株式会社ココルポートの業績を有価証券報告書から分析2024-09-19

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 7.01 2.64 -62.3
PER(株価収益率) 28.04 11.81 -57.9
ROA(総資産利益率) 9.39 17.29 18.0 18.10 16.60 -8.3
ROE(自己資本利益率) 68.90 79.40 53.70 37.40 25.29 -32.4
売上高利益率 3.20 6.0 6.19 8.89 9.10 2.2
純利益 78百万円 200百万円 259百万円 453百万円 526百万円 16.0
売上高 2,435百万円 3,325百万円 4,176百万円 5,084百万円 5,751百万円 13.1
純資産 183百万円 1,810百万円 2,350百万円 29.8
総資産 830百万円 1,159百万円 1,435百万円 2,508百万円 3,169百万円 26.3

株価の割安性:割安

この企業は、PERが11.81倍PBRが2.64倍と市場平均を下回るため、割安と判断されます。割安の要因としては、売上高と純利益の増加が挙げられます。売上高は13.1%増加し、純利益も16%増加していますが、PBRが前期の7.01から2.64に大幅に低下していることから、株価が企業の成長に対して過小評価されている可能性があります。また、ROEやROAの減少も影響していると考えられます。結論として、株価は割安と見られますが、業績の安定性と成長性を考慮すると、投資の機会と捉えることができます。

収益性:高い

当期のROEは25.29%、ROAは16.60%、売上高利益率は9.10%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を大幅に上回っており、売上高利益率も9.10%と非常に健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比13.1%増加しており、特に「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」や「自立訓練(生活訓練)サービス」の拡大が大きく貢献しています。これらのサービスは、障害者の就労支援や生活訓練を提供し、社会的なニーズに応えることで安定した収益を上げています。

さらに、事業所数の増加と高い就労定着率(90.0%)も収益性向上に寄与しています。これにより、利用者数が増加し、売上高の基盤が強化されています。また、個別支援の徹底や多様なプログラムの提供により、利用者の満足度が高く、長期的な利用が促進されています。これらの戦略的取り組みが、収益性の高さを支えています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比13.1%増加し、5,751百万円に達しています。純利益も前期比16%増加し、526百万円となっています。さらに、営業利益と経常利益もそれぞれ15.0%と20.5%増加しており、全体的に成長を示しています。

要因としては、事業所数の拡大とそれに伴う利用者数の増加が挙げられます。特に、就労移行支援事業所と自立訓練(生活訓練)事業所の増加が顕著であり、これが売上高の増加に寄与しています。また、就労定着率が90.0%と高水準を維持していることも、サービスの質の高さを示しており、利用者からの信頼を得ていることが伺えます。

株式会社ココルポートの概要や事業内容など

企業名 株式会社ココルポート
URL https://www.cocorport.co.jp/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

当社は、創業以来「指定障害福祉サービス事業」を展開しており、主に「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」および「自立訓練(生活訓練)サービス」を提供しています。2012年に神奈川県川崎市に初の就労移行支援事業所を開設し、以降、首都圏を中心に全国に拠点を拡大。2024年6月30日現在、就労移行支援事業所は74か所、就労定着支援事業所は61か所、自立訓練(生活訓練)事業所は30か所に達しています。就職者数は累計4,100名以上、就労定着率は90.0%を誇ります。理念として「一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創する」ことを掲げ、個別支援を重視しています。今後も「自立訓練(生活訓練)サービス」の拡大を図り、障害者の自立と社会参加を支援するためのサービスを提供し続ける方針です。

事業内容

当社の事業は「指定障害福祉サービス事業」に特化しており、主に以下のサービスを提供しています。

就労移行支援サービス:障害者総合支援法に基づき、障害のある方が就労に向けたトレーニングを行い、必要な知識やスキルを習得し、就職後も職場に定着できるようサポートします。特徴として、幅広い受け入れ、個別支援、自己決定を尊重した支援を行っています。

就労定着支援サービス:2018年に創設されたサービスで、就職後の障害者が職場に長く定着できるよう、生活面や体調面も含めたサポートを行います。月1回以上の面談を実施し、企業や関係機関との連絡調整を行います。

指定計画相談支援サービス:障害のある方が自分らしく生活するために、福祉サービス利用についての相談と目標に合わせた計画を作成します。

自立訓練(生活訓練)サービス:障害者総合支援法に基づき、障害のある方が自立した日常生活や社会生活を送るための訓練や助言を提供します。2020年から「Cocorport College」としてサービスを開始し、引きこもりの解消を目指しています。また、2024年からは「Cocorport Rework」として、精神的な不調により休職した方の復職支援も開始しました。

これらのサービスを通じて、障害のある方々が自立し、社会に参加できるよう支援しています。