株式会社オープンアップグループの業績を有価証券報告書から分析2024-09-26

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 53.21 3.56 2.07 -41.9
PER(株価収益率) 30.0 26.79 34.79 32.79 16.5 -49.7
ROA(総資産利益率) -4.19 -21.0 6.0 9.0 9.89 10.0
ROE(自己資本利益率) 8.89 4.69 4.09 6.30 11.5 82.5
売上高利益率 -1.60 -28.5 4.5 92.40 99.90 8.1
純利益 -1,329百万円 -27,122百万円 6,975百万円 9,533百万円 11,768百万円 23.4
売上高 81,755百万円 95,110百万円 156,620百万円 10,322百万円 11,778百万円 14.1
純資産 4,561百万円 87,722百万円 93,716百万円 6.8
総資産 31,730百万円 129,374百万円 116,833百万円 106,144百万円 118,373百万円 11.5

株価の割安性:割安

この企業のPERは16.5倍、PBRは2.07倍であり、PERは市場平均に近いものの、PBRは市場平均を上回っています。PERが前期比で49.7%減少していることから、株価が割安と判断されます。要因として、ROEが82.5%増加し、ROAも10%増加していることが挙げられます。これらの指標は企業の収益性が向上していることを示しており、投資家にとって魅力的な要素となっています。また、売上高利益率が99.9%と高水準であることも、企業の収益力を裏付けています。結論として、株価は割安と見られますが、PBRの高さには注意が必要です。

収益性:高い

当期のROEは11.5%、ROAは9.89%、売上高利益率は99.90%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を超え、ROAも5%を大きく上回っており、売上高利益率も非常に高い水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比14.1%増加しており、特に機電・IT領域および建設領域での在籍人数の増加と高い稼働率が貢献しています。また、海外領域でも新規顧客の開拓が進み、ポンドベースでの増収が見られました。さらに、子会社の業績寄与や株式譲渡による一時的な利益も収益性向上に寄与しています。

これらの戦略的取り組みと市場環境の好転が、収益性の高さを支えています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比14.1%増加し、11,778百万円に達しています。純利益も23.4%増加し、11,768百万円となっています。ROAやROEもそれぞれ10%および82.5%の増加を示しており、自己資本利益率の大幅な向上が見られます。売上高利益率も8.1%増加しており、利益率の改善が顕著です。

要因としては、機電・IT領域および建設領域での在籍人数の増加と稼働率の高水準維持が挙げられます。また、新たに子会社化した企業の業績寄与も大きく影響しています。さらに、ビーネックスパートナーズの株式譲渡による子会社株式売却益も利益増加に寄与しています。

株式会社オープンアップグループの概要や事業内容など

企業名 株式会社オープンアップグループ
URL https://openupgroup.co.jp/
業種 サービス業
決算日 6月30日

企業概要

株式会社オープンアップグループは、技術者派遣や業務請負を主とした人材サービスを提供する持株会社です。グループ各社を通じて、機電・IT領域、建設領域、海外領域、製造領域の4つの主要事業を展開しています。2021年4月に株式会社夢真ホールディングスと経営統合し、事業規模を拡大しました。2023年11月には、製造領域の事業を担う株式会社ビーネックスパートナーズの全株式を譲渡し、製造派遣事業から撤退しました。2024年6月末時点での従業員数は32,739名であり、国内外で広く事業を展開しています。企業のパーパスとして「幸せな仕事を通じてひとりひとりの可能性をひらく社会に」を掲げ、持続可能な社会の実現を目指しています。

事業内容

オープンアップグループの事業は以下の4つの領域に分かれています。

機電・IT領域:株式会社ビーネックステクノロジーズ、株式会社オープンアップITエンジニア、株式会社ビーネックスソリューションズなどが担当し、国内メーカーでの開発、設計、製造技術等の機械・電気・電子系の技術者や、IT企業でのネットワーク、サーバー、ソフトウェア等の構築、開発、運用系のIT技術者の派遣や業務請負を行っています。

建設領域:株式会社夢真、株式会社オープンアップコンストラクション(旧UTコンストラクション)が担当し、国内の建設業界の企業に対して、施工管理技術者やCAD技術者の派遣を行っています。

海外領域:英国を中心に事業展開しており、Gap Personnel Holdings Limitedを中心に、技術・製造分野に対する派遣・請負や有料職業紹介などの人材サービスを提供しています。また、中国、インドネシア、ベトナムの現地法人においても派遣や人材紹介・人材コンサルティングを行っています。

製造領域:株式会社ビーネックスパートナーズが担当し、国内のメーカーに対して製造工程における派遣や業務請負を行っていましたが、2024年4月1日付で全株式を譲渡し、製造派遣事業から撤退しました。

その他、株式会社オープンアップウィズでの障がい者雇用促進事業や、株式会社SAMURAIでのオンラインプログラミング教育事業なども展開しています。