。デジタルガバメントセグメントでは、自治体向けクラウドサービス「ガブクラ」を提供し、行政の透明性や住民参加を促進するためのWebサイト作成運用CMS「SMART L-Gov」や、住民と自治体をオンラインで繋ぐ「GaaS」などを展開しています。また、公共施設予約システム「ラクリザ」も提供しています。モビリティ・サービスセグメントでは、自動車電装やコネクティッドカーサービス「CiEMSシリーズ」、カーシェアリングプラットフォーム「Kuruma Base」を提供し、交通事故の削減や車両活用の効率化を目指しています。スマートベニューセグメントでは、神戸アリーナプロジェクトを中心に、スポーツやエンターテイメントを通じた地域活性化を図っています。特に、2025年4月開業予定のGLION ARENA KOBEを軸に、デジタルとフィジカルを融合させたスマートシティの実現を目指しています。各セグメントは、自治体や法人向けにクラウドサービスを提供し、地域課題の解決や持続可能な社会の実現に貢献しています。