AeroEdge株式会社の業績を有価証券報告書から分析2024-09-30

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 3.61
PER(株価収益率) 16.0
ROA(総資産利益率) -8.10 -14.69 0.10 11.60 9.69 -16.4
ROE(自己資本利益率) -27.60 -56.20 0.80 52.40 29.70 -43.3
売上高利益率 -21.89 -90.30 0.40 23.0 20.89 -9.1
純利益 -463百万円 -766百万円 7百万円 673百万円 699百万円 3.8
売上高 2,113百万円 848百万円 1,965百万円 2,921百万円 3,350百万円 14.7
純資産 100百万円 1,622百万円 3,094百万円 90.7
総資産 5,750百万円 5,221百万円 5,358百万円 5,788百万円 7,237百万円 25.0

株価の割安性:割高

この企業のPERは16.0倍、PBRは3.61倍であり、いずれも市場平均を上回っています。したがって、割高と判断されます。割高の要因としては、航空機エンジン部品の需要増加や、仏SAFRAN社との長期契約による安定した売上が見込まれることが挙げられます。また、ROEが29.70%、ROAが9.69%と高い収益性を示しており、これが投資家からの評価を高めていると考えられます。さらに、航空機需要の回復や新技術の開発が進んでいることも、将来の成長期待を高めている要因です。

収益性:高い

当期のROEは29.70%、ROAは9.69%、売上高利益率は20.89%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も非常に高い水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比14.7%増加しており、航空機エンジン部品の需要が堅調に推移していることが大きな要因です。特に、LEAPエンジン向けのチタンアルミブレードの販売が主力であり、安定した需要と高い利益率が収益性を支えています。また、材料が無償支給であるため、変動費が低く、売上増加に伴う利益率の拡大が期待できる収支モデルとなっています。

さらに、設備投資が一巡しており、大規模な追加投資が不要であることも利益率の向上に寄与しています。これにより、固定費の増加を抑えつつ、売上の増加が直接的に利益に反映される構造となっています。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比14.7%増加し、3,350百万円に達しています。純利益も前期比3.8%増加し、699百万円となっています。ROAやROEは前期比で減少しているものの、依然として高い水準を維持しています。特に、ROEは29.70%と高い自己資本利益率を示しています。

要因としては、航空機エンジン部品の需要増加が大きく寄与しています。特に、仏Airbus社製A320neoファミリー機と米Boeing社製737MAX機に搭載されるLEAPエンジン向けのチタンアルミ製低圧タービンブレードの販売が好調です。また、航空機需要の回復と中小型機の需要増加が、売上高の増加に寄与しています。さらに、為替相場の円安も業績にプラスの影響を与えています。

AeroEdge株式会社の概要や事業内容など

企業名 AeroEdge株式会社
URL https://aeroedge.co.jp/
業種 輸送用機器
決算日 6月末日

企業概要

当社は、「ゼロからイチを創る ~常識を疑い、組織力で難しい課題に挑戦する~」という経営理念のもと、ものづくり企業として、航空機エンジン部品、並びにその他製品の加工製造・販売を主な事業内容としております。また、創造性と技術力で製造業に新たな価値を提供することを目的とし、Additive Manufacturing(積層造形)等の新たなものづくりに向けての研究開発を推進しております。当社は、「加工事業」の単一セグメントで活動しておりますが、事業・機能を航空機エンジン部品加工とその他の加工の2つの分野に分類しています。

事業内容

当社の主な事業は、航空機エンジン部品の加工生産・販売です。具体的には、仏Airbus社製A320neoファミリー機と米Boeing社製737MAX機用エンジン「LEAP」に搭載されるチタンアルミ製の低圧タービンブレードの加工生産・販売を行っています。当社は、航空機エンジンメーカー大手である仏SAFRAN社と、LEAPエンジンに搭載されるチタンアルミブレード需要の一定の割合を供給する契約を締結しており、2024年10月にはマーケットシェアが40%に変更される予定です。また、当社のチタンアルミブレードは、従来のニッケル合金製のものと比較して軽量で耐熱性が高く、燃費の向上に寄与しています。さらに、当社は、チタンアルミブレードの加工で培った技術・経験を活用し、eVTOL(電動垂直離着陸機)用部品やガスタービン用部品の受託加工も行っています。また、AM(Additive Manufacturing、積層造形)技術の開発を進めており、これにより複雑形状の部品の製作が可能となります。