アトムリビンテック株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 19.24 0.46 0.53 16.5
PER(株価収益率) 11.40 13.31 14.03 13.35 21.39 60.3
ROA(総資産利益率) 4.0 3.59 3.20 2.70 1.89 -29.6
ROE(自己資本利益率) 5.30 4.69 4.30 3.5 2.5 -28.6
売上高利益率 4.59 4.59 4.09 3.29 2.5 -24.2
純利益 483百万円 441百万円 412百万円 347百万円 255百万円 -26.6
売上高 10,394百万円 9,627百万円 9,991百万円 10,416百万円 10,162百万円 -2.4
純資産 301百万円 10,047百万円 10,150百万円 1.0
総資産 12,022百万円 12,414百万円 12,888百万円 12,880百万円 13,188百万円 2.4

株価の割安性:割高

この企業のPERは21.39倍、PBRは0.53倍であり、PERは市場平均の15倍を大きく上回り、PBRは1倍を下回っています。これにより、PERの観点からは割高と判断されます。割高の要因としては、住宅市場の低迷や建設資材コストの高止まり、さらに新設住宅着工戸数の減少が挙げられます。これらの要因が収益性に影響を与え、ROAやROEの低下を招いているため、投資家の期待が高まっている一方で、実際の業績が追いついていない状況が見受けられます。

収益性:低い

当期のROEは2.5%、ROAは1.89%、売上高利益率は2.5%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率も2.5%と低めです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比2.4%減少しており、成長が見られないことが挙げられます。また、原材料価格の高騰を販売価格に転嫁しきれていないことが売上総利益の減少に繋がっています。さらに、住宅市場の低迷や建設資材コストの高止まり、人手不足などの外部要因も影響しています。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、リフォーム・リノベーション市場や非住宅分野への対応強化も重要です。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比2.4%減少し、10,162百万円となっています。純利益は26.6%減少し、255百万円となり、ROAやROEもそれぞれ29.6%と28.6%減少しています。特に、売上高利益率が24.2%減少しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、建設資材の原材料コストやエネルギーコストの高止まりが住宅取得マインドの重しとなり、新設住宅着工戸数の低迷が続いていることが挙げられます。また、原材料価格の高騰を販売価格に転嫁しきれていないことも、売上総利益の減少に寄与しています。さらに、物流の2024年問題や人手不足など、外部環境の厳しさも影響しています。

アトムリビンテック株式会社の概要や事業内容など

企業名 アトムリビンテック株式会社
URL https://www.atomlt.com/
業種 金属製品
決算日 6月30日

企業概要

当社は、明治36年に創業し、昭和29年10月にその前身である高橋製作所を改組設立しました。創業者の理念「独り歩きのできる商品を提供すべき」に基づき、「より良い金物を自ら考え、自ら普及させて行く」を企業理念とし、「創意・誠実・進取」の精神を社是としています。ファブレス(工場を持たない)メーカーとして、企画・開発・販売を行い、企業規模の拡充強化を図りながら、新しい時代に即した事業展開を進めています。伝統的に別分野として区別されていた「家具金物」と「建具金物」を融合させた「内装金物(住まいの金物)」の分野を創造し、家具業界から建具業界・住宅設備機器業界・住宅業界へと販路を拡大しています。現在では、取扱商品の80%以上を自社商品で占める独自の業態を形成しています。また、東京「アトムCSタワー」や大阪に常設ショールームを開設し、個展や内覧会を開催するなど、幅広くステークホルダーとの情報交換に努めています。物流の近代化・合理化にも力を注ぎ、独自のネットワークを構築して商品の安定供給に努めています。今後も「より良い金物を自ら考え、自ら普及させて行く」との理念を全うし、住まいの金物の進化と発展に寄与し、住生活を通して広く社会に貢献することを目指しています。

事業内容

当社は、建築金物・家具金物を主体とした内装金物全般の企画・開発・販売を「ATOM」ブランドの下で行っています。国内全域のハウスメーカー・住宅設備機器メーカー・建材メーカーならびに建築金物店等を販売先とするファブレスメーカーとして事業活動を展開しています。中国に「上海阿童木建材商貿有限公司」、ベトナムに「ATOM LIVIN TECH VIETNAM COMPANY LIMITED」という全額出資の子会社を設立し、海外協力工場の開拓、現地販売ならびに日本国内への商品供給の拡大を目的としています。
事業戦略としては、商品戦略、市場戦略、情報システム戦略、環境方針を掲げています。商品戦略では、アトムオリジナル商品の再構成や新たな戦略的商品開発を推進し、リフォーム・リノベーション市場や非住宅分野への対応を強化しています。市場戦略では、ATOMダイレクトショップの情報発信機能を活用し、ISO9001及びISO14001の認証取得企業として品質と環境に配慮した商品開発を継続しています。情報システム戦略では、クラウド型システムの導入やDX化を推進し、業務効率ならびに経営効率の向上を図っています。環境方針では、ISO14001に則り、エコロジーとエコノミーを同化させた事業活動を継続し、持続可能な社会の実現に努めています。