2023-06-30有価証券報告書 日本坩堝株式会社

企業概要

当社グループは、当社及び子会社５社、関連会社３社により構成され、耐火物事業（黒鉛坩堝、定形耐火物及び不定形耐火物の製造販売、鋳物材料の仕入販売）、エンジニアリング事業（各種工業炉の設計施工及び付帯する機器類の販売、築炉工事請負等）、不動産事業（建物・駐車場賃貸、太陽光発電事業）及びその他事業（塗料循環装置事業）を行っております。

各事業の内容と状況

以下に各事業の現状と見通しを述べます。

• 耐火物事業： 主に鋳造市場と鉄鋼市場向けに提供されています。技術革新に積極的で、特に高付加価値製品の拡販に力を入れています。
• エンジニアリング事業： 鋳造用工業炉及び環境関連の築炉工事を行っています。特にCO2削減に寄与する技術開発に力を入れています。
• 不動産事業： 本社ビルや工場の不動産賃貸などを行っています。安定した収益を見込んでいます。
• その他事業： 日本ピーシーエス株式会社との連携により、塗料循環装置の開発と提供を行っています。

従業員について

従業員数や平均給与などの情報を以下にまとめます。

セグメントの名称	従業員数（名）	臨時従業員数（名）
耐火物	148	30
エンジニアリング	50	5
不動産事業	0	0
その他	21	2
全社（共通）	40	5
合計	259	42

従業員の平均年齢は43.1歳、平均勤続年数は14.6年、平均年収は約607万円です。

関連企業

以下が主要な関連企業です。

• 中央窯業株式会社（耐火物の製造販売）
• アジア耐火株式会社（不定形耐火物の製造販売）
• 眞保炉材工業株式会社（築炉工事）
• 日本ピーシーエス株式会社（塗料循環装置の製造販売）

業績

当期の主要な業績数値を表にまとめます。

項目	2022年3月	2023年3月	前年同期比（%）
売上高（千円）	8675032	8841987	1.9
経常利益（千円）	314615	187227	-40.5
親会社株主に帰属する当期純利益（千円）	212302	24593	-88.4
包括利益（千円）	310563	81850	-73.6
純資産額（千円）	5186106	5199679	0.3

各指標の増減について

売上高は前年より1.9%増加しましたが、経常利益および純利益は大幅に減少しました（それぞれ-40.5%および-88.4%）。これは、原材料と燃料のコスト増加、および関連会社の採算悪化などが一因です。

リスクについて

以下のリスク要因について重要です：

• 自動車のEV化： 当社の鋳造市場の主要顧客である自動車業界のシフトにより、影響が及ぶ可能性があります。
• 鉄鋼事業： 鉄鋼業界の需要減による影響。
• 原材料の価格変動： 原材料価格の高騰や調達のリスク。
• 大規模な自然災害のリスク： 地震や台風などの影響。

まとめ

当社は安定した財務体質を維持しつつ、環境変化に即した対応を進めています。中期経営計画では、特にCO2削減や新製品開発に向けた積極的な取り組みが進められています。総じて、現状は堅調ですが、今後の展開次第で更なる成長が期待できます。