株式会社アイスタイルの業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 4.22 3.18 -24.6
PER(株価収益率) 94.5 149.60 31.10 -79.2
ROA(総資産利益率) 1.20 4.40 266.7
ROE(自己資本利益率) -64.59 5.80 -7.0 3.0 11.5 283.3
売上高利益率 0.69 2.20 214.3
純利益 302百万円 1,249百万円 313.6
売上高 30,564百万円 30,950百万円 34,401百万円 42,890百万円 56,085百万円 30.8
純資産 4,756百万円 10,690百万円 12,187百万円 14.0
総資産 24,157百万円 22,235百万円 22,168百万円 24,301百万円 28,141百万円 15.8

株価の割安性:割安

この企業は、PERが31.10倍PBRが3.18倍と市場平均を上回っていますが、特にPERが前期の149.60倍から大幅に低下しており、割安と判断されます。割安の要因としては、純利益の大幅な増加(313.6%増)や、売上高の30.8%増加ROEの11.5%への改善が挙げられます。これらの要素が企業の収益性を高め、投資家からの評価を見直すきっかけとなっています。

収益性:高い

当期のROEは11.5%、ROAは4.4%、売上高利益率は2.2%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を超えており収益性は高いと判断できます。ROAは5%を下回っていますが、前期比で大幅に改善しています。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前年同期比30.8%増加し、特にリテール事業が44.2%の増収を記録しています。大型旗艦店「@cosme OSAKA」のオープンやECイベントの成功が大きく寄与しています。また、マーケティング支援事業も11.9%の増収を達成しており、広告ソリューションの需要増加が見られます。これらの事業の成長が、収益性の向上に大きく貢献しています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比30.8%増加し、56,085百万円に達しています。純利益は341.2%増加し、1,214百万円となっています。ROAやROEも大幅に改善しており、特にROEは前期の3.0%から当期の11.5%に急上昇しています。また、売上高利益率も214.3%増加しており、利益率の向上が顕著です。

要因としては、国内のマーケティング支援事業およびリテール事業が業績を牽引していることが挙げられます。特に、リテール事業では新規オープンした大型旗艦店「@cosme OSAKA」やECイベントの成功が大きく寄与しています。また、マーケティング支援事業でも広告ソリューションの受注増加が見られます。一方、グローバル事業は減収となりましたが、全体的な売上と利益の増加から見て、企業の成長トレンドは依然として強いと判断できます。

株式会社アイスタイルの概要や事業内容など

企業名 株式会社アイスタイル
URL https://www.istyle.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、株式会社アイスタイルを中心に、連結子会社18社及び関連会社で構成されており、化粧品・美容業界に特化した業界横断型のサービスを展開しています。主要な連結子会社には、株式会社アイスタイルリテール、株式会社アイスタイルトレーディング、株式会社アイスタイルキャリアなどが含まれます。これらの企業は、コスメ・美容の総合サイト「@cosme」の運営を基盤とし、広告ソリューション、ECサイト運営、店舗運営、人材派遣など多岐にわたる事業を展開しています。特に「@cosme」は、国内女性人口の3分の1を超える月間ユーザーを持つ人気サイトであり、当社グループの中核を成しています。近年では、海外展開も積極的に進めており、グローバル市場での事業拡大を目指しています。

事業内容

当社グループの事業は以下の4つのセグメントに分かれています。

1. マーケティング支援事業: コスメ・美容の総合サイト「@cosme」を基盤とし、化粧品ブランド向けの広告ソリューションを提供しています。店頭でのポップアップイベントやオンライン広告など、多岐にわたるサービスを展開しています。

2. リテール事業: 化粧品ECサイト「@cosme SHOPPING」の運営や、化粧品専門店「@cosme STORE」、大型旗艦店「@cosme TOKYO」などの店舗運営を行っています。ECサイトでは、特別イベントや限定品の販売が好調で、店舗運営も新規オープンや既存店の成長が見られます。

3. グローバル事業: 日本国外でのEC・卸売、店舗運営、メディアサービスを展開しています。香港や韓国、中国などでの事業展開を行っており、特に香港店舗が健闘していますが、中国越境ECや韓国事業の不調も見られます。

4. その他事業: 美容部員の派遣やユーザー向けのBtoC課金サービス、創業間もない企業への投資育成事業を行っています。人材派遣事業では派遣人員の不足が課題となっていますが、利益率の高い案件の獲得により増益を達成しています。

これらの事業を通じて、当社グループはコスメ・美容業界における総合的なプラットフォームとして成長を続けています。