株式会社パシフィックネットの業績を有価証券報告書から分析2024-08-29

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 2.92 2.30 -21.3
PER(株価収益率) 26.70 30.60 33.29 23.79 16.29 -31.5
ROA(総資産利益率) 4.19 4.09 -2.4
ROE(自己資本利益率) 14.39 22.20 8.5 12.80 14.89 16.4
売上高利益率 5.30 6.19 17.0
純利益 336百万円 432百万円 28.5
売上高 4,567百万円 5,224百万円 5,507百万円 6,404百万円 6,921百万円 8.1
純資産 458百万円 2,740百万円 3,062百万円 11.8
総資産 4,898百万円 5,792百万円 6,835百万円 8,008百万円 10,494百万円 31.0

株価の割安性:平均的

この企業のPERは16.29倍、PBRは2.30倍であり、PERは市場平均の15倍に近く、PBRは1倍を大きく上回っています。これにより、株価は平均的と判断されます。割安性が見られない要因として、売上高や純利益の増加、ROEの改善が挙げられます。特に、売上高が8.1%増加し、純利益が28.5%増加していることから、企業の成長性が評価されていると考えられます。また、ROEが14.89%と高水準であることも、投資家からの評価を高めている要因です。

収益性:高い

当期のROEは14.89%、ROAは4.09%、売上高利益率は6.19%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは10%を超えており、収益性は高いと判断できます。ROAは5%を下回っていますが、売上高利益率は健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前年同期比8.1%増加し、特にITサブスクリプション事業が10.4%の増収を達成しています。また、ITAD事業やコミュニケーション・デバイス事業もそれぞれ収益性の向上に寄与しています。さらに、積極的な投資とデジタル化推進により、資産効率や業務効率が向上している点も収益性向上に寄与しています。

これらの戦略的取り組みが、収益性の高さを支えています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比8.1%増加し、6,921百万円に達しています。純利益も28.5%増加し、432百万円となっています。ROEも前期の12.8%から14.89%に上昇しており、自己資本利益率の改善が見られます。売上高利益率も17%増加し、利益率の向上が顕著です。

要因としては、ITサブスクリプション事業の成長が大きく寄与しています。特に、企業のIT部門の負担軽減につながるサブスクリプションサービスへの需要が高まり、売上高が順調に拡大しています。また、ITAD事業においても、データ消去やリユース品の販売が好調に推移し、収益性が向上しています。さらに、コミュニケーション・デバイス事業も観光業界の回復に伴い、売上が増加しています。

株式会社パシフィックネットの概要や事業内容など

企業名 株式会社パシフィックネット
URL https://www.prins.co.jp/
業種 サービス業
決算日 5月31日

企業概要

当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という)と連結子会社2社で構成されており、IT機器のレンタルやIT環境の運用管理・通信・クラウド等のITサービスを提供するITサブスクリプション事業、使用済みIT機器の回収・データ消去、リユース・適正処理を行うITAD事業、観光業界を中心にイヤホンガイドⓇの製造販売・保守サービスを行うコミュニケーション・デバイス事業を展開しています。
当社の経営理念は「企業のIT支援を通し、『人々』『社会』を幸せにしたい」であり、顧客視点に立ち、企業のIT戦略と情報システム部門を支援し、提供するサービスの品質と顧客満足度の向上、新たな価値創造を追求しています。
主要な経営指標としては、売上高、営業利益、経常利益、EBITDA、ROEを採用し、持続的な企業価値の向上と株主還元を図っています。
また、サステナビリティに関する考え方として、サステナブルな社会の実現に寄り添いながら事業展開を行っており、情報セキュリティリスクやIT技術の急激な革新・進化、IT技術人材の確保などのリスクにも対応しています。

事業内容

当社グループは、以下の3つの主要な事業を展開しています。
① ITサブスクリプション事業
法人・官公庁が業務で使用するIT機器のサブスクリプション(レンタル)や、IT環境の運用保守・クラウド等のITサービスを提供しています。サブスクリプション型サービスが大部分を占めており、企業のIT部門の負担軽減につながるサービスへのニーズが強く、順調に拡大しています。
② ITAD事業
使用済みIT機器のセキュアな回収、データ消去、適正処理サービスを提供しています。高価値品はテクニカルセンターで製品化し、リユース品として販売。再利用困難な機器は分解して素材化し、リサイクル業者へ販売することで廃棄物削減と適正処理を推進しています。
③ コミュニケーション・デバイス事業
観光業界を中心にイヤホンガイドⓇの製造販売・保守サービスを展開しています。イヤホンガイドⓇは、観光地ガイドや国際会議での通訳、工場見学、美術館や博物館等で利用されており、国内の旅行関連市場では高いシェアを有しています。
これらの事業を通じて、当社グループはIT機器のレンタルや運用管理、データ消去、リユース、観光業界向けのコミュニケーションデバイスの提供など、多岐にわたるサービスを展開し、企業や社会のIT支援を行っています。