住江織物株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-08-29

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.00 0.78 -21.3
PER(株価収益率) 88.19 29.29 37.79 43.40 18.79 -56.7
ROA(総資産利益率) 0.89 1.70 88.9
ROE(自己資本利益率) 0.5 1.5 1.0 1.10 2.90 163.6
売上高利益率 0.80 1.5 87.5
純利益 787百万円 1,580百万円 100.8
売上高 91,512百万円 79,702百万円 81,713百万円 94,828百万円 103,478百万円 9.1
純資産 9,554百万円 34,113百万円 37,687百万円 10.5
総資産 86,272百万円 83,669百万円 84,801百万円 88,151百万円 92,199百万円 4.6

株価の割安性:割安

この企業は、PERが18.79倍PBRが0.78倍と市場平均を下回り、割安と判断されます。割安の要因としては、ROEが2.9%と低めであること、またPBRが1倍を下回っていることが挙げられます。企業の業績は改善傾向にあり、売上高や純利益が増加していますが、依然として市場からの評価が低い状態です。特に、ROEの低さが投資家の評価を抑えている可能性があります。今後の業績改善とともに、株価の見直しが期待されます。

収益性:低い

当期のROEは2.9%、ROAは1.7%、売上高利益率は1.5%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も1.5%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比9.1%増加していますが、利益率の改善が十分でないことが挙げられます。特に、インテリア事業では家庭用カーペットの減収や原材料価格の高騰が影響しています。また、自動車・車両内装事業では北中米拠点の黒字化が進んでいるものの、全体の利益率向上には至っていません。さらに、機能資材事業では主力製品の売上が減少しており、セグメント損失が発生しています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益製品の開発が必要です。また、グローバル展開の強化や新市場の開拓も重要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比9.1%増加し、103,478百万円に達しています。純利益は100.8%増加し、1,580百万円となり、ROAやROEも大幅に改善しています。特に、ROEは前期の1.10%から当期の2.90%に急上昇しており、自己資本利益率の大幅な向上が見られます。また、売上高利益率も87.5%増加しており、利益率の向上が顕著です。

要因としては、自動車・車両内装事業の売上が前期比15.6%増加し、北中米拠点での事業再編が奏功したことが挙げられます。また、インテリア事業でも業務用カーペットの納入物件数が増加し、売上が伸びたことが寄与しています。これらの要因により、全体的な売上と利益の増加が見られ、企業の成長トレンドは強いと判断できます。

住江織物株式会社の概要や事業内容など

企業名 住江織物株式会社
URL https://suminoe.co.jp/
業種 繊維製品
決算日 5月31日

企業概要

当社グループは、当社、連結子会社28社及び関連会社2社により構成され、インテリア製品、自動車車両内装材製品、機能性資材製品の製造及び販売を主な事業として取り組んでおります。 主要な連結子会社には、㈱スミノエ、ルノン㈱、住江テクノ㈱、Suminoe Textile of America Corporationなどが含まれます。これらの子会社は、インテリア製品の販売、カーペットや壁紙の製造、自動車内装材の製造・販売などを行っています。当社グループの従業員数は、2024年5月31日現在で2,812名です。 また、当社グループは、ESG経営を推進し、社会のニーズに応える商材の拡販とグローバル経営を目指しています。中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」を策定し、持続的な成長と企業価値の向上を図っています。当社グループの主要な経営指標として、2024年5月期の売上高は1,034億78百万円、経常利益は36億68百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億74百万円となっています。 また、自己資本比率は34.7%です。

事業内容

当社グループの事業は、インテリア事業、自動車・車両内装事業、機能資材事業の3つのセグメントに分かれています。 インテリア事業では、㈱スミノエ及び㈱プレテリアテキスタイルが一般消費者向けインテリア製品の販売を行い、ルノン㈱が壁紙を主とした製品の販売を行っています。製造においては、住江テクノ㈱がカーペット及びカーペットの材料であるスミトロン糸を製造しています。自動車・車両内装事業では、国内外で自動車内装材製品の販売を行い、Suminoe Textile of America CorporationやSuminoe Textile de Mexico, S.A. de C.V.などの海外子会社が自動車内装材の製造及び販売を行っています。機能資材事業では、ホットカーペット、浴室床材、消臭関連商材、航空機の内装材製品等の販売を行っています。当社グループは、技術力の向上と品質管理を徹底し、より良い製品づくりを追求しています。 また、サステナビリティ基本方針に基づき、健全で透明性の高い経営と社会・環境に調和した事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。研究開発活動では、抗菌・抗ウイルス加工技術「Vgaurd」の確立や自動車内装材の環境対応技術の開発、スマートテキスタイルの高機能化などに取り組んでいます。