就職活動中、誰もが一度は「この会社の年収って実際どのくらいなんだろう?」と気になることでしょう。年収は生活に直結する重要な要素ですが、具体的な数字を調べるのは意外と難しいものです。筆者も就活時には同じ悩みを抱えていました。しかし、実は有価証券報告書」を見ることで、ある程度の年収を推定することが可能です。本記事では、有価証券報告書を活用して年収を調べる方法と、その際に注意すべきポイントを詳しく紹介します。
有価証券報告書とは?
有価証券報告書とは、上場企業が毎年提出する報告書で、企業の財務状況や経営成績などを詳細に記載したものです。この報告書には、企業の従業員の平均年収に関する情報も含まれており、就職活動中の年収調査において非常に役立ちます。有価証券報告書は、金融庁が運営するホームページEDINETや企業のホームページから取得可能ですが、当サイトでは有価証券報告書の要約として平均年収の記載部分も掲載しているので是非ご活用ください。
有価証券報告書のどこに年収が書いてあるか?
まず、有価証券報告書の中で年収に関する情報が記載されている箇所を確認しましょう。具体的には、「従業員の状況」セクションに記載されていることが多いです。このセクションには、企業全体の従業員数や平均年齢、そして平均年収が記載されています。「第一部 企業情報」⇒「第1 企業の概況」⇒「5 従業員の状況」を見てください。そこに「平均年間給与」があります。
当サイトでは、企業の記事に飛べば真ん中あたりに年収に関する掲載をしています。
ポイント①:平均年齢をチェック!
有価証券報告書を見る際に、年収と一緒に「平均年齢」を必ずチェックしましょう。平均年齢が高い場合、その分年収も高くなる傾向があります。これは、年功序列による昇給や役職手当などが影響しているためです。逆に、平均年齢が低い企業は若い社員が多いため、相対的に年収も低めになることが多いです。
ポイント②:アルバイトや非正規は含まれるのか?
有価証券報告書の年収データには、通常アルバイトや非正規社員は含まれません。多くの場合、これらの従業員は括弧書きで別枠として記載されています。つまり、記載されている平均年収は正社員のみを対象としたものであることがほとんどです。この点を理解しておくと、データの信頼性を高めることができます。
ポイント③:「平均」という言葉に注意!
年収データの「平均」という言葉に注意が必要です。ここで記載されているのは「中央値」ではなく「平均値」であるため、役員などの高年収の人によって全体の数字が引き上げられる傾向があります。例えば、数人の役員が非常に高い年収を受け取っている場合、一般社員の実際の年収よりも平均値が高く表示されることがあります。この点を考慮して、企業の年収データを読み解くことが重要です。
ポイント④:ホールディングスなどに注意!
最後に注意すべきポイントとして、会社の形態に注目しましょう。特にホールディングス(持株会社)などの場合、その平均年収がホールディングス所属の社員のみを対象としている場合があります。ホールディングスには、一般的に高い年収を受け取っている役員や管理職が多く含まれるため、実際の年収データが大幅に高くなる傾向があります。この点も考慮に入れて、有価証券報告書のデータを分析することが大切です。
まとめ
就職活動において、企業の年収を調査することは重要なステップの一つです。しかし、単にネット上の情報を鵜呑みにするのではなく、有価証券報告書を利用して客観的なデータをもとに判断することが求められます。有価証券報告書の「従業員の状況」セクションに記載されている平均年収は、有用な情報源となりますが、その読み方には注意が必要です。平均年齢や非正規社員の扱い、「平均」の意味、そして会社の形態など、見るべきポイントを押さえて正確に理解することで、就職活動をより有利に進めることができるでしょう。
年収は、将来の生活設計に大きな影響を与える要素です。しっかりと調査し、納得のいく企業選びをしてください。この記事が、皆さんの就職活動の一助となれば幸いです。
金融機関の資産運用部門においてクオンツとしてのキャリアを約5年間積んだ後、現在はデータ分析に特化した受託会社に勤めています。
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