株式会社デュアルタップの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.74
PER(株価収益率) 5.40 176.0 33.20 8.5
ROA(総資産利益率) 3.70 -6.40 -273.0
ROE(自己資本利益率) 12.80 0.60 2.79 9.10
売上高利益率 2.20 -7.40 -436.4
純利益 193百万円 -382百万円 -298.0
売上高 7,254百万円 6,148百万円 10,756百万円 8,627百万円 5,173百万円 -40.0
純資産 217百万円 2,202百万円 1,788百万円 -18.8
総資産 4,202百万円 7,387百万円 5,034百万円 5,277百万円 5,996百万円 13.6

株価の割安性:割安

この企業は、PERが8.5倍PBRが0.74倍と市場平均を下回り、割安と判断されます。割安の要因としては、売上高の40%減少や純利益の赤字転落、ROAの悪化(3.7%から-6.4%)が挙げられます。特に、売上高利益率が2.2%から-7.4%に大幅に低下しており、収益性の低下が顕著です。これらの要素が投資家からの評価を下げ、株価の割安感を生んでいると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは記載なし、ROAは-6.4%、売上高利益率は-7.4%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も-7.4%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比40%減少しており、特に不動産販売事業の売上が大幅に減少しています。また、経常損失が3億31百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が3億86百万円と大きな損失を計上しています。さらに、建築資材の高騰や地価の上昇など、外部環境の悪化も影響していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、事業の多角化や新規事業への進出も検討する必要があります。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比40.0%減少し、5,173百万円となっています。純利益も前期の193百万円から当期は-382百万円と大幅に減少しています。ROAも前期の3.70%から当期は-6.40%に低下し、売上高利益率も前期の2.20%から当期は-7.40%に急落しています。

要因としては、主力の不動産販売事業において大型案件の決済を次期に延期したことや、賃貸管理事業での新規取り組みによるコスト増加が挙げられます。また、建築資材の高騰や地政学リスク、円安などの外部環境の影響も業績に悪影響を与えています。

株式会社デュアルタップの概要や事業内容など

企業名 株式会社デュアルタップ
URL https://www.dualtap.co.jp/
業種 不動産業
決算日 6月末日

企業概要

当社グループは、当社、連結子会社6社、非連結子会社4社、関連会社1社で構成されており、東京23区を中心に不動産販売事業を主軸として事業展開しております。主要な経営指標としては、売上高、経常利益、純資産額、総資産額、自己資本比率などが挙げられます。2024年6月期の売上高は51億7291万円で、前期比40.0%減少しました。また、経常損失は3億3170万円、親会社株主に帰属する当期純損失は3億8672万円となりました。自己資本比率は29.7%で、前期比11.9ポイント減少しています。従業員数は215名で、前期比4名減少しました。主要な事業としては、不動産販売事業、不動産管理事業、海外不動産事業、営業支援事業があります。特に不動産販売事業では、資産運用型マンション「XEBEC(ジーベック)」の企画、開発、販売を行っており、個人投資家やリート、不動産ファンド、企業法人等に分譲しています。

事業内容

当社グループの事業内容は以下の4つの部門に分かれています。

(1)不動産販売事業
当社は、東京23区を中心に主に資産運用型マンション「XEBEC(ジーベック)」の企画、開発を行っており、個人投資家及びリート、不動産ファンド、企業法人等に分譲しています。「XEBEC(ジーベック)」は、経験豊かなスタッフが時代のニーズに合わせて開発した資産運用型マンションで、「23区・駅近・高機能マンション」をコンセプトにしています。また、中古マンションの売却や不動産再生事業として中古オフィスビルの売却も行っています。

(2)不動産管理事業
当社が分譲した「XEBEC(ジーベック)」やその他資産運用型マンションの賃貸管理、仲介及び建物管理を行っています。自社販売物件を中心にマンションの所有者より賃借し、所有者に対して賃料収入を保証すると共に、賃貸(転貸)するサブリース業務、家賃の集金代行業務、入居・退去に関する契約管理業務等の賃貸管理業務及び当社所有不動産の賃貸事業を行っています。

(3)海外不動産事業
「XEBEC(ジーベック)」を主として海外の富裕層向けに分譲しています。マレーシアの主要都市において、住宅や商業施設等の建物管理を行っており、海外物件を国内投資家へ紹介しています。シンガポールやマレーシアなどの東南アジア諸国に対する注目度が高く、当社子会社である株式会社Dualtap Internationalが当該地域を拠点として事業活動を行っています。

(4)営業支援事業
主に製造、技術等に経営資源を集中している企業に対して、営業戦略の立案、営業人員の採用、ターゲット企業の選定から企業へのアプローチや営業代行等、コンサルティングから現場レベルのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)まで総合的な支援を行っていましたが、当連結会計年度において、営業支援事業を営んでいた当社連結子会社の株式会社デュアルタップグロウスの全株式を売却したため、連結の範囲から除外しています。