株式会社Fusicの業績を有価証券報告書から分析2024-09-24

相対年度 五期前 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名              
PBR 8.41 4.53 -46.1
PER(株価収益率) 66.05 28.29 -57.2
ROA(総資産利益率) 13.0 2.40 -3.5 6.5 8.30 10.80 30.1
ROE(自己資本利益率) 43.90 6.0 -12.10 19.70 19.5 17.60 -9.7
売上高利益率 11.5 2.09 -3.40 3.90 6.59 8.60 30.3
純利益 77百万円 13百万円 -26百万円 44百万円 102百万円 155百万円 52.2
売上高 673百万円 631百万円 762百万円 1,124百万円 1,532百万円 1,798百万円 17.4
純資産 10百万円 799百万円 967百万円 21.0
総資産 592百万円 557百万円 735百万円 678百万円 1,232百万円 1,438百万円 16.7

株価の割安性:割高

この企業は、PERが28.29倍PBRが4.53倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、DX事業の成長期待、ROA10.8%、ROE17.6%という高い収益性、売上高の17.4%増加、純利益の52.2%増加などが挙げられます。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっています。

収益性:高い

当期のROEは17.6%、ROAは10.8%、売上高利益率は8.6%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も8.6%と健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比17.4%増加しており、特にクラウドインテグレーションサービスとデータインテグレーションサービスが大きく貢献しています。クラウドインテグレーションサービスでは、クラウドネイティブインテグレーションの売上が34.5%増加し、データインテグレーションサービスも35.2%増加しました。また、生成AI技術の活用や新規事業の迅速な展開も収益性向上に寄与しています。

さらに、営業利益が28.9%増加し、経常利益も42.6%増加したことから、効率的なコスト管理と高付加価値サービスの提供が収益性の高さを支えています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比17.4%増加し、1,798百万円に達しています。純利益も前期比52.2%増加し、155百万円となっています。ROA(総資産利益率)も前期比30.1%増加し、10.8%に達しており、企業の資産効率が向上しています。売上高利益率も30.3%増加し、8.6%となっており、利益率の改善が見られます。

要因としては、クラウドインテグレーションサービスやデータインテグレーションサービスの需要が高まっていることが挙げられます。特に、クラウドネイティブインテグレーションの売上が前期比34.5%増加しており、クラウド需要の加速が企業の成長を支えています。また、生成AI技術の事業活用も迅速に進めており、今後の成長が期待されます。

株式会社Fusicの概要や事業内容など

企業名 株式会社Fusic
URL https://fusic.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社は、福岡市に本社を構えるテクノロジーカンパニーであり、技術と社会の架け橋となることを目指しています。主にデジタルトランスフォーメーション(DX)事業を展開し、クライアントのシステム開発やビジネスモデル変革を支援しています。ここ数年のITの進化に伴い、通信・ネットワーク、コンピュータ・サーバ、ソフトウェア、データの各資源が大幅に向上し、これらを活用したソリューションを提供しています。特にクラウドインテグレーションサービスとデータインテグレーションサービスを中心に事業を展開し、企業・組織の競争力向上に貢献しています。2023年3月31日に東京証券取引所グロース市場及び福岡証券取引所Q-Boardに上場し、資本金や純資産額が大幅に増加しました。従業員数は106名で、平均年齢は33.1歳、平均勤続年数は4.3年、平均年間給与は565万円です。

事業内容

当社の事業は「DX事業」の単一セグメントであり、以下の3つのサービスを提供しています。

①クラウドインテグレーションサービス
AWSを活用したサーバインフラの構築・運用から、AWSのマネージドサービスを活かしたシステム開発を行うサービスです。クラウドネイティブインテグレーション、リセール、MSPの3つのサービスで構成され、クラウドの利便性を最大限に活用したシステム開発や運用を提供しています。

②データインテグレーションサービス
センサーデバイスから得られる音声や画像などのデータの収集(IoT)、保存(クラウドインフラ)、解析(AI/ビッグデータ解析)までを一貫して提供するサービスです。データの収集から活用までをトータルでサポートし、企業の業務効率化や価値創出を支援しています。

③その他サービス
顧客の要望に合わせて開発したシステムから汎用性の高いものを「プロダクトサービス」として提供するサービスです。具体的には、360度評価特化型人事評価サービス「360(さんろくまる)」や、学校向け連絡サービス「sigfy」などがあります。

当社の強みは、クライアントのDXステージに応じて幅広く支援できることです。特に、クラウドファーストの視点を維持しながらも、特定分野・技術に特化せず、最適な技術を組み合わせて提供することが特徴です。また、データインテグレーションサービスでは、IoTベンダーとのアライアンスや自社AI人材によるコンサルティング機能を活用し、データの収集から活用までを一貫して支援しています。