株式会社システムサポートの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 5.35 3.88 -27.4
PER(株価収益率) 47.47 21.23 15.35 21.86 16.04 -26.6
ROA(総資産利益率) 11.39 12.30 7.9
ROE(自己資本利益率) 20.5 25.0 24.5 26.79 26.70 -0.4
売上高利益率 5.19 5.59 7.7
純利益 1,010百万円 1,224百万円 21.2
売上高 13,376百万円 14,431百万円 16,198百万円 19,267百万円 22,030百万円 14.3
純資産 723百万円 4,125百万円 5,056百万円 22.6
総資産 5,948百万円 6,662百万円 7,815百万円 8,871百万円 9,929百万円 11.9

株価の割安性:平均的

この企業のPERは16.04倍、PBRは3.88倍であり、PERは市場平均に近いものの、PBRは市場平均を大きく上回っています。PERが市場平均に近いことから、収益性に対する評価は適正と考えられますが、PBRが高いことは、資産に対する評価が高いことを示しています。要因として、クラウドインテグレーション事業やアウトソーシング事業の成長、ROEが26.70%と高いことが挙げられます。これらの要素が投資家からの評価を高め、PBRの上昇につながっています。

収益性:高い

当期のROEは26.70%、ROAは12.30%、売上高利益率は5.59%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、収益性は高いと判断できます。ROEは10%を大きく超え、ROAも5%を上回っており、売上高利益率も健全な水準です。

収益性が高い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高が前期比14.3%増加しており、特にクラウドインテグレーション事業が35.7%の大幅な成長を見せています。クラウドサービスの需要が高まり、技術支援やライセンス再販が好調に推移したことが寄与しています。また、アウトソーシング事業やプロダクト事業も堅調に推移しており、全体的な売上増加に貢献しています。さらに、経常利益や純利益もそれぞれ19.0%、21.2%増加しており、収益性の向上が見られます。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比14.3%増加し、22,030百万円に達しています。純利益も21.2%増加し、1,224百万円となっています。ROAやROEもそれぞれ7.9%と-0.4%の変動で、安定した利益率を維持しています。

要因としては、クラウドインテグレーション事業の成長が大きく寄与しています。特に、Amazon Web Services(AWS)やServiceNow等のクラウドサービスの移行・利用に係る技術支援が好調に推移し、クラウドサービスへの移行後のリセール(ライセンス等の再販)が拡大したことが挙げられます。また、データセンター業務でのストック売上や顧客1社あたりの利用料の増加も業績に貢献しています。

株式会社システムサポートの概要や事業内容など

企業名 株式会社システムサポート
URL https://www.sts-inc.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、株式会社システムサポートを中心に、連結子会社7社で構成されており、クラウドインテグレーション事業、システムインテグレーション事業、アウトソーシング事業、プロダクト事業、海外事業の5つのセグメントで事業を展開しています。経営理念として「社会への貢献」「顧客サービス向上」「価値の共有」を掲げ、社会や顧客の発展に貢献することを目指しています。また、「至誠と創造」という社是のもと、顧客や株主をはじめとするステークホルダーに対して誠実に接し、新たな価値を創造することを重視しています。中期経営計画では「成長と更なるイノベーションの創出」をテーマに掲げ、顧客・社会のDX推進、多様な人材の成長と活躍、サステナビリティ経営の強化を基本方針としています。経営環境の変化に対応し、クラウドインテグレーション事業や新規事業へのチャレンジ、品質・生産性向上の取り組みを進めています。また、優秀な人材の確保と育成、給与水準の向上、働きやすい環境の整備にも注力しています。

事業内容

当社グループは、以下の5つのセグメントで事業を展開しています。

①クラウドインテグレーション事業:Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、ServiceNowなどのクラウドサービスの新規導入や既存ITシステムのクラウド環境への移行、技術支援、ライセンス再販を行っています。特にデータベースやデータ分析基盤の利用に関する分野に強みを持ち、各種クラウドサービスの技術者を積極的に育成・採用しています。

②システムインテグレーション事業:ITシステムのコンサルティング・設計・開発・運用保守を中心に、ERPパッケージの利用・導入に係る技術支援やインフラ構築を行っています。ソフトウェアの受託開発では業種・業務を問わず幅広く対応し、専門性が要求される分野を戦略的に強化しています。

③アウトソーシング事業:プライベートクラウド等のデータセンターサービスやニアショアによるシステム運用保守、データ分析・入力サービスを提供しています。金沢と東京に自社グループのデータセンターを設置し、AI関連等独自のサービスを提供しています。

④プロダクト事業:自社グループによる製品(ソフトウェア)の開発及び販売、ユーザー企業の用途に応じたカスタマイズを行っています。主要製品には建築業向け工事情報管理システム「建て役者®」、モバイル受発注システム「MOS」、医用画像ファイリングシステム「T-File®」、クラウド型シフト管理システム「SHIFTTEE®」、勤怠・作業管理システム「就業役者®」があります。

⑤海外事業:アメリカおよびカナダにて、システムインテグレーションや給与・会計業務のアウトソーシング、人材紹介サービス等を展開しています。

各セグメントにおいて、顧客のニーズに応じた技術支援やサービス提供を行い、事業の成長と発展を目指しています。