ダイト株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-08-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.70 0.64 -8.0
PER(株価収益率) 14.07 10.55 7.80 10.11 10.60 4.7
ROA(総資産利益率) 5.0 4.09 -18.0
ROE(自己資本利益率) 11.69 10.89 10.5 7.30 6.40 -12.3
売上高利益率 7.80 6.80 -12.8
純利益 3,527百万円 3,178百万円 -9.9
売上高 44,991百万円 48,714百万円 43,464百万円 45,101百万円 46,895百万円 4.0
純資産 7,031百万円 50,971百万円 52,265百万円 2.5
総資産 54,249百万円 57,739百万円 64,939百万円 70,552百万円 77,708百万円 10.1

株価の割安性:割安

この企業のPERは10.60倍、PBRは0.64倍であり、いずれも市場平均を下回っているため、割安と判断されます。割安の要因としては、売上高が増加している一方で、純利益やROE、ROAが減少していることが挙げられます。特に、円安による原材料費の増加や研究開発費の増加が利益を圧迫していることが影響しています。また、ジェネリック医薬品市場の競争激化や薬価改定の影響も考慮されるべきです。これらの要因が投資家の評価を抑え、株価の割安感を生んでいると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは6.4%、ROAは4.09%、売上高利益率は6.80%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も6.80%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比4%増加したものの、純利益は9.9%減少しており、利益率の低下が見られます。特に、円安による原材料費の増加や研究開発費の増加が影響しています。また、ジェネリック医薬品の販売減少も収益性に影響を与えています。さらに、毎年の薬価改定による価格競争の激化も収益性を圧迫していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、研究開発の効率化や新規ビジネスへの参入も重要です。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比4%増加し、46,895百万円に達していますが、純利益は9.9%減少し、3,178百万円となっています。ROAやROEもそれぞれ18%と12.3%低下しており、特にROEは前期の7.3%から当期の6.4%に減少しています。また、売上高利益率も12.8%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、円安による原材料費の増加や、研究開発費の増加が挙げられます。特に、ジェネリック医薬品の販売減少が影響しており、製剤の売上高が前期比4.0%減少しています。また、健康食品の市場競争激化も売上減少に寄与しています。これらの要因が重なり、全体的な利益の減少を招いています。

ダイト株式会社の概要や事業内容など

企業名 ダイト株式会社
URL https://www.daitonet.co.jp/
業種 医薬品
決算日 5月31日

企業概要

当社グループは、当社、連結子会社である大和薬品工業株式会社、Daito Pharmaceuticals America, Inc.及び大桐製薬(中国)有限責任公司によって構成されており、原薬及び製剤(医療用医薬品・一般用医薬品)の製造販売及び仕入販売、原薬及び製剤に係る製造受託、並びに健康食品他の販売を主な事業としております。当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため、販売品目毎の内容を記載しております。当社グループは、設立から今日に至るまでに培った豊富な経験と技術を活かし、医薬品原料である原薬の製造・販売に加え、製剤の製造・販売も行っており、原薬から製剤までの一貫した製造が可能な体制のもと、国内外の医薬品メーカーと幅広く取引を行っております。また、自社開発品や他の医薬品メーカーとの共同開発品の製造・販売並びに国内大手メーカー等からの製造受託を積極的に行っており、先発品からジェネリック医薬品までの医薬品業界における多様なニーズに対応できる事業展開を行っております。

事業内容

当社グループの事業内容は以下の通りです。

① 原薬
原薬とは医薬品を製造するための原材料であり、当社グループはその製造販売、仕入販売及び製造業務受託を行っております。自社開発品や共同開発品の製造・販売並びに他社商品の取り扱いを行っており、国内外の医薬品メーカー・医薬品原料メーカー・商社と幅広く取引しております。ジェネリック医薬品の市場動向から、当社グループでは、大量生産から少量多品種生産に対応できる生産設備を保有し、国内大手から中小のジェネリックメーカーに至る幅広いニーズに対応しております。

② 製剤
当社グループは、医療用医薬品や一般用医薬品の製剤の製造販売、仕入販売及び製造業務受託を行っております。国内大手メーカー等からの先発品の製造受託を積極的に行っており、またジェネリック医薬品市場に対応するため、ジェネリック医薬品の開発・製造も行っております。日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)はもとより、FDA(米国食品医薬品局)及びEMA(欧州医薬品庁)の要求する基準をも充足しております。

③ 健康食品他
健康食品や、医薬部外品等の医薬関連商品を取り扱っております。

当社グループの事業の特徴として、医薬品業界における当社グループの位置づけがあります。設立から今日に至るまでに培った豊富な経験と技術を活かし、医薬品原料である原薬の製造・販売に加え、製剤の製造・販売も行っており、原薬から製剤までの一貫した製造が可能な体制のもと、国内外の医薬品メーカーと幅広く取引を行っております。また、自社開発品や他の医薬品メーカーとの共同開発品の製造・販売並びに国内大手メーカー等からの製造受託を積極的に行っており、先発品からジェネリック医薬品までの医薬品業界における多様なニーズに対応できる事業展開を行っております。