株式会社IGポートの業績を有価証券報告書から分析2024-08-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 2.41 2.64 9.7
PER(株価収益率) 14.0 1505.80 19.60 17.10 -12.8
ROA(総資産利益率) 6.09 8.10 32.8
ROE(自己資本利益率) -0.5 11.0 0.10 13.30 17.29 30.1
売上高利益率 6.80 9.60 41.2
純利益 763百万円 1,132百万円 48.3
売上高 9,063百万円 9,934百万円 11,872百万円 11,164百万円 11,841百万円 6.1
純資産 782百万円 6,206百万円 7,318百万円 17.9
総資産 11,150百万円 11,848百万円 11,415百万円 12,542百万円 14,002百万円 11.6

株価の割安性:割高

この企業は、PERが17.10倍PBRが2.64倍と市場平均を上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、ROEが17.29%ROAが8.10%と高い収益性を示していることが挙げられます。また、売上高利益率が9.60%と高く、純利益も48.3%増加していることから、業績が好調であることが伺えます。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっていると考えられます。

収益性:高い

当期のROEは17.29%、ROAは8.10%、売上高利益率は9.60%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も9.60%と非常に健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比6.1%増加し、特に版権事業が大きく貢献しています。版権事業では「ハイキュー!!」や「SPY × FAMILY」などの人気シリーズが収益を牽引し、劇場版のヒットも大きな要因です。また、映像制作事業や出版事業も安定した収益を上げており、全体的な事業のバランスが取れています。これらの戦略的取り組みが、収益性の高さを支えています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比6.1%増加し、11,841百万円に達しています。純利益は前期比48.3%増加し、1,132百万円となっています。ROAやROEもそれぞれ32.8%と30.1%の増加を示しており、自己資本利益率や総資産利益率の向上が見られます。

要因としては、版権事業の大幅な成長が挙げられます。特に「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」が興行収入100億円を超えるヒットとなり、版権事業に大きく貢献しました。また、電子書籍の売上が前年比10%増加し、出版事業の業績にも寄与しています。これらの要因が全体的な売上と利益の増加に繋がっています。

株式会社IGポートの概要や事業内容など

企業名 株式会社IGポート
URL https://www.igport.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 5月31日

企業概要

株式会社IGポートは、連結子会社6社(㈱プロダクション・アイジー、㈱マッグガーデン、㈱ウィットスタジオ、㈱シグナル・エムディ、海外子会社1社、製作委員会1社)および持分法適用関連会社5社で構成される企業グループです。主な事業は、劇場・テレビ・配信・ビデオ・ゲーム用アニメーション等の映像制作事業、コミック誌・コミックス(単行本)電子書籍等の出版事業、そしてこれら作品の二次利用による収益分配や一部の販売権利窓口業務による版権事業です。企業理念として「感動する作品や楽しめる作品を創り続ける」ことを掲げ、多くの視聴者や読者に感動を与え、クライアントに満足してもらえる作品を創ることを経営方針としています。

事業内容

映像制作事業では、国内外からの受注や自社原作の劇場・テレビ・ビデオ・ゲーム用アニメーション及び実写の映像制作を行っています。企画から編集までの一貫した制作ラインを持ち、クリエイターの映像制作能力やプロデューサー等の管理スタッフによる品質水準の維持、スケジュール管理、制作予算管理等の能力向上とノウハウの蓄積を図っています。

出版事業では、コミック誌(雑誌・定期刊行物)、コミックス(単行本)及びイラスト集等の関連書籍、電子書籍の出版、販売を行っています。各世代別の読者に向けて満足感のある作品構成で展開し、ウェブマガジン掲載作品の単行本化や電子書籍の出版・販売も行っています。

版権事業では、映像制作事業とともにアニメーション作品の製作を目的とした製作委員会等への出資やコンテンツ資産により、国内外へ二次利用に関する一部権利の販売業務を行っています。出資割合に応じた収益分配収入や自社制作作品の制作者印税、企画・原作印税等の収入も得ています。

その他、雑誌のイラストやキャラクターの商品化、デジタルコンテンツ等の販売・制作収入を得る事業も展開しています。