株式会社シー・エス・ランバーの業績を有価証券報告書から分析2024-08-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.64 0.60 -7.2
PER(株価収益率) 3.59 3.59 2.40 2.59 4.30 65.4
ROA(総資産利益率) 10.0 6.09 -39.0
ROE(自己資本利益率) 21.0 23.70 49.90 28.20 14.89 -47.2
売上高利益率 9.10 6.80 -25.3
純利益 2,236百万円 1,436百万円 -35.8
売上高 15,565百万円 16,270百万円 25,126百万円 24,547百万円 21,133百万円 -13.9
純資産 533百万円 8,991百万円 10,288百万円 14.4
総資産 14,625百万円 16,089百万円 21,032百万円 22,358百万円 23,533百万円 5.3

株価の割安性:割安

この企業は、PERが4.30倍PBRが0.60倍と市場平均を大きく下回り、割安と判断されます。割安の要因としては、売上高の13.9%減少や純利益の35.8%減少、ROEの47.2%低下が挙げられます。特に、プレカット事業における木材価格の下落と競合他社との価格競争が激化していることが影響しています。また、建築請負事業や不動産賃貸事業の利益率の低下も要因として考えられます。結論として、株価は割安と見られますが、業績改善が必要とされています。

収益性:平均的

当期のROEは14.89%、ROAは6.09%、売上高利益率は6.80%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を超えており「高い」と評価できますが、ROAは5%をわずかに上回る程度で「平均的」と評価できます。売上高利益率も6.80%と健全な水準ですが、前期比で減少しています。

収益性が平均的である要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比13.9%減少しており、特にプレカット事業での木材価格の下落と競合他社との価格競争が影響しています。また、純利益も35.8%減少しており、これがROEの大幅な低下に寄与しています。さらに、物流効率の向上や新規取引先の拡充などの取り組みは行われているものの、全体的なコスト管理や価格競争の影響が大きいと考えられます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比13.9%減少し、21,133百万円となっています。純利益も35.8%減少し、1,436百万円に留まっています。ROAやROEも大幅に低下しており、特にROEは前期の28.2%から当期の14.89%に急落しています。売上高利益率も25.3%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、新設住宅着工戸数の減少や木材価格の下落、競合他社との受注競争の激化が挙げられます。また、職人不足や労働時間制限の影響で工期が長期化し、1棟当たりの木材提供単価が下落したことも影響しています。これらの要因がプレカット事業の売上と利益の減少に寄与しています。

株式会社シー・エス・ランバーの概要や事業内容など

企業名 株式会社シー・エス・ランバー
URL https://www.c-s-lumber.co.jp/
業種 その他製品
決算日 5月31日

企業概要

シー・エス・ランバーグループは、木材を通じて顧客に満足を提供することを社是とし、木造住宅資材の販売流通を通じて社会に貢献する企業です。グループは、株式会社シー・エス・ランバーを中心に、連結子会社8社と非連結子会社1社で構成されており、プレカット事業、建築請負事業、不動産賃貸事業を主な事業としています。プレカット事業では、在来工法やツーバイフォー工法における木材のプレカット加工と販売、建て方工事の請負を行い、建築請負事業では木造戸建住宅や木造一般建築物の建築を請け負っています。また、不動産賃貸事業では事業用・居住用不動産の賃貸及び管理を行い、その他事業として戸建住宅の開発と分譲販売を手掛けています。グループ全体での従業員数は321名(臨時従業員108名)で、千葉県を中心に事業を展開しています。

事業内容

シー・エス・ランバーグループの事業は、以下の4つのセグメントに分かれています。

1. プレカット事業
– 在来工法およびツーバイフォー工法における木材のプレカット加工と販売、ツーバイフォー工法におけるパネルの製造と販売、建て方工事の請負を行っています。プレカット加工のメリットとして、品質の安定、工期の短縮、人件費の削減が挙げられます。

2. 建築請負事業
– 木造戸建住宅および木造一般建築物の建築を請け負っています。取引先への提案力の強化や新規取引獲得、紹介ルートの確保など、営業体制の再構築に努めています。また、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、大型木造施設の建築にも積極的に関与しています。

3. 不動産賃貸事業
– 事業用・居住用不動産の賃貸及び管理を行っています。特に保育所施設の賃貸事業を展開し、少子化・待機児童対策に貢献しています。将来的にはレジデンス系の収益物件への投資も積極的に行い、安定的な収益基盤を構築しています。

4. その他事業
– 戸建住宅の開発と分譲販売を行っています。計画的に分譲住宅用地を確保し、安定的に分譲販売を行うためのノウハウ蓄積と販売仲介企業との連携強化を図っています。また、アパート等の収益物件を適切なタイミングで分譲販売することも視野に入れています。

これらの事業を通じて、シー・エス・ランバーグループは持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。