株式会社トライアルホールディングスの業績を有価証券報告書から分析2024-09-27

相対年度 2期前 前期 当期 前期比(%)
項目名        
PBR 2.29
PER(株価収益率) 22.93
ROA(総資産利益率) 4.19 4.19 0.0
ROE(自己資本利益率) 13.0 13.10 12.60 -3.8
売上高利益率 1.29 1.60 23.1
純利益 8,472百万円 11,837百万円 39.7
売上高 595,500百万円 653,112百万円 717,948百万円 9.9
純資産 100百万円 68,020百万円 118,187百万円 73.8
総資産 185,730百万円 200,639百万円 283,627百万円 41.4

株価の割安性:割高

この企業は、PERが22.93倍PBRが2.29倍と市場平均を上回り、割高と判断されます。割高の要因としては、売上高が前年同期比9.9%増加し、純利益が39.7%増加するなど、業績が好調であることが挙げられます。また、リテールAI事業の成長や新規出店の増加、既存店の改装による収益性の向上も影響しています。これらの要素が投資家からの評価を高め、株価上昇につながっていると考えられます。

収益性:平均的

当期の業績を基に、この企業の収益性を評価します。まず、ROEは12.6%であり、10%の目安を上回っているため「高い」と評価できます。次に、ROAは4.19%で、5%の目安を下回っているため「平均的から低い」と評価できます。最後に、売上高利益率は1.60%で、一般的な水準と比較すると「低い」と評価できます。

収益性が平均的から低い要因として、以下の点が挙げられます。まず、売上高は前年同期比9.9%増加しているものの、売上高利益率が低いため、コスト管理や価格競争の影響が大きいと推測されます。また、リテールAI事業への積極的な投資が続いており、セグメント損失が発生していることも収益性に影響を与えています。これらの要因を踏まえ、収益性の向上には、コスト管理の強化や高収益案件の獲得が必要です。

業績のトレンド:好調

この企業の業績トレンドは好調と判断できます。売上高は前期比9.9%増加し、717,948百万円に達しています。純利益も39.7%増加し、11,837百万円となっています。売上高利益率も23.1%増加し、1.60%に改善しています。これらの数値は、企業が大幅な成長を遂げていることを示しています。

要因としては、流通小売事業の拡大が大きく寄与しています。特に、スーパーセンターやsmart、小型店の新規出店が進み、既存店売上高も5.8%増加しています。また、リテールAI事業におけるSkip Cartの導入推進が顧客の利便性向上に寄与し、店舗のスループットが上昇しています。これにより、全体的な売上と利益の増加が実現されています。

株式会社トライアルホールディングスの概要や事業内容など

企業名 株式会社トライアルホールディングス
URL https://trial-holdings.inc/company/overview/
業種 小売業
決算日 6月30日

企業概要

当社グループは、純粋持株会社である当社と、各事業を担う連結子会社24社および関連会社3社から構成されています。主要な事業は「流通小売事業」と「リテールAI事業」であり、これらの事業を通じて経営効率の向上を目指しています。2024年6月30日現在、当社グループは全国にディスカウントストア『TRIAL』ブランドの店舗を展開しており、メガセンター、スーパーセンター、smart、小型店の4つのフォーマットで運営しています。特にスーパーセンターを中心に、商圏人口や立地、店舗面積を考慮して様々なエリアに出店し、各エリアでのドミナント展開と収益の最大化を進めています。また、当社は2024年3月21日に東京証券取引所グロース市場に上場しました。これにより、潜在株式調整後1株当たり当期純利益や株価収益率などの指標が新たに算定されています。従業員数は連結ベースで6,529人、臨時従業員を含めると16,936人に達しています。

事業内容

当社グループの事業は主に「流通小売事業」と「リテールAI事業」に分かれています。流通小売事業では、全国にディスカウントストア『TRIAL』ブランドの店舗を展開し、メガセンター、スーパーセンター、smart、小型店の4つのフォーマットで運営しています。特にスーパーセンターを中心に、商圏人口や立地、店舗面積を考慮して様々なエリアに出店し、各エリアでのドミナント展開と収益の最大化を進めています。商品ラインナップは生鮮食品や日用消耗品から家電製品、アパレル用品まで多岐にわたり、24時間営業(一部店舗を除く)で利便性と価格優位性を提供しています。また、弁当・惣菜製造や生鮮食品の加工を行うプロセスセンターやセントラルキッチンを有し、プライベートブランド(PB)商品も展開しています。リテールAI事業では、小売事業者や食品・消費財メーカーに対して、買い物体験の向上や店舗オペレーションの改善、広告・販売促進活動の効率化を図るプロダクトやソリューションを提供しています。主力プロダクトであるSkip Cartはセルフスキャンによるレジ待ちの解消やクーポン・レコメンドを活用したワン・トゥ・ワンマーケティングを実現し、月額利用料やライセンス利用料等の収入を得ています。その他、POSやID-POS等のデータ分析プラットフォーム、カメラソリューション、インストアサイネージなどのプロダクトも開発・提供しています。