株式会社メディアシークの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 五期前 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名              
PBR 0.90 1.05 16.4
PER(株価収益率) 129.80 12.35 58.24 47.79 27.48 -42.5
ROA(総資産利益率) 1.60 3.09 93.7
ROE(自己資本利益率) 1.10 12.80 1.60 1.89 3.79 100.0
売上高利益率 6.90 13.89 101.4
純利益 60百万円 120百万円 99.8
売上高 1,857百万円 2,305百万円 1,779百万円 887百万円 870百万円 865百万円 -0.6
純資産 823百万円 3,167百万円 3,128百万円 -1.2
総資産 3,676百万円 5,215百万円 5,088百万円 3,772百万円 3,857百万円 3,927百万円 1.8

株価の割安性:割高

この企業は、PERが27.48倍PBRが1.05倍と市場平均を上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、ROEが3.79%、ROAが3.09%と改善傾向にあること、売上高利益率が13.89%と高い水準にあることが挙げられます。また、画像解析・AIやライフスタイルDXなどの成長分野への積極的な投資が投資家からの評価を高めていると考えられます。これらの要素が株価の上昇を支えているため、現時点では割高と見られます。

収益性:低い

当期のROEは3.79%、ROAは3.09%、売上高利益率は13.89%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると低いと判断できます。売上高利益率は比較的高いものの、ROEとROAの低さが収益性の低さを示しています。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高がほぼ横ばいで成長が見られないことが挙げられます。また、ROEとROAの低さは、資本や資産を効率的に活用できていないことを示唆しています。特に、画像解析・AIビジネスユニットの売上高とセグメント利益の減少が大きな影響を与えています。広告単価の低下や市場の不確実性が影響していると考えられます。

これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。また、新規事業の立ち上げと既存事業の効率化を進めることが重要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは「好調」と判断されます。売上高は前期比0.6%減少していますが、純利益は99.8%増加し、ROAやROEも大幅に改善しています。特に、ROEは前期の1.89%から当期の3.79%に上昇しており、自己資本利益率の大幅な改善が見られます。また、売上高利益率も101.4%増加しており、利益率の向上が顕著です。

要因としては、コーポレートDXライフスタイルDXのビジネスユニットが堅調に推移していることが挙げられます。特に、コーポレートDXのセグメント利益率が上昇し、安定的な売上増加に寄与しています。また、ライフスタイルDXの「マイクラス」も大手カルチャーセンターからの引き合いが多く、増収増益を実現しています。

株式会社メディアシークの概要や事業内容など

企業名 株式会社メディアシーク
URL https://www.mediaseek.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 7月31日

企業概要

株式会社メディアシークは、親会社である株式会社メディアシークを中心に、スタートメディアジャパン株式会社および株式会社メディアシークキャピタルの2つの子会社で構成されています。経営理念として「善いものを生みだし続ける」を掲げ、既存事業の安定成長と新規事業への投資を両立させることを目指しています。主要な事業領域は、コーポレートDX、画像解析・AI、ライフスタイルDX、ブレインテック・DTx、ベンチャーインキュベーションの5つです。これらの事業領域において、企業向けシステムコンサルティング、スマートフォン向けアプリの開発・運営、教育・ヘルスケア・金融関連のサービス提供、脳科学を活用したデジタルセラピューティクス、スタートアップ企業へのインキュベーションサービスなどを展開しています。特に、ブレインテック・DTxは先進的な事業領域として注目されており、今後の成長が期待されています。また、2024年には日本リビング保証株式会社との経営統合を予定しており、さらなる事業拡大を図っています。

事業内容

株式会社メディアシークの事業は以下の5つのビジネスユニットに分かれています。

コーポレートDX:企業向けシステムコンサルティング業務を中心とし、IT技術やモバイル機器を活用した情報ビジネスの設計・開発、運用サポートを提供。業務システムの設計・開発から導入後の運用支援までを行い、報酬を得るビジネス形態です。

画像解析・AI:高度な画像解析技術を活用し、スマートフォン向け無料提供アプリ「バーコードリーダー/アイコニット」を中心に、広告収入やライセンス料を収益源としています。AI技術の研究開発も行い、SNS分析からトレンド予測を行うビジネスを展開しています。

ライフスタイルDX:EdTech、FanTech、HealthTech、FinTechの4つのテクノロジーを中心に、教育事業者向けの「マイクラス」やスマートフォン向け恋愛シミュレーションゲーム、ヘルスケアアプリ、決済サービス「エスコレ」などを提供。各種サービスの利用料やライセンス費を収益源としています。

ブレインテック・DTx:脳科学とITを組み合わせた新しい事業領域で、ニューロフィードバック技術を活用したデジタルセラピューティクス(DTx)を展開。慢性疼痛やうつ病、認知症などの治療用アプリの開発を行い、医療機関とのパートナーシップを目指しています。

ベンチャーインキュベーション:有望なスタートアップ企業やベンチャー企業に対するインキュベーションサービスを提供。投資先企業のIPO実現を目指し、キャピタルゲインを得るビジネスモデルです。

これらの事業を通じて、メディアシークは多様な分野での成長を目指し、持続可能な社会の発展に貢献しています。