株式会社三ツ知の業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.40
PER(株価収益率) 14.80 14.39 9.60
ROA(総資産利益率) -0.20 2.5
ROE(自己資本利益率) -2.20 5.0 4.5 -0.40 4.40
売上高利益率 -0.30 3.20
純利益 -32百万円 419百万円
売上高 12,468百万円 13,783百万円 12,448百万円 12,555百万円 13,148百万円 4.7
純資産 406百万円 9,231百万円 9,982百万円 8.1
総資産 14,517百万円 17,009百万円 16,411百万円 16,683百万円 16,451百万円 -1.4

株価の割安性:割安

この企業は、PERが9.60倍、PBRが0.40倍と市場平均を下回り、割安と判断されます。割安の要因としては、ROEが4.4%と低く、資本効率が悪化していることが挙げられます。また、営業利益率が3.5%と収益性が低迷していることも影響しています。さらに、内部留保の積上げによる株主資本の増加がある一方で、業容は従来水準に留まっており、これが株価の低迷に繋がっています。結論として、株価は割安と見られますが、収益力の強化と資本効率の改善が必要とされています。

収益性:平均的

当期のROEは4.4%、ROAは2.5%、売上高利益率は3.2%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると平均的から低いと判断できます。売上高利益率も3.2%と低めです。

収益性が平均的から低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高は前期比4.7%増加しているものの、利益率の改善が十分でないことが挙げられます。特に、原材料価格の高騰や価格競争の激化が影響していると推測されます。また、内部留保の積上げによる株主資本の増加に対して、業容が従来水準に留まっているため、資本効率が悪化しています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、成長事業への積極的な投資や新規ビジネスの開拓も重要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比4.7%増加し、13,148百万円に達しています。純利益も大幅に改善し、前期の-32百万円から当期は419百万円に増加しました。ROAは-0.20%から2.5%に、ROEも-0.40%から4.40%に改善しています。売上高利益率も-0.30%から3.20%に上昇しており、利益率の向上が顕著です。

要因としては、全社を挙げた原価低減活動や経費削減が挙げられます。特に、米国とタイでの売上増加と為替変動による円安の影響が大きく寄与しています。また、日本国内でも得意先からの受注増加が見られ、全体的な売上と利益の増加に繋がっています。

株式会社三ツ知の概要や事業内容など

企業名 株式会社三ツ知
URL https://www.mitsuchi.co.jp/
業種 金属製品
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び子会社6社(株式会社三ツ知製作所、株式会社三ツ知部品工業、株式会社創世エンジニアリング、Thai Mitchi Corporation Ltd.、Mitsuchi Corporation of America、三之知通用零部件(蘇州)有限公司)で構成されており、自動車部品に係るカスタムファスナーの製造・販売等を主たる業務としております。当社グループの製品は、自動車用部品における車体用部品向けがその中心であり、用途別にはシート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品等の各機能部品となっております。当社グループでは、得意先からのコスト・品質等における高度化・多様化するニーズに的確に対応するために、冷間鍛造をコア技術とし、生産性の向上・製品の高付加価値化に努めております。

事業内容

当社グループは、自動車部品に係るカスタムファスナーの製造・販売を主たる業務としております。具体的には、シート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品等の各機能部品を製造しています。冷間鍛造技術をコア技術とし、生産性の向上と製品の高付加価値化に努めています。主要な関係会社としては、株式会社三ツ知製作所が冷間鍛造技術をコアとしたカスタムファスナーの主力生産拠点、株式会社三ツ知部品工業が建設用締結部品及び自動車サブアッシー部品の組立拠点、株式会社創世エンジニアリングが金型加工技術をコアとした精密機械金型の製造・販売拠点として機能しています。また、海外拠点としては、タイのThai Mitchi Corporation Ltd.、米国のMitsuchi Corporation of America、中国の三之知通用零部件(蘇州)有限公司がそれぞれ自動車用部品のカスタムファスナーの製造・販売を行っています。