株式会社スカラの業績を有価証券報告書から分析2024-09-24

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR
PER(株価収益率) 41.29 2.29
ROA(総資産利益率) 2.5 19.29 -3.59 -1.79 -31.89
ROE(自己資本利益率) 7.69 87.30 -15.19 -13.10 -50.40
売上高利益率 -20.20 -178.0
純利益 321百万円 3,065百万円 -523百万円 -219百万円 -2,888百万円
売上高 1,084百万円 1,622百万円 49.6
純資産 1,779百万円 5,720百万円 2,926百万円 -48.8
総資産 12,600百万円 15,875百万円 14,651百万円 12,187百万円 9,043百万円 -25.8

株価の割安性:割高

この企業のPERは41.29倍と市場平均の15倍を大きく上回り、割高と判断されます。PBRのデータは提供されていないため、PERのみでの判断となります。割高の要因としては、過去の高いROE(87.30%)やROA(19.29%)が挙げられますが、直近の業績は悪化しており、純利益が大幅に減少しています。特に、DX事業や金融事業での減損損失や事業構造改善費用が影響していると考えられます。これらの要因が投資家の期待を高め、株価を押し上げている可能性があります。

収益性:低い

当期のROEは-50.40%、ROAは-31.89%、売上高利益率は-178.0%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も大幅なマイナスであり、収益性が非常に低いことが示されています。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、DX事業や金融事業における売上収益の減少と、事業構造改革に伴うオフィス縮小の解約金や減損損失の計上が大きな影響を与えています。また、非継続事業からの損失も収益性の低下に寄与しています。さらに、全体的なコスト管理の不備や市場環境の変動も影響していると考えられます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比49.6%増加し、1,622百万円に達していますが、純利益は大幅に減少し、-2,888百万円となっています。ROAやROEも大幅に低下しており、特にROEは-50.40%と非常に低い数値を示しています。売上高利益率も-178.0%と大幅な赤字を記録しています。

要因としては、事業構造改革に伴うオフィス縮小の解約金や、有形固定資産、無形資産及びのれんの減損損失が大きく影響していることが挙げられます。また、DX事業における売上収益の減少や、GoToトラベル事業や全国旅行支援事業の終了による影響も大きいです。さらに、金融事業における新商品の先行投資やマーケティング費用の増加も利益減少の一因となっています。

株式会社スカラの概要や事業内容など

企業名 株式会社スカラ
URL https://scalagrp.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当企業集団は、DX事業、人材事業、EC事業、金融事業及びインキュベーション事業を展開しています。これらの事業を通じて、企業と人のコミュニケーションを支援するサービスを提供しています。DX事業では、大手企業や地方自治体、政府、官公庁向けに新規サービスの企画、システム開発、SaaS/ASPサービスの提案、導入支援、コールセンター運営などを行っています。人材事業では、体育会学生や女子学生に特化した新卒採用支援や人材紹介、学生向けキャリア教育事業を展開しています。EC事業では、対戦型ゲームのトレーディングカードの買取と販売、攻略情報サイトの運営を行っています。金融事業では、ペットの少額短期保険「いぬとねこの保険」を提供しています。インキュベーション事業では、M&Aや他企業とのアライアンス推進、官民共創の新たなサービスの構築・推進、新規事業開発、事業投資や組合等を通じての投資、及び当該投資に関連するバリューアップ、エンゲージメントを行っています。

事業内容

DX事業では、企業のWebサイト内検索エンジン『i-search』、FAQシステム『i-ask』、WEBチャットシステム『i-livechat』、WEBチャットボットシステム『i-assist』、自動音声応答システム『SaaS型IVR』など、多岐にわたるサービスを提供しています。これにより、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援し、業務効率化や顧客満足度の向上を図っています。人材事業では、体育会学生採用メディア『アスプラ』や女子学生特化採用メディア『女子キャリ』、学習塾運営事業『学楽塾プレインズ』などを展開し、学生と企業のマッチングを支援しています。EC事業では、対戦型ゲームのトレーディングカード売買を行うECサイト『カードショップ-遊々亭-』を運営し、ユーザーに快適なショッピング体験を提供しています。金融事業では、ペット向け少額短期保険『いぬとねこの保険』を提供し、ペットオーナーの安心・安全をサポートしています。インキュベーション事業では、官民共創サービス『逆プロポ』や共創型M&Aアドバイザリー、ファンクラブサービス『Fanique』などを展開し、新たなビジネスモデルの構築や社会課題の解決に取り組んでいます。これらの事業を通じて、当企業集団は持続可能な社会の実現に貢献し、企業価値の向上を目指しています。