株式会社マーケットエンタープライズの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 7.04 3.18 -54.7
PER(株価収益率) 41.09 -150.10 -14.19 30.39 -11.19 -136.8
ROA(総資産利益率) 8.10 -7.0 -186.4
ROE(自己資本利益率) 22.5 -2.79 -32.5 24.20 -42.70 -276.4
売上高利益率 2.59 -2.0 -176.9
純利益 395百万円 -372百万円 -194.3
売上高 10,904百万円 10,876百万円 11,987百万円 15,258百万円 19,008百万円 24.6
純資産 326百万円 1,702百万円 1,306百万円 -23.3
総資産 4,023百万円 3,462百万円 3,531百万円 4,854百万円 5,345百万円 10.1

株価の割安性:割高

この企業のPERは-11.19倍、PBRは3.18倍であり、PERはマイナスであるため評価が難しいですが、PBRが市場平均の1倍を大きく上回っているため、割高と判断されます。割高の要因としては、売上高が24.6%増加している一方で、純利益が大幅に減少し、当期純損失が発生していることが挙げられます。また、ROEやROAがマイナスに転じていることから、収益性の低下が見られます。これらの要素が投資家からの評価を下げ、株価の割高感を引き起こしています。

収益性:低い

当期のROEは-42.70%、ROAは-7.0%、売上高利益率は-2.0%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率もマイナスであり、収益性が低いことを示しています。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、純利益が-372百万円と大幅な赤字であることが挙げられます。これは、特別損失として減損損失を計上したことや、営業外費用が大きく影響しているためです。また、売上高は前期比24.6%増加しているものの、売上原価や販売費及び一般管理費の増加が利益を圧迫しています。さらに、ROEとROAの大幅な低下は、純資産と総資産の増加に対して利益が伴っていないことを示しています。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比24.6%増加し、成長を見せていますが、純利益は大幅に減少し、ROAやROEも大幅に低下しています。特に、ROEは前期の24.20%から当期の-42.70%に急落しており、自己資本利益率の大幅な低下が見られます。また、売上高利益率も-2.0%とマイナスに転じており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、ネット型リユース事業の拡大に伴う先行投資や、メディア事業における検索エンジンアルゴリズムの変更による影響が挙げられます。また、モバイル通信事業においても新規回線獲得のための広告費用が増加していることが影響しています。特に、特別損失として減損損失が計上されたことが、純利益の大幅な減少に寄与しています。

株式会社マーケットエンタープライズの概要や事業内容など

企業名 株式会社マーケットエンタープライズ
URL https://www.marketenterprise.co.jp/
業種 小売業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、当社及び連結子会社4社(株式会社MEモバイル、株式会社MEトレーディング、株式会社UMM、MARKETENTERPRISE VIETNAM CO., LTD.)の合計5社で構成されております。当社グループは「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指し、多様化する消費行動や様々な消費スタイルに対し、個々人、そして一部の商品・サービスにおいては法人にまでその枠を広げ、インターネットを通じて最適な消費の選択肢を提供するべく、「ネット型リユース事業」「メディア事業」「モバイル通信事業」の3セグメント事業を展開しております。

事業内容

当社グループは、以下の3つのセグメント事業を展開しています。

① ネット型リユース事業
従来のリユース業界では「店舗型」が主流でしたが、当社は2006年の設立以来、インターネットに特化した業態で事業を展開しています。「高く売れるドットコム」を総合買取サイトに掲げ、一般家電から趣味嗜好品、法人向け商材まで31カテゴリーの買取サイトを運営。買取方法は宅配買取、店頭買取、出張買取の3つを用意し、全国15拠点のリユースセンターで広範囲の顧客に対応しています。販売は主要なインターネットマーケットプレイスや自社ECサイト「ReRe」で行い、商品在庫を一元管理するシステムを自社開発しています。また、農機具の海外向けECサイト「FARMMART」を運営し、越境ECでの販売も行っています。

② メディア事業
通信関連、リユース関連、消費関連等の分野にフォーカスし、消費者に有益な情報を提供するインターネットメディアを運営しています。主なメディアには「iPhone格安SIM通信」「SIMCHANGE」「高く売れるドットコムMAGAZINE」「おいくらMAGAZINE」「ビギナーズ」「OUTLET JAPAN」「最安修理ドットコム」「中古農機市場UMM」があります。収益は記事からの送客に伴う成果報酬が主です。

③ モバイル通信事業
連結子会社の株式会社MEモバイルが、WiMAXサービス「カシモ WiMAX」を展開。「カシモWiMAX」はシンプルで分かりやすいサービスプランを提供し、インターネットに特化した販売とアフターサポート体制を構築しています。顧客にとって利便性が高く、最短で申込当日の商品発送が可能です。

これらの事業を通じて、当社グループは持続可能な社会の実現に向けた経済活動であるサーキュラーエコノミーの発展に貢献しています。