株式会社ボルテージの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 4期前 3期前 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名            
PBR 0.97 0.79 -19.1
PER(株価収益率) -15.80 19.0 -5.59 -54.0 326.60
ROA(総資産利益率) -1.29 0.20
ROE(自己資本利益率) -7.5 6.69 -17.10 -1.79 0.20
売上高利益率 -0.89 0.20
純利益 -39百万円 5百万円
売上高 6,587百万円 6,903百万円 5,392百万円 4,258百万円 3,457百万円 -18.8
純資産 1,251百万円 2,162百万円 2,175百万円 0.6
総資産 3,004百万円 3,513百万円 3,060百万円 2,954百万円 2,836百万円 -4.0

株価の割安性:割高

この企業は、PERが326.60倍PBRが0.79倍と市場平均を大きく上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、当期の純利益が5百万円と黒字転換したものの、売上高が前期比18.8%減少しており、業績の不安定さが影響していると考えられます。また、ROEやROAも低水準であり、収益性の改善が見られないことが投資家の不安を招いている可能性があります。これらの要素が投資家からの評価を低下させ、株価の割高感を引き起こしています。

収益性:低い

当期のROEは0.2%、ROAは0.2%、売上高利益率は0.2%です。これらの数値を基に収益性を評価すると、ROEとROAはそれぞれ10%と5%を目安にすると収益性は低いと判断できます。売上高利益率も0.2%と非常に低いです。

収益性が低い要因として、以下の点が考えられます。まず、売上高が前期比18.8%減少しており、特に「日本語女性向け」や「英語・アジア女性向け」などの主要セグメントでの売上減少が顕著です。また、広告宣伝費や外注費の削減が行われたものの、売上減少に伴う販売手数料の減少が収益性に影響を与えています。さらに、モバイルコンテンツ市場の競争激化や市場動向の変化に対する適応が遅れていることも要因として挙げられます。

業績のトレンド:不調

この企業の業績トレンドは「不調」と判断されます。売上高は前期比18.8%減少し、3,457百万円となっています。売上高の減少は、特に「日本語女性向け」や「英語・アジア女性向け」などの主要セグメントでの売上減少が影響しています。営業損失も前期の84,840千円から94,355千円に拡大していますが、投資有価証券売却益の計上により経常利益は15,919千円となり、親会社株主に帰属する当期純利益も5,269千円と黒字転換しました。

要因としては、主要セグメントの売上減少が大きく影響していると考えられます。また、広告宣伝費や外注費の減少によりコスト削減が進んでいるものの、売上の減少を補うには至っていません。さらに、従業員数の減少も影響している可能性があります。

株式会社ボルテージの概要や事業内容など

企業名 株式会社ボルテージ
URL https://www.voltage.co.jp/
業種 情報・通信業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、モバイルコンテンツの企画・制作・開発・運営を行う「モバイルコンテンツ事業」を主な事業内容としています。スマートフォン等のインターネットに接続可能なモバイル端末の利用者を対象としており、感動コンテンツを提供することを目指しています。企業理念「アート&ビジネス」のもと、独自のスタイルで「恋愛と戦いのドラマ」をテーマにしたコンテンツを世界に広めることを目指しています。当社グループの基本理念は、「アート&ビジネス」の確立で社会に貢献すること、「恋愛と戦いのドラマ」の独自スタイルを世界へ広めること、そして「自律成長」する個人と組織を目指すことです。また、当社グループは、株式会社ボルピクチャーズという連結子会社を持ち、映像コンテンツの企画・製作・販売を行っています。従業員数は2024年6月30日現在で165名、平均年齢は33.9歳、平均勤続年数は8.3年、平均年間給与は5,175,942円です。労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。

事業内容

当社グループの事業は、主にモバイルコンテンツの企画・制作・開発・運営を行う「モバイルコンテンツ事業」です。主な事業区分は「日本語女性向け」「英語・アジア女性向け」「男性向け」「電子コミック・コンシューマ」の4つに分かれています。「日本語女性向け」では、読み物型、アバター型、カード型、ファンダムの4つのタイプのアプリを展開しており、特に「アバター型」と「読み物型」が主力です。「英語・アジア女性向け」では、読み物型とアバター型のアプリを提供しています。「男性向け」では、カード型のアプリを展開しており、「六本木サディスティックナイト」が主力です。「電子コミック・コンシューマ」では、電子コミック販売ストアやNintendo Switch向けのコンテンツを提供しています。当社グループの課金モデルは、基本プレイが無料でアイテムの利用量に応じた従量課金制もしくはストーリー単位の個別課金制です。また、当社グループは、事業多角化とIP(知的財産)の創出を目指しており、既存事業と新規事業のバランスを取りながら成長を図っています。特に、電子コミックやコンシューマといった新分野でのヒットIPの創出に注力しています。さらに、システム技術・インフラの強化や優秀な人材の確保と組織体制の強化にも取り組んでいます。