株式会社総医研ホールディングスの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 1.10
PER(株価収益率) 18.95 21.21 10.85 17.37
ROA(総資産利益率) 5.5 -9.5 -272.7
ROE(自己資本利益率) 13.80 9.69 12.80 6.59
売上高利益率 5.59 -12.89 -330.4
純利益 456百万円 -663百万円 -245.5
売上高 9,312百万円 8,942百万円 9,348百万円 8,080百万円 5,158百万円 -36.2
純資産 1,837百万円 7,172百万円 6,249百万円 -12.9
総資産 7,407百万円 7,147百万円 8,490百万円 8,240百万円 6,946百万円 -15.7

株価の割安性:割高

この企業のPERは前期17.37倍、PBRは1.10倍であり、PERは市場平均の15倍を上回り、PBRも1倍を超えています。これにより、割高と判断されます。割高の要因としては、企業が持つ独自のバイオマーカー技術やエビデンスに基づく製品開発力が評価されていることが考えられます。また、ヘルスケアサポート事業や健康補助食品事業の成長期待も影響している可能性があります。しかし、当期の純利益が赤字であることや売上高の大幅な減少が見られるため、業績の不安定さも割高感に寄与していると考えられます。

収益性:低い

当期のROEは-9.5%、ROAは-9.5%、売上高利益率は-12.89%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も-12.89%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比36.2%減少しており、特に化粧品事業が大幅な減収となったことが大きな影響を与えています。また、健康補助食品事業の収益率の低下も影響しています。さらに、広告宣伝費の先行投資や原材料価格の高騰が収益性を圧迫しています。これらの要因が重なり、当期の収益性が大きく低下しました。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比36.2%減少し、5,158百万円となっています。純利益は前期の456百万円から当期は-663百万円に大幅に減少し、ROAも5.5%から-9.5%に急落しています。売上高利益率も-12.89%と大幅に悪化しています。

要因としては、化粧品事業の大幅な減収や健康補助食品事業の収益率の低下が挙げられます。特に、化粧品事業は中国市場向け商品の販売が減少し、売上高が前期比60.8%減少しました。また、健康補助食品事業では原材料価格の高騰と広告宣伝費の先行投資が収益率の低下に寄与しています。これらの要因が全体の業績に大きな影響を与えています。

株式会社総医研ホールディングスの概要や事業内容など

企業名 株式会社総医研ホールディングス
URL https://www.soiken.com/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループ(㈱総医研ホールディングス及び子会社5社)は、生体評価システム事業、ヘルスケアサポート事業、化粧品事業、健康補助食品事業及び機能性素材開発事業を主たる業務としています。 企業理念は「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」であり、大学の研究成果を活かしてエビデンス(科学的根拠)に基づくサービスや商品を開発・提供しています。主要な経営指標として、売上高、経常利益、純資産額、総資産額、自己資本比率などが挙げられます。2024年6月期の連結売上高は5,158百万円で、前年同期比36.2%減少しました。連結経常損失は565百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は662百万円となりました。従業員数は連結で90名、提出会社単体で11名です。主要な子会社には㈱総合医科学研究所、㈱ビービーラボラトリーズ、日本予防医薬㈱、㈱NRLファーマなどがあります。

事業内容

当社グループの事業は以下の5つのセグメントに分かれています。

1. **生体評価システム事業**:㈱総合医科学研究所が運営し、大学の研究成果を導入してバイオマーカーと生体評価システムの研究開発を行います。評価試験事業、バイオマーカー開発事業、医薬臨床研究支援事業(2024年6月末で廃止)などが含まれます。

2. **ヘルスケアサポート事業**:㈱総合医科学研究所が運営し、医療機関ネットワークを活用して健康診断や特定保健指導、糖尿病の重症化予防サービスなどを提供します。

3. **化粧品事業**:㈱ビービーラボラトリーズが運営し、プラセンタエキスを用いた独自商品ブランドを展開。通信販売や有名百貨店、卸売業者への販売を行います。

4. **健康補助食品事業**:日本予防医薬㈱が運営し、バイオマーカー技術や食薬開発のノウハウを活かした健康補助食品を販売。主力商品は「イミダペプチド」です。

5. **機能性素材開発事業**:㈱NRLファーマが運営し、ラクトフェリンなどの機能性素材の開発、販売、技術供与を行います。

各事業は、大学の研究成果を基にしたエビデンスの取得、構築、活用に重点を置いています。 また、化粧品事業では中国市場への展開を強化し、ヘルスケア関連商品やサービスの海外展開も視野に入れています。研究開発活動としては、疲労プロジェクトや東京慈恵会医科大学との共同研究などが進行中です。