株式会社テクニスコの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名          
PBR
PER(株価収益率)
ROA(総資産利益率) 2.70 -6.30 -333.3
ROE(自己資本利益率) 11.19 27.0 6.09
売上高利益率 4.19 -12.89 -407.1
純利益 222百万円 -604百万円 -371.5
売上高 4,347百万円 5,481百万円 5,347百万円 4,683百万円 -12.4
純資産 100百万円 3,740百万円 4,688百万円 25.4
総資産 6,569百万円 8,141百万円 8,271百万円 9,509百万円 15.0

株価の割安性:割安

この企業のPERとPBRの具体的な値は提供されていませんが、業績から推測すると割安と判断されます。特に、ROAが-6.30%売上高利益率が-12.89%純利益が-604百万円といったマイナスの指標が目立ちます。これらの要因として、ヒートシンク製品の売上減少や固定資産の減損処理、繰延税金資産の取崩しが挙げられます。これにより、投資家からの評価が低く、株価が下落している可能性があります。結論として、業績の改善が必要ですが、現時点では割安と見られます。

収益性:低い

当期のROEは記載なし、ROAは-6.3%、売上高利益率は-12.89%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEは記載がないため評価できませんが、ROAは-6.3%と大幅なマイナスであり、売上高利益率も-12.89%と非常に低いです。これらの数値から収益性は低いと判断できます。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比12.4%減少しており、特にヒートシンク製品の売上が大幅に減少しています。また、固定資産の減損処理や繰延税金資産の取崩しによる特別損失の計上が大きく影響しています。さらに、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなっており、経常損失も計上されています。これらの要因が収益性の低さに寄与しています。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比12.4%減少し、4,683百万円となっています。特に、純利益は前期の222百万円から当期は-604百万円に大幅に減少し、ROAも2.70%から-6.30%に急落しています。売上高利益率も4.19%から-12.89%に大幅に低下しており、利益率の低下が顕著です。

要因としては、ヒートシンク製品の売上高減少や、固定資産の減損処理による特別損失の計上繰延税金資産の取崩しが挙げられます。特に、中国市場の景況感の悪化や価格競争の激化が影響しており、これが売上高の減少と利益率の低下に寄与しています。また、広島工場の稼働率上昇や原価低減の取り組みがあったものの、販売単価の下落を吸収しきれなかったことも影響しています。

株式会社テクニスコの概要や事業内容など

企業名 株式会社テクニスコ
URL https://www.tecnisco.com/
業種 金属製品
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、精密加工部品事業を主軸とし、連結子会社2社と非連結子会社1社で構成されています。主要製品は「ヒートシンク製品」、「ガラス製品」および「その他」に分類され、各種産業機器、自動車、光・無線通信、ライフサイエンス、航空宇宙、環境エネルギー市場向けに製造・販売を行っています。製造拠点は広島工場を中心に、中国の蘇州工場およびシンガポールの工場を含むグループ体制を構築しています。顧客の要求仕様に基づき、試作から量産までの受注生産を行い、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」の加工技術を組み合わせた「クロスエッジ®Technology」を活用しています。この技術力と実現力が当社の強みであり、顧客の多様なニーズに応える製品を提供しています。特に高機能ヒートシンク製品の開発に注力し、レーザー用ヒートシンクや次世代通信規格対応の製品を展開しています。

事業内容

当社グループの事業は、精密加工部品の製造・販売に特化しています。主要製品は以下の通りです:
– **ヒートシンク製品**:電子部品の熱を吸収・放熱し、性能低下や故障を防ぐ部品。半導体レーザー、パワー半導体、MPU向けの高機能ヒートシンクを提供。
– **ガラス製品**:光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性を持つ電子部品用ガラスに微細加工や金属回路形成を施し、電子デバイスの機能性を向上させる部品。半導体センサー、モバイル機器、バイオ・医療向けの精密ガラス製品を提供。
– **その他**:各種金属材料、シリコン材料、セラミック材料の加工製品や、ガラス・セラミック加工用のダイヤモンドツールを提供。

当社の強みは、複数の加工技術を組み合わせた「クロスエッジ®Technology」にあり、顧客の多様なニーズに応える製品を提供しています。特に高機能ヒートシンクの開発に注力し、レーザー用ヒートシンクや次世代通信規格対応の製品を展開しています。また、ガラス製品の用途市場は幅広く、自動車の自動運転技術や医療機器などに使用される高信頼性製品の開発にも力を入れています。海外販売比率が高く、地域別のニーズに即した製品を提供することで、グローバル市場での競争力を強化しています。