前澤工業株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-08-29

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.51 0.87 70.4
PER(株価収益率) 6.19 4.5 5.09 4.80 6.90 43.8
ROA(総資産利益率) 6.59 8.60 30.3
ROE(自己資本利益率) 5.90 12.60 10.0 11.30 13.39 18.6
売上高利益率 8.10 9.69 19.8
純利益 2,630百万円 3,531百万円 34.3
売上高 29,944百万円 31,810百万円 30,903百万円 32,369百万円 36,511百万円 12.8
純資産 5,233百万円 24,635百万円 27,895百万円 13.2
総資産 33,370百万円 35,767百万円 35,626百万円 40,076百万円 41,146百万円 2.7

株価の割安性:平均的

この企業のPERは6.90倍、PBRは0.87倍であり、いずれも市場平均を下回っているため、割安と判断されます。特にPBRが1倍を下回っていることから、株価が純資産に対して低く評価されていることがわかります。要因としては、売上高や純利益が増加している一方で、資産の増加が緩やかであること、また公共事業に依存しているため市場環境の変動リスクが高いことが挙げられます。これらの要素が投資家の慎重な評価につながっていると考えられます。

収益性:高い

当期のROEは13.39%、ROAは8.60%、売上高利益率は9.69%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も9.69%と健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比12.8%増加しており、特に環境事業、バルブ事業、メンテナンス事業の各セグメントでの売上が堅調に推移しています。環境事業では老朽化した施設の更新需要に対応し、バルブ事業では浄水場や下水処理場の整備需要に応えています。メンテナンス事業も施設老朽化に伴う更新・長寿命化のニーズに対応しています。

また、原材料価格の高騰にもかかわらず、原価低減に努めたことが経常利益の大幅な増加に寄与しています。これらの戦略的取り組みが、収益性の高さを支えています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比12.8%増加し、36,511百万円に達しています。純利益も34.3%増加し、3,531百万円となっています。さらに、経常利益は49.3%増加し、4,993百万円となっており、ROEも18.6%増加しています。これらの数値は、企業が大幅な成長を遂げていることを示しています。

要因としては、環境事業、バルブ事業、メンテナンス事業の各セグメントでの売上高と利益の増加が挙げられます。特に、バルブ事業のセグメント利益が前期比76.1%増加し、メンテナンス事業も28.9%増加しています。これらの事業の成長が全体の業績を押し上げています。また、原材料価格の高騰にもかかわらず、原価低減に努めたことが利益率の向上に寄与しています。

前澤工業株式会社の概要や事業内容など

企業名 前澤工業株式会社
URL https://www.maezawa.co.jp/ja/index.html
業種 機械
決算日 5月31日

企業概要

当社グループは、当社および連結子会社1社、非連結子会社1社、持分法非適用関連会社2社で構成されており、上下水道用水処理機械設備・産業用水処理機械設備・有機性廃棄物資源化設備などの製造・販売・修繕・維持管理・運営を行っています。これにより、環境関連分野の社会資本整備や浄化事業に取り組んでいます。連結子会社である㈱前澤エンジニアリングサービスはメンテナンス事業を行っており、持分法非適用関連会社は浄水場排水処理施設等の整備・運営を行っています。

当社グループの事業は「環境事業」「バルブ事業」「メンテナンス事業」の3つのセグメントに分かれており、各セグメントで以下のような事業を展開しています:
– 環境事業:上下水道用水処理機械設備、産業用水処理機械設備、有機性廃棄物資源化設備等の製造・販売・修繕・維持管理・運営
– バルブ事業:上下水道用弁・栓・門扉等の製造・販売
– メンテナンス事業:上下水道用水処理機械設備・機器の修繕・据付工事・維持管理

また、当社グループの従業員数は1,046名であり、事業の拡大とともに従業員数も増加しています。労働組合として「JAM前澤工業労働組合」が組織されており、労使関係は良好です。

事業内容

当社グループは、上下水道用水処理機械設備・産業用水処理機械設備・有機性廃棄物資源化設備などの製造・販売・修繕・維持管理・運営を行い、環境関連分野の社会資本整備や浄化事業に取り組んでいます。具体的には、以下の3つのセグメントに分かれて事業を展開しています:

1. 環境事業:
– 上下水道用水処理機械設備、産業用水処理機械設備、有機性廃棄物資源化設備の製造・販売・修繕・維持管理・運営
– 浄水場や下水処理場の更新・再構築、産業廃水処理、有機性廃棄物資源化などの需要に対応したソリューション営業

2. バルブ事業:
– 上下水道用弁・栓・門扉等の製造・販売
– 浄水場、配水池、配水管、下水処理場、ポンプ場、農業用水幹線路、揚・排水機場等の整備、更新、耐震化に対応した製品の提供

3. メンテナンス事業:
– 上下水道用水処理機械設備・機器の修繕・据付工事・維持管理
– 上水道事業、下水道事業、農業用水・河川事業等の各分野における設備・機器のメンテナンス

当社グループは、これらの事業を通じて、再エネ・省エネによる社会への貢献や、人と環境に優しい技術・製品の提供を目指しています。また、脱炭素・資源循環型社会の実現に向けたエネルギー問題への対応や、防災・減災への対応など、社会的な課題にも積極的に取り組んでいます。